『イットウダイの仲間』総集編 diving-photo‐tsubuankun

Dive-photo まとめ 分類
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キンメダイ目イットウダイ科のお魚さんは体が側偏し比較的硬い鱗に被われていて目が大きく腹鰭が胸鰭の下方にあります。体の色は基本的に赤色で白い縦線が入るなど綺麗な色をしたものも多く形態的に酷似していて正確な種同定を行うことが困難です。イットウダイ科は浅いサンゴ礁でもごく普通に見られますが浅いサンゴ礁域から深海に至るまで広く分布しています。イットウダイ科の魚は夜行性で昼間は岩陰に隠れており夜間に外に出て泳ぎ回ります。

近すぎてわからない!アカマツカサさんで間違いないです? ケラマ

  • 岩陰に赤くて綺麗なお魚さんがちょうどこちらを見ていたので正面からドアップで撮ってみました・・・顔には隈取をしたような白いライン模様とグッとせり出した目には力強さがあり口をへの字に引き締めた凛々しい表情が素晴らしいのですがあなたは何ているお魚さんでしょうか?・・・あまりにもドアップで撮ったので全体像が見えず私には種類が何なのかよくわかりません・・・でもおそらくキンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属のアカマツカサさんではないかと思います?・・・このお魚さんも『名前もわからずに写真撮っているのか?失礼な奴だなあ!もう一度勉強し直しておいで!』と文句を言っているのかもしれません!・・・アカマツカサさんすみません!アップで撮影するときはもう一枚全体像がわかる写真を撮るべきでした!反省です。
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  • アカマツカサさんは肉食性のお魚さんで小魚や小さい甲殻類などを食べますが動物性のプランクトンも食べます・・・アカマツカサさんは夜行性のお魚さんで夜になると水面付近に来て活発に活動しますが日中はサンゴ礁などの軒下などに群れてひっそりと隠れています・・・アカマツカサさんの特徴は鮮やかな赤い色と大きな目で体は平べったく体長は15cm~25cm程度で体高が高く背鰭に鋭い棘があり下顎がかなり付きだしています・・・また尾鰭は二叉になっており鱗は非常に硬く松ぼっくりのように見えることから「マツカサ(松毬)」という名前が付いたとされています・・・アカマツカサ属にはナミマツカサさんやヨゴレマツカサさんやマルマツカサさんなどがいますが見た目で判断するのはなかなか困難です・・・でもナミマツカサさんやヨゴレマツカサさんとの見分け方はアカマツカサさんは下顎が上顎よりもかなり突き出ていることで区別できるようです・・・またマルマツカサさんとの見分け方はアカマツカサさんは下顎に1対の歯塊があることで区別できるそうです?

何があった?緊張しているウケグチイットウダイさん? 小笠原

  • 昼間はいつも岩棚の下などのような暗所に潜んでいる事が多いキンメダイ目イットウダイ科ウケグチイットウダイ属のウケグチイットウダイさんですが今日は何故か20~30匹の群れを成して元気に泳いでいます・・・もしかしたらお腹が空き過ぎてみんなで獲物を探しているのか?それとも今まで住んでいた所が手狭になって集団で新しく居心地の良い岩棚の下などの暗所を探しているのか?理由はよくわかりませんが珍しく明るいところを泳いでいます・・・ウケグチイットウダイさんはサンゴ礁域や岩礁の浅い所で暮らしているのですが体色は銀白色で背鰭には大きな黒斑があり体側には多数の褐色の縦帯があります・・・下の写真の様に背鰭を大きく広げてくれれば特徴であるその大きな黒斑がよくわかります。
  • 体長は20cm程度で体はやや長く側扁し吻は長くて口は小さめのウケグチイットウダイさんは小魚や甲殻類などを食べて生きています・・・やっと安心できる暗がりを見つけたのか落ち着いた感じがするウケグチイットウダイさん達ですが下顎は上顎よりも長く受け口になっていることからウケグチという名前が付けられているそうです・・・またウケグチイットウダイさんの前鰓蓋骨の後縁には1本の棘があり尾鰭は深く切れ込んでいて上下縁が暗色となっています・・・同じキンメダイ目イットウダイ科ウケグチイットウダイ属のホソエビスさんは写真のウケグチイットウダイさんに似ていますがホソエビスさんの背鰭棘鰭膜には大きな黒色斑がありませんのでここで区別できます・・・でも背鰭を広げてくれていればすぐにわかりますが海の中で背鰭を広げてくれるとは限りませんけどね。

アピールしないウケグチイットウダイさんの一番の特徴! 小笠原

  • 岩陰で群れてひっそりとして暮らしているのはおそらくスズキ目イットウダイ科ウケグチイットウダイ属のウケグチイットウダイさんではないかと思います・・・ウケグチイットウダイさんは体の色は銀白色で体側には多数の縦帯があるのですが光の当たらない岩陰の暗がりに居ると折角の美しさが全く目立ちません・・・でもフラッシュで光を当てると綺麗な銀色が浮かび上がり見事な存在感をアピールしてくれるウケグチイットウダイさんなのです・・・せっかく綺麗な体の色をしているのにどうして光の届かない岩陰を好んで選んでいるのでしょうか?・・・ウケグチイットウダイさんは目立つのが嫌いなのでしょうか?・・・もしそうならこんなに綺麗な銀色をしていなくてもいいはずなのですが不思議ですね?・・・ウケグチイットウダイさんは奥ゆかしいだけなのでしょうか?
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  • それからウケグチイットウダイさんはホソエビスさんに似ているのですがウケグチイットウダイさんは背鰭棘鰭膜には大きな黒色斑があるので区別が可能です・・・でも今回のウケグチイットウダイさんはみなさん鰭を閉じているので残念ながらよくわかりませんがよく見ると畳んでいる背鰭の前の方が黒いように見えます・・・折角の特徴なのでビシっと背鰭を広げてくれると助かるのですがやはり自己アピールするのはあまり好きでは無いのでしょうか?・・・ウケグチイットウダイさんの体はやや長くて側扁し吻も長く口は小さいのですが下顎は上顎よりも長く受け口になっていてこのことからこのウケグチという名前が付けられています・・・また前鰓蓋骨の後縁に1本の棘があり尾鰭は深く切れ込んでいるのもウケグチイットウダイさんの特徴です。
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いつも暗がりで控えめなクロオビマツカサさん! 小笠原 

  • ちょっと一部しか見えませんが右下のダイバーが泡をぶくぶく吐いているそんな明るい海の中でもちょっと岩陰を覗いてみるといろいろなお魚さんが隠れています・・・岩陰でよく群れで見かけるのがキンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属のクロオビマツカサさんとその仲間です・・・いつも暗いところで群れを作っている控えめなお魚さんなのですが鰓の後ろの黒い帯がクロオビマツカサさんの特徴でそこにちょっとした個性の主張を感じさせられます・・・ところでクロオビマツカサさんは同じキンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属のウロコマツカサさんとよく似ています・・・でもクロオビマツカサさんには尾鰭・尻鰭に黒い点がありませんがウロコマツカサさんははっきりとした赤と白の体色に尾鰭・尻鰭・背鰭の端に黒い斑点があるのでそこで区別できます。
  • ちなみにイットウダイ科のお魚さん達は世界で8属約80種が知られていて日本には6属40種が暮らしていますが日本にいないヤスリエビス属とノボリエビス属のお魚さんは何れも大西洋で暮らしています・・・イットウダイ科の多くの種類が浅海の岩礁域やサンゴ礁に住んでいて昼間は岩陰に群れて隠れていますが夜は単独で活発に活動するものが多いようです・・・またエビスダイ属は他の属たちとは違い浅海では無くやや深海で暮らしています・・・イットウダイ科のアカマツカサ属にはアカマツカサさん・ウロコマツカサさん・キビレマツカサさん・ツマグロマツカサさん・クロオビマツカサさん・ヨゴレマツカサさん等がいますがこれらのお魚さん達は同定がかなり難しいのです・・・アカマツカサ属のお魚さん達は胸鰭腋部と下顎の先端にそれぞれの特徴がありますがやっぱり私には区別が難しいです。

クロオビマツカサさんのへの字眉毛って愛嬌を感じます! 小笠原

  • 大きな目に鰓蓋膜と主鰓蓋骨に暗色域が帯のようにつながって眉毛のように見えるのはキンメダイ目イットウダイ科のクロオビマツカサさんですね・・・体長は15cm程度で体は側扁していて下顎の先は上顎よりも突き出ていて他の同属のものに比べると鱗は小さくなっています・・・体の色は薄い赤色で一見してアカマツカサさんとよく似ていますがアカマツカサさんは黒色帯が繋がっていないことや体の色も鮮やかな赤色であるなどの違いがあります・・・またウロコマツカサさんやナミマツカサさんなどにもよく似ていますがウロコマツカサさんの尾びれ上下両葉の端や背びれやしりびれの端は黒っぽくなっていて体の色は薄い赤色をしていますが白っぽく見えることもあります・・・またナミマツカサさんは胸びれ腋部には小さな鱗があり鱗の大きさなどで見分けることができるとされていますが個体差などもあり外見だけで判別するのは難しいです・・・それにしてもへの字眉毛の様で愛嬌がありますよね。
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  • クロオビマツカサさんが属するイットウダイ科は8属からなりアカマツカサ亜科とイットウダイ亜科の2亜科に分けることができます・・・アカマツカサ亜科の魚種は前鰓蓋に長大な棘がないことなどが特徴でイットウダイ亜科の魚種は前鰓蓋骨の隅角部に長大な棘があることが特徴になっています・・・世界で8属約80種が知られ日本には6属40種が暮らしていて多くの種類が浅海の岩礁域やサンゴ礁にすみ夜活発に活動するものが多いようです。

ツマグロマツカサさんは古代魚を感じさせますね!(改)パラオ

  • キンメダイ目イットウダイ科のツマグロマツカサさんは夜行性のためサンゴ礁の岩陰など暗いところが好きなようでそな場所を覗いてみるとよく見かけることがあります・・・ツマグロマツカサさんは度胸があるのか比較的のんびりと泳いでいますので撮影しやすいのですが体の色はやや暗い赤色で鱗が光に当たると反射し輝いて見える面白いお魚さんです・・・ツマグロマツカサさんは背びれ棘の上方と軟条部や臀鰭軟条部や尾鰭後方は暗色になっており他のマツカサさんとは鰭の先端が黒いところから区別できます・・・「まつかさ」は漢字で「松毬」と書きいわゆるまつぼっくりを表しているそうですが確かに大きな堅い鱗がまつぼっくりを連想させますね・・・この写真のツマグロマツカサさんの顔を見ていると寺院の銅板などがさび付いて青緑色になっている緑青のような感じがして年輪と風格を感じさせます・・・だから古代魚の様な印象を与えるんですかね。

テリエビスさん?ニジエビスさん?イットウダイさん? 小笠原

  • 珊瑚の隙間から鋭い眼光でじっとこちらを睨んでいるのはキンメダイ目イットウダイ科イットウダイ属のテリエビスさんではないでしょうか?・・・硬い鱗を持っているテリエビスさんの体色は鮮やかな赤色をしており側面には細い白色縦帯がたくさん走っています・・・テリエビスさんのトゲトゲした背鰭棘の鰭膜は赤褐色で前端の鰭膜が暗色になっているのが特徴です・・・テリエビスさんは夜行性のため昼間は岩陰などに潜んでいることが多いのですがダイバーが近寄るとさらに岩の奥に隠れてしまい警戒心がとても強いお魚さんです・・・でもこのテリエビスさんは気が強いのか何故か私を睨んでいます・・・テリエビスさんは小魚や甲殻類を食べる肉食性のお魚さんで全長15cm前後ですが中には30cmにも成長したものがいたそうです。
  • テリエビスさんにはよく似ているニジエビスさんやアヤメエビスさんやイットウダイさんなどがいますが区別が私には難しく困ってしまいます・・・テリエビスさんの背鰭は朱色で頭に近い棘に黒い斑点があり白い縦縞が見られますがニジエビスさんの背鰭は黒くなっている事で区別できます・・・テリエビスさんはアヤメエビスさんとも似ていますがアヤメエビスさんの背鰭と尻鰭の軟条部の基底には暗色の斑があり吻部の両側には水平に突出した隆起が見られます・・・でもテリエビスさんの背鰭や尻鰭の基底付近には暗色の斑などは見られません・・・またイットウダイさんにはテリエビスさんの様に背鰭棘条部の白い縦縞や棘条前部にははっきりとした黒い斑が見られませんしアヤメエビスさんの様な背鰭と尻鰭の軟条部の基底にある暗色の斑などは見られません。
  • ちなみに体色は真赤で美しく体高が高いエビスダイさんの名前はふっくらとしたシルエットが七福神の恵比寿様のようであるという事で縁起がいい魚としてエビスという名前が付いたそうです・・・またエビスダイさんは鱗が大きく硬いことや背鰭や臀鰭の棘が強いことからグソクダイさんとかヨロイダイさんなどとも呼ばれています・・・グソクダイさんとかヨロイダイさんの名前の方が強うそうですがやはりエビスダイさんの名前の方が福がありそうで私は好きです・・・エビスダイさんの目はギョロっとした大きな目で下顎は上へ突き出た受け口になっていますが大きな歯は見られません・・・一般的にエビスダイさんの全長は30cmほどの大きさなのですが45cmを超える大型のものもいるそうです・・・大きな口でいっぱい食べたのでしょうか?

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