統制の取れた青い軍団クマザサハナムロさん!
- 気持ちよさそうに集団で泳ぎ回っているのは水中では背側が青く見え腹側は白く見えるスズキ目タカサゴ科タカサゴ属のクマザサハナムロさんです・・・クマザサハナムロさんの体には細い縦帯があり尾鰭の両側に黒色帯がありますが危険やストレスを感じると体色が赤色や斑点などに変化し死ぬと体色は赤色になるのです・・・海の中ではほぼ青白いクマザサハナムロさんが死んでしまうと赤くなるなんて不思議ですね・・・だから通常お魚さん屋さんなどで見るクマザサハナムロさん赤いので赤いお魚さんとして知られているのです・・・クマザサハナムロさんは潮通しのよい外洋に面した岩礁やサンゴ礁の周辺を群れで回遊し中層を遊泳しながら主に動物プランクトンを食べて暮らしています。

- クマザサハナムロさんは昼は写真の様に青くなっていますが危険やストレスを感じる時だけでなく夜間など暗い場所でも赤くなるそうです・・・という事はナイトダイビングをすれば全く印象の違う赤いクマザサハナムロさん達に出会えるかもしれませんね・・・クマザサハナムロさんの体長は25cm程度で鱗は細かく取れやすく血合いの強い白身のお魚さんで沖縄ではウクーグルクンさん奄美ではアカウルメさんなどと呼ばれています・・・クマザサハナムロさんの食べ方としては小骨が多いので注意しなければなりませんが刺身がメインです・・・刺身は皮付きで出してくれる時もあり皮はコリコリしていて良い感触です・・・またクマザサハナムロさんのから揚げはサクサクしていて頭から尻尾まで皮から骨まで全部美味しく食べることができます。

- それからクマザサハナムロさんに酷似しているタカサゴさんやニセタカサゴさんという方がいらっしゃいますがクマザサハナムロさんは身体の縦帯が細い黒色なので区別できます・・・タカサゴさんの全長は30cm程度でクマザサハナムロさんと同じように頭が小さく細長い紡錘形をしておりますが背と体側に黄色の細い縦線が2本あります・・・またタカサゴさんの体側の黄色い縦線は側線より下にありますがニセタカサゴさんの黄色い縦線は側線に沿っております・・・それからタカサゴさんやニセタカサゴさんの尾鰭は上下の先端が黒くなっていますがクマザサハナムロさんの尾鰭は下の写真の様にハの字の黒色帯になっておりその違いで区別できます・・・いずれにしろ海の中では見事な群れでスイスイ泳ぎ回っている綺麗なお魚さん達です。

鋭い眼で睨みながら大事な卵を守るクマノミさん!
- 今年もいましたいました!小笠原の青い海に私を睨んでいる真っ黒なクマノミさんがいました・・・スズキ目スズメダイ科クマノミ属のクマノミさんは縦に太い白色のラインが特徴で背鰭付近は黒くお腹付近は黄色っぽいオレンジ色の発色をしていますが小笠原諸島で見られるクマノミさんは何故か写真の様に妙に黒っぽいのです・・・本当にいつも見るオレンジ色のクマノミさんと同じ種類のクマノミさんなのでしょうか?・・・もしかしたら新種のクマノミさんではないのでしょうか?・・・まあその話はさておき黒いクマノミさんの手前に赤いつぶつぶが見えると思いますがこれはクマノミさんの卵なんです・・・当然と言えば当然ですがクマノミさんの顔が怖いのは大事な卵を守っているからですね。

- クマノミさんはイソギンチャクさんの触手を布団代わりにして気持ちよさそうですがこのクマノミさんとイソギンチャクさんは共生関係にあります・・・ご存じの通りイソギンチャクさんの触手には毒があって触れた生きものはその毒で麻痺して動けなくなったところを食べられてしまいます・・・でもクマノミさんは触手に触れても毒に耐性があるので大丈夫なんです・・・だからクマノミさんはイソギンチャクさんと一緒にいる事で外敵から守ってもらえるのですがそれだけでなくイソギンチャクさんの近くをクマノミさんが泳ぐことで新鮮な海水をイソギンチャクさんに送りこんでいるのです・・・その新鮮な海水のおかげでイソギンチャクさんは元気に生きることができるのでお互い役に立っているという事です・・・そんなクマノミさんにも好き嫌いがあるようでカクレクマノミさんはハタゴイソギンチャクさんかセンジュイソギンチャクさんが好きなようです・・・クマノミさんは好きなイソギンチャクさんの幅は広い様ですがサンゴイソギンチャクさんとの組み合わせが一番の様です・・・ハマクマノミさんは好き嫌いが激しくタマイタダキイソギンチャクさんとしか共生しないそうです。

- クマノミさん達は最大でオスは10cmくらいメスは15cmくらいまで成長しますが体はずんぐりして平べったい形をしていて胸鰭をパタパタさせながらイソギンチャクさんの森を幸せそうに仲良く泳いでいます・・・この幸せそうなクマノミさん達の家庭状況はちょっと変わっていて生まれたときは実はみんな仮のオスなのです・・・そして群れの中で一番大きいクマノミさんがメスに性転換し群れの中で2番めに大きいクマノミさんがオスになります・・・つまりクマノミさんの家族はたくさんいますがメスが一匹オスが一匹しかおらずこの2匹だけが繁殖行動を行い子どもを残していくのです・・・そして残りの3番目に大きいクマノミさん以降は群れの中で仮のオスのままでメスにもオスにもならず繁殖行動も行わずのんびりと暮らしています・・・どこかのサル軍団の様に勢力爭いが起こらなくていいかもしれませんね・・・でもこの2匹のどちらか例えば一番大きかったメスが死んでしまったら群れの中で2番目に大きなオスのクマノミさんがメスに次に大きな仮のオスのクマノミさんがオスに性転換します・・・つまりクマノミさんは死ぬまで一夫一妻制なのです・・・お魚さん達の中では珍しいクマノミさんなのです。


- それからクマノミさんの体の色は地域変異があって通常は背側が黒く腹側が橙黄色で黒い部分は成長とともに拡大していきます・・・吻は橙から桃色で体には2本の白い横縞があり1本は眼の後方にもう1本は肛門の上にあり背鰭は橙黄色で尾柄は白く尾鰭は三角形に近くオスは橙色でメスは白色になっています・・・でもこの写真の様に小笠原のクマノミさんは何故か全身真っ黒なのです・・・もしかしたら違う種類なのかもしれませんね?・・・でも小笠原のクマノミさんもちっちゃい時は黒くなく橙黄色の体に白い横縞で他のエリアのクマノミさんの様にイソギンチャクさんの森の中でちょこちょこしています・・・やはり同じ種類のクマノミさんなのでしょうか?・・・さすが小笠原ですね独自の進化を果たしているのでしょうか?
クロオビマツカサさんのへの字眉毛って愛嬌を感じます!
- 大きな目に鰓蓋膜と主鰓蓋骨に暗色域が帯のようにつながって眉毛のように見えるのはキンメダイ目イットウダイ科のクロオビマツカサさんですね・・・体長は15cm程度で体は側扁していて下顎の先は上顎よりも突き出ていて他の同属のものに比べると鱗は小さくなっています・・・体の色は薄い赤色で一見してアカマツカサさんとよく似ていますがアカマツカサさんは黒色帯が繋がっていないことや体の色も鮮やかな赤色であるなどの違いがあります・・・またウロコマツカサさんやナミマツカサさんなどにもよく似ていますがウロコマツカサさんの尾びれ上下両葉の端や背びれやしりびれの端は黒っぽくなっていて体の色は薄い赤色をしていますが白っぽく見えることもあります・・・またナミマツカサさんは胸びれ腋部には小さな鱗があり鱗の大きさなどで見分けることができるとされていますが個体差などもあり外見だけで判別するのは難しいです・・・それにしてもへの字眉毛の様で愛嬌がありますよね。

- クロオビマツカサさんが属するイットウダイ科は8属からなりアカマツカサ亜科とイットウダイ亜科の2亜科に分けることができます・・・アカマツカサ亜科の魚種は前鰓蓋に長大な棘がないことなどが特徴でイットウダイ亜科の魚種は前鰓蓋骨の隅角部に長大な棘があることが特徴になっています・・・世界で8属約80種が知られ日本には6属40種が暮らしていて多くの種類が浅海の岩礁域やサンゴ礁にすみ夜活発に活動するものが多いようです。
誰の卵ですか?コイボウミウシさん!
- サンゴの辺りをウニョウニョと動いているのは裸鰓目イボウミウシ科コイボウミウシ属のコイボウミウシさんではないでしょうか?・・・コイボウミウシさんの身体の地色は黒色で背面にはピンク色や灰色や緑がかったツブツブのイボ状突起が多数あります・・・このイボ状突起は数個が集まり1つの塊となりますがその形は個体によって様々違っています・・・コイボウミウシさんは色合い的に派手さが無くよく見かけるのでスルーされがちですが結構可愛いウミウシさんなのです・・・よく似ているウミウシさんにツブツブコイボウミウシさんやアミメイボウミウシさんやパイペックイボウミウシさん等がいますが区別がなかなか難しいですね。

- 体長70mmに達するコイボウミウシさんは見た目と名前がかなり似ているのにツブツブコイボウミウシとは属が違っていてコイボウミウシさんはコイボウミウシ属でツブツブコイボウミウシさんはアデヤカイボウミウシ属になります・・・本当に見た目がかなり似ていて判別が難しいのですがコイボウミウシさんの触角は全体が黒くツブツブコイボウミウシさんの触角は黒い部分は上部後方のみになっています・・・どちらか分からない時は触角に注目して触角にピントが合うように撮影すると区別できます・・・残念ながら上の写真も下の写真もボケてしまって触角が明確になっていません・・・また触覚が出ていない時に撮影したりしても当然ながら区別が難しくなりますのでそこの所に注目して注意して撮影しないと駄目ですね!すみません。

- コイボウミウシさんに似ている裸鰓目イボウミウシ科アデヤカイボウミウシ属のアミメイボウミウシさんは触角の前方がピンク色で先と後方が黒くなっています・・・アミメイボウミウシさんは背中に縦線が2本あって更に不規則な方向に線が入っていて名前の通り網目模様の様になっています・・・また裸鰓目イボウミウシ科アデヤカイボウミウシ属のパイペックイボウミウシさんの身体は地色がピンク色を帯びた灰色で背面正中線上にはイボ状突起が縦方向に並び融合し畝を形成しています・・・パイペックイボウミウシさんのイボ状突起の先端は白色でその両脇に黒色の縦線が入りこの黒色の縦線から外套周縁に向けて黒色の線が放射状に入っています・・・パイペックイボウミウシさんの触角は黒色で基部と前部がピンク色を帯びた灰色で全長は85mmに達します。

- ウミウシさんは雄と雌の両方の機能が存在する同時的雌雄同体の動物で両性生殖腺というひとつの器官で精子と卵の両方をいっぺんに作ることができます・・・でも両性生殖腺にある頃の精子はまだ活性化されておらず自家受精はしない仕組みになっています・・・だからウミウシさんも配偶相手に出会わなければ繁殖はできないようになっているのです・・・でも同時的雌雄同体であることのメリットは2匹が出逢えば必ず交尾できるということです・・・ウミウシさんはナメクジさん同様這い跡にぬらぬらした粘液を残しますが粘液の中にはそのウミウシ参加特有の成分が含まれています・・・ウミウシさんは他種のウミウシさんが分泌するフェロモンの成分には反応しませんが同種のウミウシさんが分泌するフェロモンの成分には強く反応し這い跡を追いかけていくのです・・・下の写真の赤いバラの様な卵塊はミカドウミウシさんの卵でしょうか?

十字を背負うのはコガネヤッコさん?もしかしてシテンヤッコさん?
- 岩陰でちょこまか動き回っているレモンイエローの綺麗なお魚さんが居ましたので撮影してみました・・・最初は身体の色が鮮やかな黄色で頭頂部に黒色小斑?のようなものがあるのでスズキ目キンチャクダイ科シテンヤッコ属のシテンヤッコさんまたはシテンヤッコさんの幼魚かと思いました・・・でもシテンヤッコさんは鰓蓋後方にも茶色小斑があり口の周辺は紫色で臀鰭は上方が黄色ないし淡色で下部は黒色なのです・・・シテンヤッコさんの幼魚の体色も黄色で背鰭基部付近に黒色斑と眼を通る帯がありますからこの写真のお魚さんはちょっと違いますね・・・身体の色合いから見てスズキ目キンチャクダイ科アブラヤッコ属のコガネヤッコサンですかね?・・・でも頭頂部に模様がありますし・・・?

- コガネヤッコさんの身体の色は鮮やかな黄色で眼の周縁は青く縁取られ鰓蓋後端も青色になっていますから確かにコガネヤッコさんの特徴をこのお魚さんは持っています・・・ちなみにコガネヤッコさんの幼魚の頃は体の中央に青く縁どられた丸い黒斑がありますが徐々に消えていきます・・・それにしても見た目は確かにコガネヤッコさんなのですが頭頂部の模様はいったい何でしょうか?・・・まるで十字架を背負っている様なお洒落な模様は?・・・まさか新種なのでしょうか?・・・あれ?もしかしたらこの十字の模様は海藻が写ってるだけ?・・・確かに背景の岩に生えている海藻が写りこんでいるようにも見えるけど違うような気もします・・・もしこれが海藻であればGoodタイミングでしたね!・・・これが模様だとしてもコガネヤッコさんに間違いないですかね?

- 小さなおちびさんがのんびりと泳いでいましたが誰のおちびさんなのでしょうか?・・・黄色い身体が綺麗なスズキ目スズメダイ科ソラスズメダイ属のネッタイスズメダイのおちびさんでしょうか?・・・ネッタイスズメダイさんであれば体長は8cm程度で体型はスズメダイ科の魚として一般的な楕円形で強く側扁していて吻は短く口も小さくなっています・・・ネッタイスズメダイさんの尾鰭は浅く湾入していて背鰭と尻鰭の後方が尖り気味なのも特徴で体色が鮮やかな黄色で英語ではLemon Damsel(レモンダムゼル)と呼ばれています・・・写真のおちびさんは色は綺麗なレモンイエローですがどうも鰭の形が違いますね?・・・鰭の形からするとチョウチョウウオの仲間のような気もしますがあなたはいったい誰なの?

- 黄色いスズメダイさんにはネッタイスズメダイさんの他にヤマブキスズメダイさんという方もいらっしゃいますがヤマブキスズメダイさんは体高がスマートで尾鰭がほとんど黄色になっている事で判別できます・・・スズメダイ科は世界の熱帯海域に分布し300種以上が確認されているグループでサンゴ礁へ潜ればどこでも様々な種類のスズメダイさんの仲間が群れをなしています・・・イソギンチャクと共生することで有名なクマノミ類もスズメダイ科に含まれており鮮やかな体色を持つ種が多いのが特徴です・・・それにしてもレモンイエローのおちびさんあなたはいったい誰なんですか?・・・おそらく黄色の体色と目の周りの青いフチが特徴の可愛いコガネヤッコさんだと思うのですがいかがでしょうか?・・・話は全く変わりますが世の中は常に不確実なもので人生は予測不可能で挑戦的な状況は常に起こります・・・そんな不確実なこの世界で生き延びていくには固執せず柔軟性を持ち不確実性を新たな課題として挑戦する事が大切です・・・そして一人で抱え込まずコミュニケーションをとり適切な休息をとる事も忘れないことです・・・不確実性は人生の一部として前向きに捉えてみる要は自分の考え方次第で人生は変わるという事でしょうか?
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