ダイダイヤッコさんあなた方の差別化は難くないですか?
- ダイダイヤッコさんによく似たヤッコさんにはアカハラヤッコさんやフレームエンゼルフィッシュさんがいます・・・これらのヤッコさんは何れも赤みを帯びた色彩でたまにハイブリッドと思われるものが出現することがあります・・・ダイビング中に一見したところ私にはなかなか区別がつかないヤッコさん達です・・・もしかして同じ種類でたまたま色の出方が違うだけじゃないのと思ってしまいます・・・下の写真のダイダイヤッコさんはホンソメワケベラさんにクリーニングしてもらおうと待機しているのでしょうか?・・・ホンソメワケベラさんもヤッコさんのどこかに寄生虫がいないかなあと探しているようです。

- ダイダイヤッコさんの背びれは暗色黒斑があり背びれの後半や臀びれの外縁は鮮やかな青色で縁どられています・・・胸びれは半透明の黄色で基部の1/4は半透明の赤色になっていて腹びれは外側が赤色で内側ほど黄色く尾びれはレモン色で基部の1/4 は焦茶色になっています・・・眼は黒く縁どられていて愛くるしい眼をしています・・・ダイダイヤッコさんとアカハラヤッコさんは小笠原や台湾などでフレームエンゼルフィッシュさんとアカハラヤッコさんはフィリピンで分布が重なります・・・フレームエンゼルフィッシュさんは鮮やかな赤色の体色で4本から5本の黒色のしま模様が体側に入ります・・・アカハラヤッコさんの体は褐色で腹部は和名の通り赤くなっています・・・尾びれは暗色で体側には小さな黒色斑が多数散らばるのが特徴です・・・個体によっては黒い斑点の一部がつながり線のようになることもあります。

遠くから見たらタイマイさんもアオウミガメさんも一緒!
- 世界には全部で7種類のウミガメさん達が生息していますがタイマイさんはその中でも日本近海で見られる貴重なウミガメさんの一種です・・・タイマイさん以外にも日本ではアオウミガメさん・アカウミガメさん・ヒメウミガメさん・オサガメさんといった種類のウミガメさんが観測されています・・・でもダイビング中に見られるウミガメさんはほとんどアオウミガメさんかタイマイさんのどちらかになります・・・下の写真のタイマイさんはサンゴの隙間をじっと見ていますがそろそろ食事の開始ですかね。

- タイマイさんは甲羅の長さは60cm~90cmぐらいで甲羅の色は黄色く黒褐色の斑紋が入っていてこの写真ではいまいちよくわかりませんが後縁は鋸状に尖っているのが特徴です・・・タイマイさんの頭部や四肢の背面は黄色く縁取られた黒褐色の鱗で覆われていますが腹面は黄色になっていて泳いでいる時はよくわかります・・・カメさんというとどうしてもノロノロしている印象がありますが泳ぎは意外と速くあっと言う間にスイスイと遠くへ行ってしまいます。

- タイマイさんの口はくちばしの様に尖っていてサンゴの隙間にいる獲物を食べるのに適した形をしています・・・主にカイメンさんを食べますがクラゲさんやホヤさんやエビさんやカニさんなどもエサとする雑食性のカメさんです・・・サンゴさんの死骸をクチバシや前肢で取り除いて隙間にいる獲物を上手に食べますが写真のタイマイさんも獲物を見つけたのかクチバシでツンツンツンとつつき始めました・・・豪快に食事をしていますが頭の周りに白煙が立ち上っている様になっています。

- 日本では古くは飛鳥時代〜奈良時代から続くべっ甲細工の原料として用いられ卵も含めた食用のための乱獲やサンゴ礁の白化による減少その上ガス田や油田開発による影響や原油による海洋汚染などにより生息数は減少しています・・・1975年にワシントン条約が発効してからもタイマイさんの日本への甲板の輸入が続けられていましたが国際社会からの批判が大きく1993年にタイマイさんの輸入は停止されました。

- タイマイさんと他のウミガメさんにはいくつか明確な違いがあります・・・タイマイさんは尖った口をしていて目の後ろ側にある黒いウロコは3枚で額には4枚あり甲羅の縁がギザギザしていて下あごにも黒い模様があります・・・アオウミガメさんは口は尖ってなくて目の後ろ側の黒いウロコは4枚で額には2枚あり比較的丸みのある甲羅の後ろ半分の縁はギザギザに飛び出てなく下あごは白くなっています・・・アカウミガメさんは顔つきはアオウミガメさんより険しく額の鱗板は5枚あって甲羅はハート型をしています。
ご存じの通りタコさんって実は凄い方たちなんです!
- タコさんはご存知の通り複数の吸盤がついた8本の腕を持っていますが動物学的には足であり物を掴む機能などにより特に頭足類における足は腕とも表現されています・・・よく漫画などで描かれるタコさんは丸く大きなところが頭になっていますが実際はこの丸い部分は胴部であり本当の頭は腕の基部に位置して目や口が集まっている部分です・・・つまりタコさんは頭から足が生えているということで同じ構造を持つイカさんとともに頭足類と呼ばれています・・・イカさんとの違いは腕の数とミミ(鰭)がないことですがこれらにも例外があり腕が8本のタコイカさんやミミのあるメンダコさんもいます・・・タコさんの柔軟な体のほとんどは筋肉で体の中で固い部分は眼球の間に存在する脳を包む軟骨とクチバシのみです・・・そのため非常に狭い空間でも通り抜ける事ができるのです・・・それからタコさんには知性があり興奮や喜びだけでなく痛みや苦痛も経験でき犬や3歳の子供と同じくらいの知能と言われており一説には最も賢い無脊椎動物であるとされています・・・意外とすごい存在ですね。

- タコさんの血液中にはヘモシアニンという緑色の色素が含まれているので血液は青く見えますが魚類のヘモグロビンに比べ酸素運搬能力が劣るため長距離を高速で移動し続けることができないようです・・・即断即決しないといけないですね・・・エラは外套膜内に格納されており漏斗のポンプで海水を取り入れてエラに当てることにより呼吸をしています・・・漏斗から噴き出す水は遊泳時の主な推進力となるほか排泄物や墨の排出にも利用されています・・・タコさんが危険を感じると墨汁嚢に蓄えられた墨を括約筋を使って漏斗から吐き出し姿をくらますのです・・・タコ墨はイカ墨よりアミノ酸や多糖類や脂質が少なくさらさらしていて煙幕のようになりますが敵を一時的に麻痺させる成分を含んでいるそうです・・・またタコさんは外敵に襲われたり捕らえられたりした時は腕を切り離して逃げることができます・・・自分の腕を切り離して逃げ出すなんて凄いですよね・・・その後腕は再生しますが切り口によって2本に分かれて生えることもあり8本以上の腕を持つタコさんも存在するそうです。

- タコさんのオスは4本の腕の吸盤の大きさがメスに比べてばらつきがあるので区別できます・・・またタコさんの吸盤はたいていのものには吸着でき切断された腕であってもその活動は約1時間ほど続くそうです・・・腕だけになっても吸いつくなんてなんて生命力でしょう・・・でもタコの吸盤は切断されたものであっても自分の体には吸着することはなくこの原理については判明していないそうです・・・不思議ですよね・・・またタコさんの吸盤には味覚を司る感覚器があるとされ吸盤の表面は古くなると剥がれて更新されます・・・タコさんの吸盤は主に筋肉の収縮を利用しておりますが歯の付いた角質の環を利用することで張り付くイカさんの吸盤とは構造が異なっています・・・タコさんの8本の触腕のうち1本は交接腕と呼ばれ先端が生殖器になっていますがたいていのタコさんの雌は生涯に1回のみ産卵し卵が孵化したのちに死んでしまうそうです。
お子ちゃまは何処?何をしてるのタテジマキンチャクダイさん! 小笠原

- 小笠原の海でもよく見かける派手な身体で我が物顔でスイスイ泳ぎまわっているスズキ目キンチャクダイ科サザナミヤッコ属のタテジマキンチャクダイさん今はキンチャクダイ科に属していますが当初はチョウチョウウオ科に分類されていたそうです・・・タテジマキンチャクダイさんは大型のキンチャクダイさんで40cm近くになるものもいてその派手な色と共に海の中では結構な存在感のあるお魚さんです・・・タテジマキンチャクダイさんは岩肌に付着している海綿やホヤなどをメインにいろいろなものを食べる雑食性ですが成魚になると広い範囲に縄張りを持ち自身の食事場を確保しています・・・そしてその縄張りに似た種類のキンチャクダイさんが近づくと果敢に攻撃して縄張りから追い出してしまうそうです・・・タテジマキンチャクダイさんにとって食事場を安定確保するという事は生死にかかわる事ですから大変ですよね。


- でも写真のウズマキさんと呼ばれているぐるぐるウズマキ模様のタテジマキンチャクダイさんの幼魚は大人のタテジマキンチャクダイさんとは全く違う模様をしているので敵として攻撃してこないそうです・・・あれ?両親が攻撃してこないという事は良いことですがという事はタテジマキンチャクダイさんの親は子供を守るという訳ではなくその存在を敵として意識していないという事だけなのでしょうか?・・・だから岩陰で隠れていたウズマキさんがチョロチョロチョロチョロと泳ぎ回っているのを人間が襲ってこないかな?大丈夫かな?と心配そうにアカハタさんが見守っていたのでしょうか?・・・無邪気なウズマキさんが呑気に泳いでいるその後方で心配そうに見つめるアカハタさんの表情が何とも言えず可愛いですよね。


- タテジマキンチャクダイさんの一番幼いお子ちゃまがウズマキさんですが成長途中で渦巻き模様とタテジマ模様の両方が残っているものをウズキンさんと呼び大人になってすっきりしたタテジマだけになるとタテキンさんと呼ぶようになります・・・ちなみに2 cmまでのウズマキさんはサザナミヤッコさんの幼魚に似ていますがサザナミヤッコさんの幼魚は吻端から背中にかけて白い縦線がありますのでそこで区別できます・・・話は変わりますがタテジマキンチャクダイさんの寿命は平均10年以上で長いものだと20年生きているものもいるそうで結構長生きですよね・・・それからタテジマキンチャクダイさんの大人はよくペアで泳いでいますが模様に雌雄の差が無いのでどちらかがオスでどちらかがメスなのでしょうが区別する方法がよくわかりません。

オスはどっち?タテジマキンチャクダイさん!
- 派手な色で仲良く泳ぎ回っているのはスズキ目キンチャクダイ科サザナミヤッコ属のタテジマキンチャクダイさんのペアです・・・2匹をフレーム内にいれようと遠くからになってしまいボケてしまいましたが英名ではエンペラーエンゼルフィッシュさんと呼ばれるように鮮やかな体色でゆったりと泳ぐその姿は皇帝のような高貴な雰囲気を感じます・・・またこのタテジマキンチャクダイさんは幼魚と成魚とではまるで別種のように色彩や模様が異なる事で有名ですが幼魚は濃紺の体に白い同心円状の模様が入り頭部は横縞で背鰭縁は白く尾鰭は透明になっています・・・成魚は青地に多くの黄色い縦縞が入り顔は水色で目の周りは濃い青色をしており尾鰭は黄色で胸鰭上部は黒色で前側は黄色です・・・また臀鰭は濃い青色で明るい青色の横縞が入ります・・・タテジマキンチャクダイさんは模様に雌雄差が無いのでどちらがオスかメスかわかりませんがなぜ成魚と幼魚とではこんなに見た目が違うのでしょうか?

- その理由としてタテジマキンチャクダイさんは岩肌に付着している海綿やホヤなどをメインにいろいろなものを食べる雑食性であり食べたら当然なくなるので再び育つのを待つために広いナワバリを長期間にわたって守る必要があるという訳なんです・・・だから成魚になると広い範囲に縄張りを持ち餌場を必死に確保しているのです・・・そのため似た種類のキンチャクダイさんが近づくとタテジマキンチャクダイさんは特に激しく攻撃して縄張りから追い出してしまうのです・・・という訳でタテジマキンチャクダイさんの幼魚は自分が違う種類だと主張して成魚から攻撃されないよう見た目を変えているのです・・・生き抜くためにいろいろ考えているんですね・・・話は変わりますがタテジマキンチャクダイさんの全長は最大40 cmで地域変異があり太平洋のタテジマキンチャクダイさんは背鰭軟条が長いそうです・・・確かに写真のタテジマキンチャクダイさんの背鰭軟条は長く伸びていますから太平洋型ですね。

- エキジットタイム寸前にタテジマキンチャクダイのおちびさんの独特なかわいい姿をちらっと見かけたので逃げ出さない様に少しずつ少しずつ水深を落として近づていきました・・・「時間が無いの!お願いだから写真撮らせて!」と心の中でウズキンさんに話しかけながら降りて行ったのですがウズキンさんは警戒してササっと逃げるでもなく何故か距離を保ったまま少しずつ逃げていきます・・・タテジマキンチャクダイさんはその模様の形から幼魚の頃はウズマキさんと呼ばれ成魚になるとタテキンさん成長途中はウズキンさんと呼ばれています・・・このおちびさんはウズマキさんではなくある程度成長したウズキンさんだと思いますが違いますか?・・・話は変わりますがウズマキさんによく似ているスズキ目キンチャクダイ科サザナミヤッコ属のサザナミヤッコのおちびさんはウズマキさんには無い吻端から背中に向けて白い線があるので区別ができます・・・結局今回はウズキンさんに近づくことができずぼやけた写真になってしまいました。

- 動きが速いのでちょっとぼけてしまいましたが下の写真の様にタテジマキンチャクダイさんのおちびさん通称ウズマキさんは濃紺の体に白い同心円状の模様が入っています・・・何とも言えず独特の模様で可愛いウズマキさんですが縄張り意識が強いのにこのウズマキさんを攻撃しないタテジマキンチャクダイさんの大人なのです・・・という事はヤッコさん達は模様を確実に目で認識できているということですね・・・だから視力が良いヤッコさん達は少し大きくなったおちびさんの身体に成魚と同じ模様が出始めるとすかさずライバルとみなし攻撃をしかけるようになるのです・・・このような習性のためタテジマキンチャクダイさんの成魚は群れはつくらずにペアー又は単独で行動をしているのです・・・またウズマキさんが攻撃されないその他の理由として毒をもつウミウシさんに姿を似せているという事と尻尾の方の目玉の様な黒点で敵を惑わしたり模様が海藻やヤギ・枝サンゴに似せてうまく隠れているといったことが言われています。




スズメダイさんの稚魚を狙う?チョウチョウウオさん! 小笠原

- 良いタイミングでこちらを向いてくれましたがちょうどスズメダイさんの稚魚を口にくわえているように見えるのはスズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属のチョウチョウウオさんです・・・チョウチョウウオ科のお魚さん達は世界中の温暖な海のサンゴ礁などに約130種以上が日本近海でも53種が見られますが木の葉のように丸くて薄い体型をしており鮮やかな色彩をもつものがたくさんいます・・・英語ではバタフライフィッシュさんと呼ばれその名の由来はヒラヒラと泳ぐ様がお花畑をヒラヒラと飛ぶ蝶の姿に準えたものです・・・チョウチョウウオ科の仲間は小型であり最大のニセフウライチョウチョウウオさんでも30cm程度にしかなりません・・・尖った口吻を持つ種類が多く横から見た形は円盤形で背鰭と臀鰭が後方まで延長し尾鰭と接近しています・・・様々な模様のものが多く中には似たような模様のものまでいますが鮮やかに彩られた体の模様は同種個体間でのコミュニケーションに役立っていると言われています。

- またチョウチョウウオさんにはありませんが多くの種で体の後方に目玉模様がありこれは捕食者に目の位置を錯誤させることで生存上有利に作用していると考えられています・・・チョウチョウウオさんもそうですが本当の眼は黒い帯状模様に隠れていることが多いようです・・・またチョウチョウウオ科のお魚さんは食性により大きく3つに分けられます・・・小型の甲殻類やサンゴさんのポリプやコケなどの植物質のものなど様々なものを口にする雑食性のチョウチョウウオさんやユウゼンさんなどとサンゴさんのポリプを主食とするポリプ食性のウミヅキチョウチョウウオさんやトノサマダイさんなどとプランクトンを主食とするプランクトン食性のカスミチョウチョウウオさんなどです・・・またチョウチョウウオ科のお魚さんは昼行性で夜はサンゴさんや岩の陰に隠れて眠っていますが昼夜で体色や模様が変化することが知られており夜間の体色や模様は鮮やかではなく黒ずんでいるそうです。

- チョウチョウウオ科の仔魚はトリクティス幼生と呼ばれており1cm弱程度のトリクティス幼生は孵化直後は浮遊生活を送りプランクトンを食べております・・・トリクティス幼生は頭部の骨が大きく張り出してまるで兜をかぶったような大きい頭と独特の体型をしており光沢のある色彩で模様がほとんどありません・・・でも成長すると変態して頭蓋骨は普通の大きさになりますが何故このような大きな頭になるのかはあまり分かっていません・・・また光沢のある色については浮遊生活をするにあたり波や流れ藻に紛れるためという説がありますがこれも真実は不明です・・・そんなチョウチョウウオ科のチョウチョウウオさんは全長は約20cm程度で模様は目を通る太い黒帯が1本とその横に白い帯が目立ち体側に茶色縦線が平行に走っています・・・チョウチョウウオさんの幼魚の頃は全体的にオレンジ色がかっていて成長するにつれて黄色みが強くなります・・・チョウチョウウオさんによく似たツキチョウチョウウオさんがいますがチョウチョウウオさんの方が大きく頭部にある白帯がチョウチョウウオさんはまっすぐ延びるのに対しツキチョウチョウウオさんは折れ曲がっています・・・また体側の茶色縦線がチョウチョウウオさんは平行に走るのに対しツキチョウチョウウオさんは斜線状に連なり体色の黄色が鮮やかです。

アライグマのラスカルのような模様のチョウハンさん! 小笠原

- 最初はチョウチョウウオさんのペアかなと思って写真を撮ったのですがよく見るとちょっと模様が違っているスズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属のチョウハンさんでした・・・チョウハンさんは橙色を帯びたような黄色の身体に背側はやや暗く体側には暗色の斜めの縞が多数走っています・・・それからチョウハンさんの眼のあたりには黒と白の帯が走りこれがちょっと垂れ目のアライグマさんの様にも見え愛嬌がありますよね・・・チョウハンさんの英名はRaccoon butterflyfish(Raccoon = アライグマ)さんと言いアライグマさんの様に目の周りが黒いことが英名の由来となっています・・・またチョウハンさんの胸鰭から背鰭にかけては黄色く縁どられた太い黒い帯が走っており尾鰭の付け根にも大きな黒い紋がありますが幼魚は体の後方に黄色く縁取られた黒い点があります・・・そして背鰭から尾鰭や臀鰭にはこれを囲むように暗色の細い縞があります。

- チョウハンさんの大きさは全長25cmほどですが紅海に住んでいるレッドシー・ラクーン・バタフライフィッシュさんやチョウチョウウオさんとよく似ています・・・チョウハンさんとレッドシー・ラクーン・バタフライさんの違いは尾鰭基部の黒い紋がチョウハンさんにはありますがレッドシー・ラクーン・バタフライさんにはありません・・・また斜線状に連なる体側の縞模様の濃さがチョウハンさんよりレッドシー・ラクーン・バタフライさんの方が濃くなっている事が違いです・・・チョウハンさんは雑食で魚卵やサンゴさんのポリプや底性の小動物そして藻類などを食べますが幼魚は死滅回遊魚として毎年夏になると黒潮に乗って本州沿岸でも見られるそうです・・・チョウハンさんは夜行性で昼間は写真の様に岩陰で密かにホバリングをしています・・・ちなみに下の写真はチョウハンさんによく似ているチョウチョウウオさんです。

おすまし顔でかっこつけてるツノダシさん! 2024 小笠原
- ヒョヒョヒョヒョと泳いでやって来たのは長く伸びた背鰭が特徴で本種のみでツノダシ科ツノダシ属を形成するスズキ目ニザダイ亜目ツノダシ科ツノダシ属のツノダシさんではないですか・・・ツノダシさんは背鰭の第3棘が長くひも状に伸びていて体長は25cm程度にまで成長します・・・ツノダシさんって背鰭がこんなに長くて泳ぎにくくないんですかね?・・・いらないお世話ですね・・・ツノダシさんの身体は平たく体高が著しく高くひし形の様な姿をしており身体の色は白く尾部は黄色みがかっており黒く太い横縞が2本あります・・・口吻は文句でも言いたげに細長く伸びており付け根は黒く縁取られた黄色のワンポイントアクセントがあります・・・またツノダシさんの唇は黒色で口の中には多くの長い剛毛のような歯が生えています・・・唇が黒いと腹黒なイメージがしますし眼が正面のやや高い位置に並んでついており眼の上に一対の角状の突起があるのでツノダシさんの表情がちょっと意地悪でユニークなものになっています。

- それからスズキ目チョウチョウウオ科ハタタテダイ属のハタタテダイさんはツノダシさんによく似ていますが口吻の形や目の位置が違いますしツノダシさんは尾鰭が黒いことなどで区別ができます・・・ちなみにハタタテダイさんも全長が25cm程度でツノダシさんの様に長く伸びた背鰭の棘条が特徴になっています・・・ハタタテダイさんはごく稀にこの長く伸びた背鰭が2又に分かれた個体もいるそうです・・・一本でも邪魔そうなのに2本に分かれていたらハタタテダイさんもこんがらがってしまいませんかね?・・・ハタタテダイさんは白地の体に2本の太い黒色帯が走り背鰭の後半部・胸鰭・尾鰭は黄色です・・・パッと見でハタタテダイさんと区別するポイントは口の所にある黒枠黄色のワンポイントと尾鰭が黒いことが判別できればツノダシさんという事ですかね。

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