- 北緯20度25分~27度44分、東経136度4分~153度59分の広大な海域に大小30余りの島々が散在するのが小笠原諸島です・・・硫黄島や沖ノ鳥島なども含まれ日本の排他的経済水域(EEZ)のおよそ1/3はこれら小笠原の島々によって確保されています・・・小笠原諸島は東京都に属しますが主島である父島ですら空港がありません・・・アクセスは東京・竹芝桟橋との間に概ね6日に1便運航している定期船のみでまさに太平洋の大海原に浮かぶ離島群と言えます・・・そんな小笠原には太平洋島しょ地域の流れを汲むユニークな踊りやこの島でしか見られない固有の生き物など特異な歴史と文化に自然が豊富な小笠原諸島です・・・2011年6月にユネスコの世界自然遺産に登録された小笠原の海は鋭く落込む黒い岩肌やカラフルなサンゴ礁や熱帯魚が豊富でギンガメアジやイソマグロの群れが行き交う感動の世界が広がっています・・・小笠原近海では20種類以上の鯨類が回遊しておりますがミナミハンドウイルカやハシナガイルカは通年見ることが出来ます・・・12月末頃からはザトウクジラが繁殖・子育ての為に遠く北の海からやって来ます・・・また日本最大のアオウミガメの繁殖場でもあり海の中では成長したアオウミガメが悠然と目の前を通り過ぎていきます。
時刻表・運賃│小笠原海運 (ogasawarakaiun.co.jp)
ははじま丸(父島~母島間) 時刻表│小笠原海運 (ogasawarakaiun.co.jp)
元気に生きる左足を失ったアオウミガメさん!
- 澄んだボニンブルーの海を遠くで気持ちよさそうに優雅に泳いでいるのはカメ目ウミガメ科アオウミガメ属のアオウミガメさんです・・・アオウミガメさんはウミガメ科の最大種のカメさんですが上陸するのはメスだけでオスは上陸しないそうです・・・メスは卵を産みにリスクを冒してでも上陸しないといけないのです・・・言われてみれば確かに陸上では動きが緩慢になるのでリスクが高くわざわざ陸に上がる必要は無いですよね・・・アオウミガメさんの甲羅は上から見ると幅広いきれいな卵型でお尻側にギザギザは無く頭部は小型で丸みを帯びタイマイさんと違って吻端はあまり突出していません・・・前額板は左右に1枚ずつで眼後板は4枚なのもアオウミガメさんの特徴でタイマイさんとの判別には役立ちます。

- アオウミガメさんの名前は体脂肪が青緑色であることに由来しますがこれは主食である海藻類の色素が脂肪に反映されることによるものだそうです・・・自分の脂肪に食べた物の色が反映されるなんてよっぽど海藻類が好きなんですね・・・などと思っているうちに遠くを泳いでいたアオウミガメさんが私たちに気が付いたようで興味を示して方向転換して近づいてきました・・・このアオウミガメさんの眼が可愛いいのと「あの泡をぶくぶくさせて動いている不思議なものは何だ?」とばかりの興味津々の表情がたまらないですね・・・ここまで大きくなるまでにアオウミガメさんはどう過ごしてきたかというとまず孵化後の幼体の時は外洋の表層に浮遊する藻類などに隠れてひっそりと生活します・・・隠遁生活後甲長が30cmまでに成長するとアオウミガメさんは沿岸域へ侵入しそこで生活するようになると考えられています。

- アオウミガメさんの食性はほぼ植物食で海草や藻類を食べますがクラゲさんや魚卵などの動物質を食べることもあります・・・やっぱり海藻や藻類だけでは栄養が足りないんですかね?・・・たまにはタンパク質も取らないとね!・・・でもクラゲさんと間違えてビニール袋を食べて大変な事になったアオウミガメさんもいますので人間はゴミを捨てない様に注意しなければなりません・・・だいぶアオウミガメさんが近づいてきましたがちょっと立ち止まって考えているようです・・・「せっかく方向転換して近づいてきたのになんだ人間か?もっと面白いものだったらよかったのに!」といった表情をしています・・・よく見るとこのアオウミガメさん左足がありませんね!・・・大人になってサメにやられたのか赤ちゃんの頃やられたのかわかりませんが最近の怪我ではないようです。

- このアオウミガメさん片足が無くて今まで物凄く苦労してきたでしょうが元気そうで何よりです・・・これからもこのボニンブルーの綺麗な海で元気に生き抜いてください・・・ちなみに小笠原諸島ではアオウミガメさんは主に6月中旬から7月中旬に産卵をします・・・夜間に砂浜にあるアダンなどの低木の下に穴を掘り1回に80~150個の卵を数回に分けて産みます・・・宿からほど近い所にアオウミガメさんの産卵場所があるので今回は産卵現場を見に行ってきました・・・暗い波打ち際からひょっこり現れたアオウミガメのお母さんが砂浜にある低木の下まで時間をかけて這っていき砂を一生懸命彫っている姿は涙が出そうで思わず心の中で応援していました・・・産み落とされた卵は45~70日で孵化し無事成長すれば20~25年で成熟すると考えられています。

- 小笠原諸島では1876年に日本領になってから3000頭/年以上のアオウミガメさんが捕獲されました・・・1973年に小笠原諸島が日本に返還されてからは東京都知事の許可のもとに漁が行われ漁獲量は100~200頭/年前後となりました・・・ワシントン条約附属書Ⅰに記載されているため国際取引は全面禁止されほぼどの国でも法令でその捕獲禁止がうたわれていますが現在もなおかなりの数が世界中で捕獲され続けています・・・日本でも小笠原諸島の父島および母島や沖縄などで食用目的のためのウミガメ漁が認められています・・・でも産卵期の漁獲は禁止されており小笠原諸島では年に135頭まで沖縄では年に205頭までの捕獲制限を設けられています・・・また捕獲するアオウミガメさんについては小笠原諸島で体長75cm以上沖縄では腹甲長30cmから60cmに限定しています・・・近年は人工孵化と稚ガメの放流が行われており生息数は安定しているそうです。

親分肌のアオノメハタさんがやって来る!
- 向こうからヌーボーと近づいてくるのはおそらく体格の良いスズキ目ハタ科ユカタハタ属のアオノメハタさんではないでしょうか?・・・アオノメハタさんの体は長い楕円形で側扁し尾鰭の後縁は丸くなっています・・・はっきりとはわかりませんがこの写真のハタさんの尾鰭も丸くなっているようです・・・そしてアオノメハタさんの眼隔域は少し隆起していて口はやや大きいのが特徴です・・・このハタさんの口の所はちょっと傷ついているようですが以前何処かで強力な何者かと戦った跡なのでしょうか?・・・この傷と言いがっちりとした体格と言いなかなかの貫禄を備えたアオノメハタさんではないでしょうか?・・・「これ以上俺様に近づいたらかぶりつくからな!」とでも言っているような鋭い目つきをしています。

- アオノメハタさんの体色は緑褐色で体側にはユカタハタさんの様な小さな青色小斑が多数散在しそれらは黒く縁どられています・・・アオノメハタさんの名前の由来は体側に散在するこの斑点が青い眼のようだからだそうです・・・またこの青色の斑点は各鰭にも見られ体側には白色横帯や黒褐色横帯が見られることもよくあります・・・アオノメハタさんの体長は40cm程度に達し水深40m位までの岩礁域やサンゴ礁で暮らしていますが多くは水深10m程度の浅所で見られます・・・アオノメハタさんは小魚や甲殻類やイカさんなどを食べていますが刺し網や釣りなどで獲られ煮付けや焼きものなどの食用に利用されています・・・でもアオノメハタさんはシガテラ毒の例も報告されているので注意致しましょう。
何故か笑える前歯が特徴のアオブダイさん!
- 立派な前歯をむき出しにして向かってきたのはスズキ目ブダイ科アオブダイ属のアオブダイさんです・・・体長は最大90cmほどで名前のとおり身体の色は青みが強いのですが体の各所に赤褐色や白色や黒色などの斑点が出るものもいます・・・アオブダイさんの成魚は頬に白っぽい斑点が出て前頭部がこぶのように突き出てきますが若魚は頬に斑点がなく額にこぶもありません・・・やっぱり成魚になると額のこぶがせり出してきて厳つくなって迫力が違いますね・・・アオブダイさんの歯は上下それぞれが融合していて鳥の嘴のような形状をしていますがこれは他のアオブダイ亜科のお魚さんにも共通する特徴で人間の指を噛み切るくらいの顎の力もあるので注意が必要です・・・確かに硬いサンゴさんをガリガリ削り取るのですから写真の様な歯で齧られたら指無くなっちゃいますよね。

- でもこの写真のアオブダイさんはまだまだ若造のようですね?・・・額にこぶのようなものもありませんし歯も立派ですが融合しきれていないような気がしますし何はともあれ眼に幼さを感じます・・・そう思いませんか?・・・アオブダイさんの食性は雑食性で藻類はもちろんなのですが甲殻類や貝類などいろいろなものを食べるそうです・・・アオブダイさんは強靭な歯と顎でサンゴさんをかじりますがサンゴさんの枝についた藻類を食べるための行動であって現在のところ生きたサンゴさんを餌にするのが確認されたのはアオブダイさんに近縁のカンムリブダイさんだけです・・・アオブダイさんは昼間に活動し夜は岩陰などで眠ります・・・私も一度見ましたが眠る際は口から粘液を出して自分を覆う薄い透明の寝袋を作りその中ですやすやと眠る行動が知られています。
メタボリックとは程遠いスリムなアオヤガラさん!
- サンゴさんの森で漂っているのは腹側にかけては銀白色で全体は暗青色をしており特徴的な円筒形の細長い体で最大で体長1.6 mに達する大型魚のトゲウオ目ヤガラ科ヤガラ属のアオヤガラさんです・・・アオヤガラさんは標準体長は1mほどですが背鰭や臀鰭ともに棘条は無く尾鰭の中央軟条は吻よりは短いのですが伸長しています・・・同じ科のアカヤガラさんは背鰭前方と肛門前方の正中線上に鱗がありますがアオヤガラさんはこの領域に鱗を持ちません・・・またアカヤガラさんは名前の通り赤色の体色をしておりアオヤガラさんよりやや大型で標準体長は2mです・・・アオヤガラさんは筒状の細長い吻を用いて獲物の小魚や甲殻類を吸い込んで捕食しますが夜間や餌を狙う時には暗色の横帯が出ることもあるそうです・・・食べることに興奮しているのでしょうか?

- アオヤガラさんの味は同じ科の高級魚アカヤガラさんと比べると劣るとされています・・・アカヤガラさんはきめ細やかな身質で心地よい弾力があり噛みしめるとわずかに甘みも感じられるお魚さんなのだそうです・・・アカヤガラさんってかなり美味しそうですね!・・・でも高級魚のアカヤガラさんも頭部と尾部がそれぞれ体長の3分の1ほどにもなるので可食部が非常に少ないのです・・・また定置網漁などでしばしば漁獲され水揚げ自体は少なくないアオヤガラさんやヘラヤガラ科のヘラヤガラさんなのですがアカヤガラさんと比べてアオヤガラさんは小さいので肉量が少ないというデメリットがあります・・・またヘラヤガラさんは小骨が多く食べづらいというデメリットがあるので流通する上ではアカヤガラさんに比べて致命的とも言えます。
ちょっとした違いが大きな違い!固有種のアカイセエビさん! 小笠原


- 岩穴に隠れていたのは小笠原諸島の一部だけに分布する大型のイセエビさんの一種で体長は約40cmほどですがなかには40cmを超える巨大なものもいる十脚目イセエビ科イセエビ属アカイセエビさんです・・・アカイセエビさんは昔はカノコイセエビさんのアカエビ型とされていましたが2005年に新種のイセエビさんとして認定されました・・・そんなめでたい固有種のアカイセエビさんなのですが岩の割れ目や岩の軒下などの至る所にごちゃっといるのです・・・角も立派で大きくて太くて貫禄があるのですがユウゼンさんと一緒でその貴重さに反して至る所でアカイセエビさんを見かけるので段々有難味が無くなって興味が薄れてしまいます・・・小笠原の人達の努力の賜物ですしアカイセエビさんには申し訳なく贅沢な話である事はわかっているのですが・・・。


- アカイセエビさんは青紫色にオレンジ色の差し色が入った美しい歩脚と背中にある白い鹿の子が特徴です・・・カノコイセエビさんに似ていますがカノコイセエビさんとアカイセエビさんの違いはアカイセエビさんの短めの第一触角には白い帯がないことと第二腹節背面の溝が側部の溝と連続していないことなどが特徴でここでカノコイセエビさんと見分けられます・・・でもアカイセエビさんは暗い岩穴の中に隠れていますし触角もウゴウゴと動かしているので海の中ではわかりづらいです・・・よく見ようと近づいて行くとアカイセエビさんはさらに奥に引っ込んでしまいますしギーギーと泣いて威嚇してきます・・・アカイセエビさんの身体の棘は結構鋭いので美味しそうだなあとヨコシマな気持ちになって油断して近づき過ぎると危ないです。


- アカイセエビさんの繁殖期は5~8月でメスは産卵した小さな卵をブドウの房状にして腹肢に抱え孵化するまでの1~2か月間大切に保護します・・・今回も産卵の時期だったので卵を抱えた若干小ぶりのアカイセエビさんのメスを見かけましたがその前でオスのアカイセエビさんが大きな身体でギーギーと泣きながら威嚇していました・・・このオスの威嚇の仕方がかなり真剣でしたのでもしかしたらもうすぐ生まれそうなのでしょうか?・・・孵化した幼生はフィロソーマ幼生または葉状幼生と呼ばれる形態で広葉樹の葉っぱの様な透明な体に長い遊泳脚がついており親とは似つかない体型をしています・・・このフィロソーマ幼生は海流に乗って外洋まで運ばれプランクトンとして過ごすのですが期間は種によって異なり約300日間に及ぶ浮遊生活を送ります。


- 大切に育てられたアカイセエビさんの卵が孵化した時のフィロソーマ幼生は体長1.5mmほどしかないのですが成長につれて30回ほど脱皮して体長30mmほどに成長してプエルルス幼生という形態に変態します・・・30回も脱皮して変態するなんて大変な作業ですね・・・そんなプエルルス幼生はガラスエビと俗称され親エビさんに似た外見となりますが体はまだ透明でしかも大顎や消化管が一時的に退化し餌をとらないという特徴があります・・・プエルルス幼生が何も食事をとらないなんてちょっと心配になりますがフィロソーマ幼生の時に蓄えた脂肪をエネルギーに泳ぎながら沿岸部の岩礁を目指していくそうです・・・岩礁にたどりついたプエルルス幼生は約1週間で脱皮し親エビさんと同じ体型の稚エビさんとなって歩行生活を開始するそうです。


- ちなみにイセエビさんの日本国内での県別漁獲高は年によって違いますが千葉県あるいは三重県が1位を争っておりイセエビさんの漁期は10月から4月にかけてとなります・・・5月から8月は産卵期なので資源保護を目的にイセエビさんの禁漁としている地区が多いようです・・・イセエビさんと言うと名前の通り三重県の伊勢市が一番なのかなと思っていましたが千葉県のイセエビさんも頑張っているのですね・・・ところでイセエビさんは姿造りなどで供されることから流通時には他の食用エビさんに比べて姿形が厳格に評価されます・・・イセエビさんの2本の触角や脚が破損すると商品価値が下がってしまうため漁獲時には一匹ずつ網から外すなど慎重に扱われます・・・大切に扱われることは良い事だと思いますが触覚や足が破損してもイセエビさんの味は変わらないので商品価値が下がるというのはどうかなと思ってしまいます。


堂々としたなかなかの迫力あるアカイセエビさん!
- 岩陰に蠢くものがいると思ったら小笠原諸島固有種のイセエビ科イセエビ属のアカイセエビさんではないですか・・・アカイセエビさんは水深10~25mほどの岩礁域で暮らしていて岩の隙間などに群れていることがあります・・・第1触角鞍状部にはカノコイセエビさんのような白い帯状模様がなく胸脚の指節を除く各節が青紫色に染まっていて第二腹節背面の溝が側部の溝と連続していないのが特徴です・・・それにしてもついつい美味しそうと思えてしまうイセエビさん達ですが全世界の熱帯から亜熱帯にかけて分布しています・・・イセエビさんの中には水深数百mの深海に生息するものもいますがほとんどのイセエビさんは浅い海で暮らしています・・・イセエビさん達は体長10cmを超えるものが多く触角を除いた体長が50cmに達するニシキエビさんなどもいます・・・イセエビさんの体つきは太短い円筒形で棘や突起が多い頑丈な外骨格に覆われています・・・また体のみならず歩脚と第2触角も外骨格が発達し太く強靭な構造となっています。

- イセエビ属の中で日本近海で見られるのはこの写真のアカイセエビさん以外には全身暗赤色で体長30cm程度の代表的なイセエビさんがいます・・・またイセエビさんに似ていますが身体に白や橙色の小さな斑点があって第一触角に7本の横縞のある30cm程度のカノコイセエビさん・・・イセエビさんに似ていて歩脚に白い縦線があり第一触角に縞模様が無い30cm程度のシマイセエビさんもいます・・・また身体は青灰色がかっていて第一触角に7本の横縞があり歩脚は黒白のまだら模様で腹肢と尾は橙色で腹部の節ごとに短い毛が生えた溝のある30cm程度のケブカイセエビさんもいます・・・その他に体色は黒色で頭胸甲に黄色い模様と腹の節ごとに黄色の縁取りがありさらに歩脚には黄色の縦線と腹肢は赤黒の縦縞第2触角の根本と尾の先が赤色の30cm程度のカラフルなゴシキエビさん・・・頭胸甲は水色で突起が橙色で腹部は黒の横縞があり両脇に黄色の斑点が2つずつある第一触角と歩脚は白黒のまだら模様で最大50cmを超えるイセエビ属最大のニシキエビさんがいます。
アカエイさんの仲間は種類が多い上にかくれんぼ上手!
- 砂地に微かに浮き出たような形が見えましたので近づいてみると砂の中から眼だけ出してまるでカエルさんの様にも見えるアカエイさんがいました・・・上手に砂の中に隠れていますがアカエイさんはトビエイ目アカエイ科に属するエイさんで最大幅1.5メートルにもなり体は上から押しつぶされたように平たく座布団のような形をしています・・・座布団の様だと言っても近づくと砂を巻き上げてサッと逃げてしまいますけど・・・左右の胸鰭は緩やかな曲線を描いており吻は尖っていて砂の中に潜っていますが何となくその尖り具合がわかりますかね?

- アカエイさんの背面は赤褐色~灰褐色で腹面は白く鰭や尾など辺縁部が黄色~橙色になる点で近縁種と区別ができますが砂の中に潜っているので判別はできませんね・・・また背面に目があり写真の様に噴水孔が目のすぐ後方に開いていて普段は砂底に浅く潜り目と噴水孔と尾だけを砂の上に出しています・・・腹面には鼻孔と口と5対の鰓裂と総排出腔がありますが泳ぐ時は左右の胸鰭を波打たせ海底近くを羽ばたくように泳いでいきますので腹面を見る機会はほとんどありません。

- アカエイさんの尾は細長くしなやかな鞭状で背面に短い棘が列を成して並んでいますがさらに中ほどには数10cmほどの長い棘が1~2本並び尾を鞭のように払って刺そうとします・・・この長い棘には毒腺があり刺されると激痛に襲われ数週間も痛みが続いたりアナフィラキシーショックで死亡することもあります・・・その上この棘には鋸歯状の返しもあるので一度刺さると抜くのは難しくアカエイさんが死んでいても毒は消えていないそうです・・・死んだアカエイさんだから大丈夫と安心はできませんね・・・アカエイさんの天敵はサメさんで特にシュモクザメさんによく狙われるそうです・・・毒針もシュモクザメさんには通用しないようでシュモクザメさん独特のT字状の頭で押さえつけられ殴打されてアカエイさんは食べられてしまうそうです。

このアカハタさんどこかで喧嘩でもしたのでしょうか?
- こちらをじっと見ているアカハタさんはスズキ目ハタ科に分類されるお魚さんで体長は約30-40cmでハタ類の中では小型とされています・・・アカハタさんの様なハタさんはみんなドテッと大きくなるのかと思っていましたが意外とそうでもないんですね勉強不足でした・・・アカハタさんの体は側扁し他のハタ類同様に楕円形の丸みをおびた体形となっています・・・口は大きく唇は厚めで下アゴが上アゴより前にグッと突き出していてなぜか愛嬌がありますね・・・体の色は赤褐色で体側には濃赤褐色の5 – 6本の横縞があって白い不規則な斑点が散らばっています・・・岩礁の色が明るい海底に棲む個体は体色が薄いものが多いなどアカハタさんは住んでいる環境によってかなり個体差があります

- この写真ではよくわかりませんがアカハタさんは背ビレの前半部及び棘条部の縁は褐色で尾ビレの後縁はウチワ状に丸くなっています・・・アカハタさんは魚やカニなどの甲殻類などを食べますが成長するに伴ってタコ・イカなどを好んで食るようになります・・・人間と一緒で大人になると好きなものが変わるんですね・・・写真のアカハタさんは鼻の辺りが傷付いているようですが縄張り争いか?それともどこかでタコさんとでも戦ってきたのでしょうか?・・・アカハタさんは昼間も泳ぎ回っていますが昼行性かどうかは解明されていないそうです・・・また他のハタさんと同様にアカハタさんも雌雄同体で全ての個体はメスとして生まれ2-3年ほどで成熟しオスに性転換するそうですよ・・・このアカハタさんはもうオスになったのでしょうか?・・・ちなみにアカハタさんに似ているアカハタモドキさんは背ビレ棘条部の外縁は鮮やかな赤色で背ビレ軟条部の後縁と尾びれには黒色域がある点で見分けることができます。
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