まだ研究される必要があるようですがウバウオ科はスズキ目の中にふくまれています。殆どの種類は全長8cm程度と小型で頭部は縦扁し尾柄部は側扁しています。腹鰭は吸盤のようになっていて多くの種類が浅い岩礁や藻場にすみ海藻やウニ類やウミシダ類についていたりするものもいます。柔軟性の高い体を持ちその表面には鱗は無く粘液に覆われています。
細長い体に黄色ラインが美しいハシナガウバウオさん! 柏島

- 刺さると怖い怖いガンガゼさんの近くでふふふ~んと踊るように泳いでいるのはスズキ目ウバウオ科ハシナガウバウオ属のハシナガウバウオさんではないでしょうか?・・・ハシナガウバウオさんは体長約4〜6cmと小型でガンガゼさんのまわりでよく見られとても細長い円筒形の体と長い吻が特徴の小型魚です・・・ハシナガウバウオさんの体色は赤褐色で背中線・腹中線・左右体側に細い黄色の縦帯が3本走っています・・・でも3本の黄色ラインと言われていますが体側のラインが左右に1本ずつあるため厳密には4本という説もあり左右のラインの太さや明瞭さが個体差で変わるのも面白い特徴です・・・また尾鰭中央に黄色斑がありハシナガウバウオさんの吻はメスのほうがオスより1.5倍ほど長いという独特の生態を持つお魚さんです。


- ハシナガウバウオさんは岩礁域・サンゴ礁域の浅場でガンガゼさんの棘の間や周辺で生活するのが最大の特徴で危険が迫ると棘の隙間に素早く隠れて身を守ります・・・ウバウオ科の多くは腹鰭が吸盤状になりは岩に吸着しますがハシナガウバウオさんは常に遊泳していてウバウオ科なのに吸盤が未発達となっていて吸盤がほぼ機能していないというウバウオ科の中でもかなり異端の存在なのです・・・ハシナガウバウオさんの成魚はガンガゼの管足や棘を食べるという特異な食性を持ちその他に二枚貝の外套膜や小型甲殻類の卵やテンジクダイ類が口内保育している卵まで食べるそうです・・・ハシナガウバウオさんはガンガゼさんに守ってもらっているのに食べてしまうなんて恩を仇で売るような行為ですね。


- またハシナガウバウオさんはテンジクダイ類が口の中で卵を保育しているときその口元に近づいて卵を吸い取るように盗み食いする卵泥棒としても有名です・・・一生懸命育てている口の中の可愛い卵を吸い取るなんてひどい話ですがこの行動はかなり珍しくハシナガウバウオさんの生態を語るうえで外せないポイントとなっています・・・またメスの吻が長い理由は完全には解明されていませんが有力な説としてメスは卵を多く必要とするため長い吻で卵を盗みやすいように長くなっているそうです・・・一方オスの方は縄張り防衛や求愛で長い吻が不要なため短くなっているという食性と繁殖戦略の違いに吻の長さの違いがあると考えられています・・・ハシナガウバウオさんの体色は環境で変わりやすくガンガゼさんの棘の色や周囲の光量によって赤褐色が濃くなったり黄色ラインが強く出たり全体が暗く沈むなど体色の変化が大きいお魚さんです。


- ハシナガウバウオさんはガンガゼさんの棘の間に住むけれどガンガゼさんを守るわけでも掃除するわけでもなくガンガゼさんの管足を食べるという関係なので共生ではなく利用しているに近いのです・・・ただしガンガゼさん側も大きなダメージは受けにくく結果としてゆるい共存関係が成立しているということです・・・ちなみにハシナガウバウオさんの稚魚はまだガンガゼさんの棘をかじるほどの口や吻の強度がありませんので動物プランクトンを主に食べていると考えられます・・・でもハシナガウバウオさんは稚魚の段階からガンガゼさんの棘の間に潜むことが観察されていますのでガンガゼさんの棘に付く微細な藻類や微小な付着動物や有機物などをついばんでいる可能性があります・・・ハシナガウバウオさんの逃げ方は独特で危険を感じると棘の影にスッと消えたり棘の根元に沿って移動したり棘の裏側に回り込んだりとガンガゼさんの構造を熟知した動きをします。

ハシナガウバウオさんの後ろにびっくり顔のハゼさんがいる!
- ガンガゼさんの長い棘の中をチョコマカチョコマカと泳いでいるのはスズキ目ウバウオ科ハシナガウバウオ属のハシナガウバウオさんです・・・ハシナガウバウオさんの体は円筒形で細長く口もニューっと長く尖っていて所謂ひょっとこ顔ですかね?・・・ハシナガウバウオさんの体の色は暗褐色というかあずき色で身体の側面と背面に2本の細いきれいな黄色の縦帯が走っています・・・ハシナガウバウオさんの縞模様と体の色はガンガゼさんの棘に紛れて目立ちにくいデザインになっているという事ですが確かにそう言われればガンガゼさんの色にそっくりです・・・ハシナガウバウオさんは何か危険を感じると直ぐにガンガゼさんの鋭く長い棘の間に逃げ込んで敵からの攻撃を避けるようにしますがこの写真のハシナガウバウオさんも私を警戒しているようです・・・先ほどひょっとこ顔と言いましたがよく見ると精悍な目で私をじっと見つめるスマートなハシナガウバウオさんでした。

- それにしても偶然映り込んだ後ろのハゼさんの表情がいいですね・・・ハシナガウバウオさんはガンガゼさんの棘の間をひょいひょいと巧みに泳ぎまわることができるので「すごいなあ!ガンガゼさんにあんなに近づいて!うらやましいなあ!僕にはできないなあっ!」ってびっくり顔でハゼさんが言っているようです・・・ガンガゼさんをガードマンのように頼りにしているハシナガウバウオさんなのです・・・ところでウバウオ類は実は鱗がなく鰓蓋骨に1~2の強い棘を持っていて腹鰭は岩などに付着するために吸盤に変化しているそうですがハシナガウバウオさんはこの吸盤の発達が悪いのだそうです・・・それで他のウバウオさんの様に岩などに付着している姿は見られませんがこれだけガンガゼさんの棘の間を巧みに泳ぐことができればそれだけで才能ですよね・・・ちなみに長く突き出た吻が特徴のハシナガウバウオさんですがメスとオスで形が異なりメスの吻は細長くオスの吻は幅が広く先が丸くなっています・・・という事はこの写真のハシナガウバウオさんはオスですね。


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