もしかしてオキゴンベさんってサボテンをしょってる! 柏島
- スズキ目ゴンベ科オキゴンベ属のオキゴンベさんの体の高さはやや高めで写真の通り何と言っていいのかよくわかりませんが所謂いかり肩と言ったらいいのでしょうか?立派な体格をしています・・・それからゴンベ科の特徴でもあるのですが見ての通り背鰭の棘には数本の糸状突起があり「どうや!すごいやろ!このサボテンの様なトゲトゲ!触ったら痛いで!」と少し半開きの口で顔つきもドヤ顔でオキゴンベさんが言っている様です・・・確かによく見かけるサボテンみたいな見事な棘ですが体が鮮やかな黄色もしくはオレンジ色なのでイメージとしてはパイナップルの方が近いかもしれませんね?・・・体長10cmくらいの大きさのオキゴンベさんですが特徴として体側には不明瞭な暗色斑があって背鰭や尾鰭には斑紋は無いのです。

- ゴンベさんの英名は「ホークフィッシュ」と呼ばれていて鷹のようにサンゴや岩の上に留まってあたりを鋭い目つきで見張っているところからきているそうですが確かに潜っているとよく岩の上で踏ん張っているところを見かけますね・・・ゴンベさんは浮袋を持って無く遊泳性には欠けますが止まっている時は胸鰭で体を支えているので胸鰭は発達していてしなやかなお魚さんというよりはちょっとマッチョな筋肉もりもりのゴンベさんなのです・・・ゴンベさんの名前はこの糸状突起を江戸時代後期から大正時代まで流行った幼児のヘアースタイルである権兵衛と呼ばれる毛髪に見立てたことから来ているそうです・・・英名はかっこいいのですが和名はちょっとかわいいですね・・・それからオキゴンベさんは雌性先熟の性転換魚で雄はハーレムを作り数尾の雌と暮らしていますが群れの中で一番大きな個体が雄へと性転換します・・・しかもオキゴンベさんは群れの都合に合わせて両方向の性転換もできる事が知られていますがうらやましいというか?たいへんというか?忙しいというか?とにかくすごいですよね!!・・・両方向の性転換ができる種は他にオキナワベニハゼさんやダルマハゼさんやイチモンジハゼさんなどがいます。

- ちなみにオキナワベニハゼさんはサンゴ礁域の礁斜面やドロップオフに生息していて水深3〜55mの崖壁の亀裂内やサンゴの根の壁面や天井などで単独で見られますが眼の下に4本の黄色ラインがあって体長はおよそ3.5〜4cmで体に黄色〜橙色の斑点が密在しています・・・ダルマハゼさんは頭に細かい髭状の突起があり頭部が淡褐色になっており体側や各鰭が暗色であることでクロダルマハゼさんやアカネダルマハゼさんと区別できます・・・またヨゴレダルマハゼさんは頭部の髭状突起が長いことと眼周囲に細かい斑紋があることなどで見分けられます・・・イチモンジハゼさんは岩礁域の約20m以深に生息しており岩の表面や岩穴の奥などで単独で見られ吻から眼を通り尾鰭にかけて体側に黒色の縦帯が走っています。
オトヒメエビさんは岩陰に潜む艶やかな仲良し夫婦! 柏島

- 沿岸付近のサンゴ礁や岩場の岩陰に住んでいるオトヒメエビ科オトヒメエビ属のオトヒメエビさんはクリーニングするエビさんの中では少し大きめで体長は40~60mmくらいあります・・・クリーナーのエビさん達は群れていることがよくありますが確かに群を抜いて貫禄があって目立っています・・・オトヒメエビさんの体の色は半透明の白色で頭部や腹部や尾扇にはおめでたい事でもあったかの様な綺麗な赤白の帯があります・・・またオトヒメエビさんの触角は白く体長を上回るほど非常に長くいったいどこまで続いているだろうと思えるほどの長さで体の表面は意外と毛深く細かい棘に覆われています・・・それから第3歩脚は長く先に鋏を持ち赤白の帯が各4本あって歩脚の付け根はお洒落に気を使っているのか青色のワンポイントが入っています。

- オトヒメエビさんの和名は鮮やかな体の色に細長い触角や脚を広げた姿があたかも乙姫様を想起させることで付いたそうですがオトヒメエビさんはオトヒメなんていい名前を付けてもらいましたね・・・オトヒメエビさんは波の静かな岩棚や割れ目などで常に雌雄でつがいをなして同居しており雌雄の結びつきは強く例えばどちらか片方を別個体に入れ替えてしまうとオスがこのメスは違うと排除してしまうそうです・・・人間からしてみればどの雌も大差ないように見えてしまいますがオトヒメエビさんのオスからしてみれば全く違うじゃんという事なのでしょう・・・また前述しましたがオトヒメエビさんは大型魚の体を綺麗にするクリーナーさんでウツボさんやハタさんなどの体を這い回り食べかすや寄生虫などをツンツンツンと健気に食べています・・・オトヒメエビさんはとても働き者ですが普段から共生をしているため大型魚に食べられてしまうことはほとんどありません・・・ほとんど?

オトメハゼさんの心のつぶやきを聴いて一緒に妄想? 柏島
- スズキ目ハゼ科クロイトハゼ属のオトメハゼさんの身体の色はグレーっぽい白色~クリーム色で頭部から体側にかけて鮮やかなオレンジ色の大小さまざまな斑紋が数多く見られます・・・このオレンジの斑紋がちょうど眼の大きさと一緒ですからもしかしたら敵に眼がたくさんあると欺くためにつけた斑紋かもしれませんね?・・・体の中央付近に入る黄色い縦帯は繋がっていて頬にある明るい青色の斑紋はちょっとしたアクセントになっていて名前の通りオトメを感じさせるお洒落なハゼさんです・・・オトメハゼさんはサンゴ礁域の浅い砂地の石の下などに上手に口で穴を掘り隠れ家を作りのんびりと暮らしています・・・下の写真のオトメハゼさんは遠くをじっと眺めていますが何か気になることでもあるのでしょうか?・・・敵か味方かはたまた美味しそうな獲物でも近づいて来たのでしょうか?

- オレンジの斑点が美しいオトメハゼさんですが砂底の巣穴で二匹寄り添うように仲睦まじくイチャイチャしているオトメハゼさん達もいれば単独で孤高を貫いている凛としたオトメハゼさんもいます・・・今回のオトメハゼさんは単独で孤高を貫いているオトメハゼさんでどちらがいいという訳では無いのですが下のオトメハゼさんはちょっと口を半開きにして「あ~!彼女が欲しいなあ~!やっぱり一人は寂しいや!話し相手も欲しいなあ!」と哀愁が漂っている様にも見えます・・・気のせいかもしれませんが私にはその様に見えますのでできれば仲良く寄り添うオトメハゼさんの楽しそうな姿を撮りたかったと思う次第です・・・心なしか腹鰭が前のめりになっている様でオトメハゼさんの気持ちが現れているのではないでしょうか?

- たまにオトメハゼさんは大きな口を開けて砂を思いっきり頬張ったかと思うと鰓から砂だけブハっと吐き出して砂の中に含まれるプランクトンや甲殻類等を食べています・・・オトメハゼさんと言う可憐な名前を付けてもらっているとは思えないほどのほおばり様とブハっと吐き出す思い切りの良さは開けっぴろげで爽快です・・・でもそんなオトメハゼさんですが砂が鰓に詰まったりしないか心配です・・・「乙女だけど何か問題でも?お腹が空いては戦になりません!生きていく為には格好なんて気にしてられないわ!」とでも言うような勢いです・・・オトメハゼさん確かにおっしゃる通りです!!・・・こんなオトメハゼさんですが大きいものでは15cmにもなり度胸が据わっているのか警戒心が高くないのか見つけやすく出会えるチャンスが多いハゼさんのひとりです。

オニオコゼさんのその面構えなかなかの風格です!
- カサゴ目フサカサゴ科に属するオニオコゼさんの体の色は住む居場所によって変化し黒っぽいもの灰色っぽいものから鮮やかな黄色や橙色まで様々なものがいます・・・オニオコゼさんは見た目と違って結構お洒落に気を使っているのかもしれません・・・大きさは20cmほどでトゲトゲしていて厳つい顔をしていますが肉は白身で美味しく高級魚として知られています・・・オコゼさんのから揚げなんて最高なんですが調理には気を付けないといけません・・・下手して棘が刺さってしまいますと大変なことになってしまいますから・・・ちなみにオニオコゼさんとオニカサゴさんの違いはオニオコゼさんには鱗がなく頭が丸っこくて大きく胴体は小さめです・・・オニカサゴさんには鱗がありオニオコゼさんより頭が小さめですので調理をしたらわかるかもしれませんが・・・?

- オニオコゼさんは背びれには大きく長い毒腺を持った棘がありこの棘に刺されると激痛と激しい腫脹を伴います・・・でもオニオコゼさんの毒の成分は不安定なため温めると急速に分解しますので刺された時は火傷をしない程度のお湯(45度ぐらい)に30分程浸ける事が勧められています・・・ただしオニオコゼさんの毒は蛋白性の毒なのでアナフィラキシーショックを起こす事もあります・・・刺されたら直ちに病院で適切な処置を受けましょう・・・オニオコゼさんの仲間にはオニダルマオコゼさんやダルマオコゼさんやイトオコゼさんやヒメオコゼさんなどがいます。

- オコゼさんの名前の「オコ」は醜いという言葉の古語に由来すると言われていて「ゼ」は魚を意味する古語なのだそうです・・・つまりオニオコゼさんは「鬼のように醜い魚」という意味になりますが酷い名前の付け方ですね・・・オニオコゼさんは主に夜行性で昼間は砂にもぐったり藻や岩陰に潜んでいますが獲物のお魚さんが近づいてくると一瞬でバクっと食らいつく待ち伏せ型のフィッシュイーターなのです・・・この写真のオニオコゼさん「もううるさいなあ!あっち行っててよ!食事の邪魔をしないで!」って怒っているようにも見えます・・・ ちなみにダルマオコゼさんは達磨さんのようにずんぐりと丸くて太くて短いお魚さんですが背びれの棘には猛毒があります・・・ダルマオコゼさんは頭部にも棘が見られますが棘の先は丸くなっていて大きな目と口を持っています・・・頭部は丸く幅広くて眼の上は隆起していて後頭部には四角形の大きな窪みがあります。

オルトマンワラエビさんの足って長すぎませんか? 柏島

- 上の写真のヤギさんの中に宇宙人ようなフォルムのオルトマンワラエビさんがいますが何処にいるのかわかりますか?・・・よく見ると何か違和感を感じる枝のようなものが付いていてその枝のようなもを辿っていくとその中心に小さな小さな体がくっついているではありませんか!・・・つまりこの違和感を感じる枝の様なものがワラエビ科ムギワラエビ属のオルトマンワラエビさんの長い長い足だったのです・・・オルトマンワラエビさんはサンゴ礁や岩礁域の水深15m~70mあたりに住んでいるヤギさんやウミトサカさんやウミカラマツさん達の枝の上で見られます・・・オルトマンワラエビさんはエビさんという名前が付いていますが見た目はエビさんと言うよりカニさんと言ったほうが良い様な形をしています・・・それにしてもオルトマンワラエビさんの足は身体の割に長すぎて邪魔にならないのでしょうか?

- 前述しましたがオルトマンワラエビさんはカニさんのような形をしていますが分類的には実はヤドカリさんやコシオリエビさんと同じ仲間だそうです・・・オルトマンワラエビさんの頭胸甲の背中には白色線のみごとな二等辺三角形があってちょっと人工的に作られた様な印象を感じませんか?・・・オルトマンワラエビさんの身体は赤褐色に近く錆びた金属的な色をしていますし頭胸甲に比べて非常に長いというか長すぎる脚がそこからニョキニョキと生えていてまさにロボットのようです・・・オルトマンワラエビさんの脚の長節には淡黄色の斑点がぽつぽつと並んでいて長節の末端には黒色で囲まれた白色の斑紋がワンポイントありその先の脚には何故か斑点はありませんが特徴である長い脚には意外とお洒落に気を使っているようです。

- 近似種にホシゾラワラエビさんという方がいらっしゃるのですがワラエビ科ムギワラエビ属のホシゾラワラエビさんには長節の末端に白色の斑紋はなく長節から前節まで淡黄色の斑点が続いていきます・・・写真の様に拡大して見ればなるほどなるほどって納得できますが実際海の中で肉眼でその違いを確認するのは老眼の私では困難ですね・・・ホシゾラワラエビさんもオルトマンワラエビさんの様な姿で細く長い脚に斑点が多数ありこれを星空に見立てて名前が付けられたそうです・・・ホシゾラワラエビさんの頭胸甲の背中には白色線の三角形があり体は赤褐色ではさみ脚や歩脚は頭胸甲のサイズに比して極めて長いところはオルトマンワラエビさんとほぼ同じです・・・ホシゾラワラエビさんの生息域はサンゴ礁の礁斜面や洞窟などの比較的暗めの場所に生息するウミカラマツ類やイソバナ類やヤギ類などの枝上に住んでいます。

- ガシャーンガシャーンと音を立てながらソフトコーラルの森を我が物顔で動き回るロボットの様なオルトマンワラエビさんですが昔はムギワラエビさんと呼ばれていたそうです・・・しかし深海域に生息するムギワラエビさんとは別種として分けられオルトマンワラエビさんと名付けられたそうです・・・ちなみにオルトマンワラエビさんとフォルムが似ているムギワラエビさんは日本固有種だそうで主に東京湾・浦賀水道・相模湾・南紀・日向灘の水深50~70m程度のヤギ類に生息しているそうです・・・どちらのエビさんもまるでアメンボさんやクモさんなどの昆虫のようなルックスをしていますがちなみにムギワラエビさんの関節は赤・白になっているのに対してオルトマンワラエビさんは前述したように黒・白・黒になっているのでここで区別ができます。

- オルトマンワラエビさんの英名はOrtmann’s spider-crabといい訳すとオルトマンクモガニさん?・・・ちなみにオルトマンはドイツの生物学者の名前だそうなのでオルトマン先生が見つけたクモガニさんと言ったところでしょうか?・・・こちらの名前のほうがワラエビさんという名前よりフォルム的には私はシックリくる名前だと思います・・・正にクモさんのように足の長いカニさんといった感じです・・・それにしても下の写真のオルトマンワラエビさんは背景の岩と重なってわかりづらいかもしれませんが左のハサミ足を一生懸命伸ばしていますが何を取ろうとしているのでしょうか?・・・そんな所に獲物はいないと思いますが背伸びでもしているのでしょうか?・・・それに遠くまで手が届くのはいいと思うのですがこんなに小さな眼だと遠くのものが自分で見えないんじゃないですか?

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