燃えるようなタンゴ!情熱のミアミラウミウシさん!
- 何とも言えない存在感のあるウミウシさんが柏島の綺麗な海の中でウゴウゴしていますがこのウミウシさんはドーリス目イロウミウシ科ミアミラウミウシ属のミアミラウミウシさんです・・・ミアミラウミウシさんの大きさは70mmにも達しウミウシさんの中では大型種であり体の色も見た通り紫色や赤色や青色や緑色などが混じり合っていてかなり変異に富んでいます・・・このミアミラウミウシさんがもっと小さければ可愛いのかもしれませんがこの大きさでは結構な威圧感がありますね!・・・ミアミラウミウシさんのこの派手な色といいボコボコとした筋肉質の身体といい何かメラメラと燃えあがる情熱というか不思議な感じを抱かせます・・・海の中ではありますがまさに妖艶で情熱的なタンゴを踊る世界の住人といった感じですか?

- 見ての通りミアミラウミウシさんの背中の正中線上には隆起線があってその線上では数か所がボコボコと盛り上がっています・・・このボコボコした身体って筋肉質で堅そうな感じがしますが触ってないのでわかりませんがどうなのでしょうか?・・・意外と柔らかかったりして?・・・ちょっと色合いは全然違いますがフォルムがまるでゴジラのような印象を与える力強さを感じます・・・それとは対照的にフワフワと優し気に漂っているミアミラウミウシさんの二次鰓がありますがその前方の突起は特に大きく張り出してオラオラと主張しているような個性を感じます・・・それからその大きく張り出した突起の付け根から横方向にも隆起線が伸び外套膜周縁に向かってグッと張り出しています・・・ミアミラウミウシさんは何処までも力強さを主張したいのでしょうか?

- それにしてもミアミラウミウシさんには失礼な事なのですが見た感じがかなり毒々しいですよね・・・なんでこんなボコボコ下形と派手派手な色をしているのでしょうか?・・・やはりミアミラウミウシさんも他の生き物に食べられないようにこんな派手な色と形をして「食べちゃダメですよ!危ないですよ!」って注意喚起をしているのでしょうか?・・・そうとしか考えられない姿態のミアミラウミウシさんなのです・・・ミアミラウミウシさんの背中には橙色や黄色の斑模様や筋模様があり外套膜周縁は淡黄色になっていて体側には黄色の円班がありこの円班も盛り盛りしています・・・ミアミラウミウシさんの触角の色は赤色から橙色で二次鰓は赤色であることが多く軸の外側が白色になっています・・・二次鰓の印象と身体の印象の対比に生命力を感じてしまうのは私だけでしょうか?

ミゾレウミウシさんの後ろ姿が清楚で艶やか!
- イロウミウシ科ミスジアオイロウミウシ属のミゾレウミウシさんの背面は半透明な白色から青白色で3本の暗青色から黒色の縦線が入ります・・・でもこの縦線は途切れることもあり正中線上の黒色線は触角間と鰓直前だけのミゾレウミウシさんが多いようです・・・背の周縁と腹足周縁は白色に縁どられ触角と鰓は半透明の青白色から淡黄褐色で白い細点が密に散在しています・・・心太の様にも見えるしカエルの卵の様にも見える綺麗な2次鰓です・・・この写真のミゾレウミウシさんは触覚がほんの少し写っていますがやはり立派な触角と顔が見える様に正面からバシッと撮影するべきでしたね・・・次回はちゃんと正面から撮りますのでミゾレウミウシさんかっこいいポーズをよろしくお願いいたします。

- ちなみにミゾレウミウシさんとよく似たダイアナウミウシさんとミスジアオイロウミウシさんという方がいます・・・イロウミウシ科ミスジアオイロウミウシ属のダイアナウミウシさんは体の地色は白色で背面は灰青色になっており白色の細点が密に散在していて外套膜最外周は白色で縁取られています・・・黒色の太い線が頭部から触角を通り二次鰓の後方まで繋がっていますが途切れがちです・・・正中線上には黒色の斑紋が入りますが円班になったり縦線になったりと個体差があり触角の色は黄色で二次鰓は基部が白色で半分から先が黄色になっています・・・ミゾレウミウシさんにとてもよく似ていますが触角と二次エラが黄色いので判別は容易です・・・またイロウミウシ科ミスジアオイロウミウシ属のミスジアオイロウミウシさんは体の地色は白色で外套膜最外周は白色で縁取られその内側は水色になっています・・・水色の領域には3本の縦線があり外側の2本の線は触角前部と二次鰓の後部で繋がっています・・・触角と二次鰓の色は橙色ですが赤味を帯びたり色が薄くなるものも見られます・・・外套膜が単一の色で他の種に存在する白い斑点がなく触角と二次エラが黄色い個体が多いのが特徴で~す。
ミチヨミノウミウシさんの清楚な薄紫と控えめな黄色!
- 海藻にぶら下がっている藤の花の様な清楚で綺麗な薄紫色をしているウミウシさんは裸鰓目フジエラミノウミウシ科シロタエミノウミウシ属のミチヨミノウミウシさんではないでしょうか?・・・ミチヨミノウミウシさんの体の地色は何とも言えない清楚できれいな紫色から薄紫色で背側には突起がたくさんありますが体の地色と同じ薄紫色で先端部分だけが黄色くなっています・・・この黄色の下に濃い紫色の輪を持つミチヨミノウミウシさんもいてとてもお洒落でかわいいウミウシさんです!・・・ミチヨミノウミウシさんの触角と口触手は平滑で棒状になっており色は体の地色よりもちょっと濃いめの紫色をしています・・・その色の濃さはなんとなくミチヨミノウミウシさんの強い意志の表れの様に感じますが如何でしょうか?

- この写真のミチヨミノウミウシさんの大きさは30mm程度と小さくウミウシさんの中でも小さめで淡い色をしているのでよくよく観察しないと見つけにくいかもしれません!・・・ミチヨミノウミウシさんがまるで藤棚の藤の花の様に綺麗に咲き誇っているように見えます・・・まさに海の宝石の様なミチヨミノウミウシさんですがミチヨミノウミウシさんはガヤ類をホストとしていて岩礁域や浅所で暮らしています・・・ミチヨミノウミウシさんはヒドロ虫を食べて生きていますがちなみに刺胞動物は固着性のポリプと浮遊性のクラゲに分けられポリプの発達したものをヒドロ虫といいます・・・一部にはサンゴやイソギンチャクと同じくらいに大きくなるものもありますがその大部分は小柄で目立たないものが多いようです・・・この写真でもよく見るとヒドロ虫の様なものがたくさん生えていてミチヨミノウミウシさんが一生懸命「これはうまい!これはうまい!」と嬉しそうに食べているようです。
ルージュミノウミウシさん!きれいなウミウシさん!
- ケラマの海はウミウシさん達もたくさん暮らしていて小さいものから大きいものカラフルなものから地味なものまで種類も豊富です・・・ウミの宝石と呼ばれているウミウシさんたちに何とか会いたいと思うのですがウミウシさんたちは上手に隠れている上に小さくて見つからなかったりで思うようにはいきません・・・下の写真のルージュミノウミウシさんはとても小さなウミウシさんなのですが身体の色はうすい紫色で清楚で高貴な印象を与えるきれいなウミウシさんです・・・背なかの突起は基部が紫色でその先は鮮やかな橙赤色になっています・・・そんな突起の塊が6~7群あって外套縁からニョキニョキと生えています・・・残念ながら後ろ姿なので顔の部分が見えていませんね・・・すみません・・・食性は肉食から草食まで幅広く知られているウミウシさん達ですがこのルージュミノウミウシさんは何を食べているのでしょうか?・・・私の個人的なイメージですが色合いと形から肉食のような気がします!

- ルージュミノウミウシさんの触角は背中の突起に隠れて見えづらいですが下半分が黄白色になっていて上半分が橙赤色になっており先端は乳頭状にみごとに尖っています・・・またルージュミノウミウシさんの口触手はこの写真では一本しか見えていませんが平滑で長く基部が紫色で先端が白色になっています・・・大きさは2cm程度ととても小さなルージュミノウミウシさんですがインパクトのある形と色をした個性の強いウミウシさんです・・・背中の突起が燃えるような鮮やかな赤色で「僕を食べると毒があるから危ないよ!」と警告しているようです・・・実際ウミウシさんは有毒な生物を食べることで体内に毒を蓄積している種も多く派手な色は警戒色ではないかと考えられています・・・一方その派手な色はカラフルなサンゴ礁の中で隠れるのに都合がよいとも言われています・・・確かに南の海の中はカラフルですからね・・・コノハウミウシさんやヒカリウミウシさんの様に点滅する蛍光を放つ能力のあるウミウシさんもいるそうです。
妖艶な九尾の狐の子孫なのかロータスミノウミウシさんは?

- 何とも言えない妖艶さを醸し出していて体の色はとてもきれいな色でフサフサしているのは裸鰓目サキシマミノウミウシ科セスジミノウミウシ属のロータスミノウミウシさんではないでしょうか?・・・ロータスミノウミウシさんの触角や背中側は薄紫色の長めの突起がたくさんあって突起の先端は不透明な褐色と濃い紫のバンドになっていますがよく見ると淡褐色の中腸腺が透けて見えます・・・ちなみに中腸線とは節足動物や軟体動物の消化管の中腸に開口する盲嚢状の器官で節足動物のものは脊椎動物の肝臓や膵臓に当たります・・・日常の食生活で認識されるものとしては蟹味噌やイカの塩辛を作る時のイカワタなどがこれに相当します・・・もちろんロータスミノウミウシさんを食べるわけではありませんが不思議な器官ですよね。

- ロータスミノウミウシさんの口はライラック色で先は白く触角の間から背面に向けて紫色の縦線がはいっています・・・ロータスミノウミウシさんの体側面にも線が入っていますが御覧の通り連続はしていません・・・それから触角には後方にのみヒダ状突起があるそうですがこの写真ではよくわからないですね・・・それにしてもロータスミノウミウシさんのこの色のグラデーションといい形といいお見事でGoodデザイン賞ではないでしょうか?・・・それからロータスミノウミウシさんの顔がシュッとしていてこの細さがキツネさんを思い起こさせるのか私には何故か九尾の狐を想い描かせられるのです・・・何とも言えない優雅さと妖艶さを兼ね備えたロータスミノウミウシさんが自らを誇ってしゃなりしゃなりと進む気品と気高さを感じる私なのです!

- 海の宝石とも謳われフォト派のダイバーには大人気のウミウシさん達ですが頭にある触角が牛の角のように見えることが名前の由来のようです・・・中には貝殻を捨てきれない種類もありますがウミウシさん達は大雑把に貝殻を捨てた巻貝の一派になります・・・でもウミウシさんという呼び名は生物学的な分類群と一対一で対応したものではなく使う人の風土や習慣・知識的背景によって異なるものを指す言葉だそうです・・・その為ウミウシさんを分類学的に簡潔に説明するのは難しく混乱が生じてしまいます・・・ウミウシさん達は種類も多すぎて複雑でしかもよく似ているものがたくさんあるので図鑑を見ながらでないと区別ができません・・・あれかな?これかな?と見比べながら私はいつも悩んでいます・・・ロータスミノウミウシさんはセスジミノウミウシさんとよく似ていますがセスジミノウミウシさんは背面と側面の線が尻尾まで途切れず繋がっているそうです。

この人誰?わからない!ウミウシ?ヒラムシ? ケラマ
- 調べてみましたがよくわかりません。
- どなたか知っている人がいれば教えてください。
- ウミウシの世界は深すぎます!

タコの吸盤の様な模様が可愛いワモンイボウミウシさん!
- 海の中ではよくわかりませんでしたが体の地色が若干淡いピンク色をしているドーリス目イボウミウシ科コイボウミウシ属のワモンイボウミウシさんですが写真を撮るときれいなピンク色がわかりますね・・・ワモンイボウミウシさんの背中側は亀甲状の網目模様になっておりその内側に淡いピンク色の浮き輪のようなイボ状突起がたくさんあります・・・他のイボウミウシさん達と違って背中の模様が輪になっているので私としては先生から花丸をたくさんもらったような気持ちになりますがタコの吸盤のようにも見えますかね?・・・それからワモンイボウミウシさんの外套膜最外周は淡いピンク色の細線で縁取られていてその内側に黒色の線が入っています・・・そしてちょっとわかりづらいですがワモンイボウミウシさんの触角は前方の白い浮き輪のようないぼ状突起の上にちょこんとある黒いのが触角です・・・大きさは30mm程度の一見地味ですがよくみるとかわいいワモンイボウミウシさんです。

- ウミウシさんを漢字にすると「海牛」で頭にある触角が牛の角のように見えることが由来のようです・・・英語圏でもアメフラシのことはsea cow(海の牛)といいいますが一般にウミウシは英語ではsea slug(海のナメクジ)と呼ばれているそうです・・・海の宝石と言われるウミウシさんもナメクジさんと言われるとちょっと可愛らしさが半減してしまいませんか?・・・ウミウシさんは軟体動物の仲間で貝殻を捨てた巻貝の一派でありますがその形や生態それに食性なども千差万別です・・・ウミウシさんによく似たヒラムシさんがいますがヒラムシさんの仲間は体が平たく頭部の触角はシンプルで背中には特に構造物がありません・・・ウミウシさんは頭に立派な触角があり背中後半に二次鰓があります・・・でもイボウミウシさんの仲間は二次鰓を持たないことが特徴になっています・・・ウミウシさんの世界は複雑すぎて奥が深すぎです。


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