海の中でまばたき!水深20メートルの光のカーテン! 小笠原

- 「最近ちょっとなあ~!」といった感じでスランプの真っただ中にいたダイバーがリフレッシュのために訪れたのはボニンブルーの静かな南の島小笠原諸島の父島!・・・ドボンッと海に入るとそこには美しい珊瑚礁が広がっていましたが目の前にふっと現れたのは息をのむほど大きな一匹のウミガメさんでした・・・こんなに立派なウミガメさんならばもしかしたらこの海の守り神かもしれないと見つめているとウミガメさんはまるでついておいでと言うようにゆっくりと鰭を動かして海の奥へと泳ぎ出しました・・・吸い寄せられるようにそのウミガメさんの背中を追いかけ導かれるように進む先々で驚くような光景に出会いました・・・目の前を横切るのは妙に人間味のある顔をした大きなアジアコショウダイさん!・・・「お前見かけない顔だなあ!」と不審げながら興味を持ってくれているようです。

- 次に現れたのはまるで歓迎のダンスを踊るように周りを囲む真っ赤なアカマツカサさんの群れと背中の黄色いワンポイントが可愛いノコギリダイさんの群れでした・・・岩陰にまるで海底に隠された秘密の宮殿のような暗がりの中で無数の小さな灯籠が灯っているようなアカマツカサさんの群れ!・・・普段はそんな岩陰に隠れてじっとしているアカマツカサさん達もウミガメさんに紹介されたら明るいところに出てこないわけにもいかないようです・・・アカマツカサさん達は怯えて逃げ出すこともなくただ「ようこそ」と迎え入れるようにゆっくりとその大きな瞳を瞬かせています・・・そんな普段あまり見られないアカマツカサさん達の様子をノコギリダイさん達が微笑ましく見つめています。

- 次に岩陰からひょっこりと顔を覗かせてくれたのは愛嬌たっぷりのネズミフグさんでした・・・全長70センチはあろうかという巨大なネズミフグさんは全身に短いトゲと小さなドット模様を散りばめ名前の通りネズミさんにそっくりなどこか抜けた顔をしている可愛いフグさんです・・・ネズミフグさんはゆっくりと目の前でホバリングするとギョロリとした大きな目をこちらに向け「僕をかっこよく撮ってよ!」とでも言いたげに胸鰭をパタパタと動かしてカメラの真ん前まで迫ってきました・・・撮影にもたもたしていた私にネズミフグさんはちょっと不満げに口を尖らせ「仕方ないなあ!」とゆっくりと泳いで行ってしまいました・・・私のためにせっかくシャッターチャンスをくれたのにネズミフグさんピントがうまく合わなくてすみませんでした。

- この光がうっすらと届く珊瑚のすき間に今度は銀色にきらめく数十匹の影が素早く泳ぎ回るウグイスエビスさんたちがやってきました・・・大きな目を見開き体に走る美しい縦縞模様をきらめかせながら彼らは私たちを値踏みするかのように素早く泳ぎ回ります・・・アカマツカサさんたちが「静」の美しさならこのウグイスエビスさんたちはまさに「動」の小妖精のようにキビキビと泳ぎまわります・・・海の中には静かに佇む命もあればこうして活発にダイバーを案内してくれる命もありその多様な美しさ圧倒されます・・・ちなみにウケグチイットウダイさんと呼ばれるウグイスエビスさんは下顎が上顎よりも前方に長く突き出しており他のイットウダイさんの仲間に比べて頭部がシャープで尖った印象を与えます・・・銀色〜淡いピンク色の体に茶褐色の明瞭な縦縞が何本も走っていて背鰭をピンと立てたとき背鰭の前方に大きな黒い斑点がはっきりと現れるのが大きな特徴です。

- 最後に現れたのは全体的に青みがかった銀色をしており黄色い線があまり目立たず他の仲間に比べて口元が少し前に尖っているミナミイスズミさんでした・・・「なんだよこんなところまでやってきて!俺様の食事を邪魔したらババ垂れるぞ!」とでも言いたげにちょっと不満そうにダイバーをにらむミナミイスズミさん達です・・・ミナミイスズミさんの群れの中にはごく稀に全身が鮮やかな真っ黄色に変色した黄化個体や白と黄色のまだら模様をした個体が混ざって泳いでいることがあります・・・みんなと同じ色じゃなくても堂々と仲良く生きているそんなミナミイスズミさん達ですが釣り人からは「ババタレ」などと呼ばれています・・・釣り上げられたショックで勢いよくフンをしてしまう習性があるため釣り師たちの間では「ババタレ」という少し可哀想な別名で呼ばれているのです。


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