小笠原総集編(カ行-3) diving-photo‐tsubuankun

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どうして赤くなるの?不思議なクマササハナムロさん! 小笠原 

  • いつ見ても不思議に思うのですが市場で見るスズキ目タカサゴ科タカサゴ属のクマササハナムロさんは体色が赤色なのです・・・このクマササハナムロさんは危険やストレスを感じると体色が赤色や斑点などに変化し死ぬと体色は赤色になる事は知っていても海の中で見ると同じお魚さんとは到底思えないのです・・・水中でのクマササハナムロさんは写真の様に背側が青く腹側は白く見え体に細い縦帯があり尾鰭の両側に黒色帯があるのです・・・この乱舞している綺麗な青色のクマササハナムロさんが赤く変化するなんて信じられないのです・・・でもそれがこのクマササハナムロさんの特徴なのですから仕方ないですね・・・クマササハナムロさんは潮通しのよい外洋に面した岩礁やサンゴ礁の周辺を群れで回遊し主に動物プランクトンを食べて生きています。
  • クマササハナムロさんは西太平洋や中部太平洋そしてインド洋やアフリカ東海岸からオーストラリア西海岸まで広く見られ国内では小笠原諸島や沖縄などの南日本で見られます・・・クマササハナムロさんの体は細長い紡錘形で吻は短く眼隔域は隆起しています・・・また夜間に眠っている時などは4~5本の細くて白い横帯が現れるそうですが普段はタカサゴさんによく似ています・・・でもクマササハナムロさんの尾鰭にははっきりとした黒色の帯が見られますがタカサゴさんの尾鰭の上下両葉の先には黒っぽい斑は見られることがあっても帯状にはなっていないのでここで見分けることができるます・・・またクマササハナムロさんはササムロさんともよく似ていますがササムロさんの体高はタカサゴさんより高く尾鰭上・下葉に黒色帯があり体色の黄色線は側線よりもやや上方を走り各鰭は白っぽいなどの違いがあります。
  • クマササハナムロさんは普段沿岸の浅い所に居ますが水深60m程のところでも見られることがあるそうです・・・動物プランクトンなどを食べながら大きな群れで生活しているので浅いところのプランクトンを食べ尽くしてお腹が空いたクマササハナムロさんが仕方なく深いところまでエサを探しに行ったのでしょうか?・・・確かにクマササハナムロさんの群れは凄い数なのでそれだけの数が「お腹が空いたよ~!」ってパクパクパクパク一斉にプランクトンを食べたらすぐに無くなりそうですもんね・・・ちなみにクマササハナムロさんはタカサゴさんなどと共にグルクンさんなどと呼ばれ追い込み漁や刺し網などで獲られ食用に利用されています・・・クマササハナムロさんは焼き物や煮つけや刺身などに利用される美味しいお魚さんですがマグロさんなどの餌としても活用されています・・・私はグルクンさんの焼き物や刺身も好きですが唐揚げが一番好きですね!・・・それにしてもクマササハナムロさんは喧嘩もせず仲良く集団生活をしていますが何かコツでもあるのでしょうか?・・・集団生活では意見が対立することも多々ありますが問題を解決するために相手の立場になって考え柔軟な思考で協力し合うことが大切かもです。

統制の取れた青い軍団クマザサハナムロさん! 

  • 気持ちよさそうに集団で泳ぎ回っているのは水中では背側が青く見え腹側は白く見えるスズキ目タカサゴ科タカサゴ属のクマザサハナムロさんです・・・クマザサハナムロさんの体には細い縦帯があり尾鰭の両側に黒色帯がありますが危険やストレスを感じると体色が赤色や斑点などに変化し死ぬと体色は赤色になるのです・・・海の中ではほぼ青白いクマザサハナムロさんが死んでしまうと赤くなるなんて不思議ですね・・・だから通常お魚さん屋さんなどで見るクマザサハナムロさん赤いので赤いお魚さんとして知られているのです・・・クマザサハナムロさんは潮通しのよい外洋に面した岩礁やサンゴ礁の周辺を群れで回遊し中層を遊泳しながら主に動物プランクトンを食べて暮らしています。
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  • クマザサハナムロさんは昼は写真の様に青くなっていますが危険やストレスを感じる時だけでなく夜間など暗い場所でも赤くなるそうです・・・という事はナイトダイビングをすれば全く印象の違う赤いクマザサハナムロさん達に出会えるかもしれませんね・・・クマザサハナムロさんの体長は25cm程度で鱗は細かく取れやすく血合いの強い白身のお魚さんで沖縄ではウクーグルクンさん奄美ではアカウルメさんなどと呼ばれています・・・クマザサハナムロさんの食べ方としては小骨が多いので注意しなければなりませんが刺身がメインです・・・刺身は皮付きで出してくれる時もあり皮はコリコリしていて良い感触です・・・またクマザサハナムロさんのから揚げはサクサクしていて頭から尻尾まで皮から骨まで全部美味しく食べることができます。
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  • それからクマザサハナムロさんに酷似しているタカサゴさんやニセタカサゴさんという方がいらっしゃいますがクマザサハナムロさんは身体の縦帯が細い黒色なので区別できます・・・タカサゴさんの全長は30cm程度でクマザサハナムロさんと同じように頭が小さく細長い紡錘形をしておりますが背と体側に黄色の細い縦線が2本あります・・・またタカサゴさんの体側の黄色い縦線は側線より下にありますがニセタカサゴさんの黄色い縦線は側線に沿っております・・・それからタカサゴさんやニセタカサゴさんの尾鰭は上下の先端が黒くなっていますがクマザサハナムロさんの尾鰭は下の写真の様にハの字の黒色帯になっておりその違いで区別できます・・・いずれにしろ海の中では見事な群れでスイスイ泳ぎ回っている綺麗なお魚さん達です。
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住処のイソギンチャクさんまで黒っぽいよ黒いクマノミさん! 小笠原

  • 体色には地域変異があるスズキ目スズメダイ科クマノミ属のクマノミさんなのですがあいかわらず小笠原に住んでいるクマノミんさんは見事なほど黒いクマノミさんです・・・通常のクマノミさんは背側が黒く腹側が橙黄色で黒い部分は成長とともに拡大していきますが吻は橙から桃色で体には2本の白い横縞があり1本は眼の後方にもう1本は肛門の上にあります・・・それから背鰭は橙黄色で尾柄は白く尾鰭は三角形に近く雄は橙色ですが雌は白色になっているのが普通なのですが何故か小笠原に居るクマノミさんはみんな白い帯以外は黒いのです・・・小笠原のどのポイントに行ってもクマノミさんは黒いのです・・・だからクマノミさんには申し訳ないのですが小笠原以外のエリアのクマノミさんと比較してどうしても写真映えしないのです。
  • でも小笠原の黒いクマノミさんでも稚魚だけは橙黄色の体に白い横縞を持つそうなのでぜひ見てみたいものです・・・実は写真のクマノミさんの左側の白い岩の所には付いている黒いつぶつぶはクマノミさんの卵で写真ではわからにと思いますがよくみると目の様なものが見えます・・・という事はもうすぐハッチアウトという事ではないでしょうか?・・・写真の卵たちからワーッと生まれ出た黄色い稚魚達が泳ぎ回るところをぜひ見てみたいものです・・・黒い親たちの周りを黄色いおちびさん達が泳ぎ回るのを想像するにきっと可愛い限りではないでしょうか?・・・きっとこの黒いクマノミさん達もおちびさん達に会えることを楽しみに目つき鋭く危ないやつはいないか?危ないやつは齧ってやる!とでも言いたげな表情で一所懸命守ているのでしょう!
  • 話は変わりますが日本では6種類のクマノミさんが見られます・・・まずはオレンジの体に3本の白い帯が走っている様子がチャーミングなカクレクマノミさんですがハタゴイソギンチャクさんやセンジュイソギンチャクさんと共生しています・・・白帯が2本で黒っぽい体をしているものが多いクマノミさんはサンゴイソギンチャクさんやジュズダマイソギンチャクさんやシライトイソギンチャクさんなど様々なイソギンチャクさんと共生しています・・・それからトマトの様な濃いオレンジの体に鰓の付近にある白帯1本のみの姿ですが赤ちゃんの時には2本~3本の白帯があるハマクマノミさんはタマイタダキイソギンチャクさんに共生しています・・・薄ピンクの体が可愛く鰓付近と背中の白帯が特徴的で花びらのように見えるハナビラクマノミさんはシライトイソギンチャクさんがお気に入りの様です・・・そしてハマクマノミさんほどではないですが鮮やかなオレンジ色の体に白帯は背中に走るだけのセジロクマノミさんはハナビラクマノミさんによく似ていますが色合いと鰓付近に白帯がないのが特徴でシライトイソギンチャクさんやアラビアハタゴイソギンチャクさんに共生しています・・・最後に成熟すると黒い体に赤い顔をしていて背中の模様を上から見るとハート形に見えるトウアカクマノミさんは砂地にしか生息しないイボハタゴイソギンチャクさんに共生しています。

鋭い眼で睨みながら大事な卵を守るクマノミさん! 

  • 今年もいましたいました!小笠原の青い海に私を睨んでいる真っ黒なクマノミさんがいました・・・スズキ目スズメダイ科クマノミ属のクマノミさんは縦に太い白色のラインが特徴で背鰭付近は黒くお腹付近は黄色っぽいオレンジ色の発色をしていますが小笠原諸島で見られるクマノミさんは何故か写真の様に妙に黒っぽいのです・・・本当にいつも見るオレンジ色のクマノミさんと同じ種類のクマノミさんなのでしょうか?・・・もしかしたら新種のクマノミさんではないのでしょうか?・・・まあその話はさておき黒いクマノミさんの手前に赤いつぶつぶが見えると思いますがこれはクマノミさんの卵なんです・・・当然と言えば当然ですがクマノミさんの顔が怖いのは大事な卵を守っているからですね。
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  • クマノミさんはイソギンチャクさんの触手を布団代わりにして気持ちよさそうですがこのクマノミさんとイソギンチャクさんは共生関係にあります・・・ご存じの通りイソギンチャクさんの触手には毒があって触れた生きものはその毒で麻痺して動けなくなったところを食べられてしまいます・・・でもクマノミさんは触手に触れても毒に耐性があるので大丈夫なんです・・・だからクマノミさんはイソギンチャクさんと一緒にいる事で外敵から守ってもらえるのですがそれだけでなくイソギンチャクさんの近くをクマノミさんが泳ぐことで新鮮な海水をイソギンチャクさんに送りこんでいるのです・・・その新鮮な海水のおかげでイソギンチャクさんは元気に生きることができるのでお互い役に立っているという事です・・・そんなクマノミさんにも好き嫌いがあるようでカクレクマノミさんはハタゴイソギンチャクさんかセンジュイソギンチャクさんが好きなようです・・・クマノミさんは好きなイソギンチャクさんの幅は広い様ですがサンゴイソギンチャクさんとの組み合わせが一番の様です・・・ハマクマノミさんは好き嫌いが激しくタマイタダキイソギンチャクさんとしか共生しないそうです。
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  • クマノミさん達は最大でオスは10cmくらいメスは15cmくらいまで成長しますが体はずんぐりして平べったい形をしていて胸鰭をパタパタさせながらイソギンチャクさんの森を幸せそうに仲良く泳いでいます・・・この幸せそうなクマノミさん達の家庭状況はちょっと変わっていて生まれたときは実はみんな仮のオスなのです・・・そして群れの中で一番大きいクマノミさんがメスに性転換し群れの中で2番めに大きいクマノミさんがオスになります・・・つまりクマノミさんの家族はたくさんいますがメスが一匹オスが一匹しかおらずこの2匹だけが繁殖行動を行い子どもを残していくのです・・・そして残りの3番目に大きいクマノミさん以降は群れの中で仮のオスのままでメスにもオスにもならず繁殖行動も行わずのんびりと暮らしています・・・どこかのサル軍団の様に勢力爭いが起こらなくていいかもしれませんね・・・でもこの2匹のどちらか例えば一番大きかったメスが死んでしまったら群れの中で2番目に大きなオスのクマノミさんがメスに次に大きな仮のオスのクマノミさんがオスに性転換します・・・つまりクマノミさんは死ぬまで一夫一妻制なのです・・・お魚さん達の中では珍しいクマノミさんなのです。
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  • それからクマノミさんの体の色は地域変異があって通常は背側が黒く腹側が橙黄色で黒い部分は成長とともに拡大していきます・・・吻は橙から桃色で体には2本の白い横縞があり1本は眼の後方にもう1本は肛門の上にあり背鰭は橙黄色で尾柄は白く尾鰭は三角形に近くオスは橙色でメスは白色になっています・・・でもこの写真の様に小笠原のクマノミさんは何故か全身真っ黒なのです・・・もしかしたら違う種類なのかもしれませんね?・・・でも小笠原のクマノミさんもちっちゃい時は黒くなく橙黄色の体に白い横縞で他のエリアのクマノミさんの様にイソギンチャクさんの森の中でちょこちょこしています・・・やはり同じ種類のクマノミさんなのでしょうか?・・・さすが小笠原ですね独自の進化を果たしているのでしょうか?

いつも暗がりで控えめなクロオビマツカサさん! 小笠原 

  • ちょっと一部しか見えませんが右下のダイバーが泡をぶくぶく吐いているそんな明るい海の中でもちょっと岩陰を覗いてみるといろいろなお魚さんが隠れています・・・岩陰でよく群れで見かけるのがキンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属のクロオビマツカサさんとその仲間です・・・いつも暗いところで群れを作っている控えめなお魚さんなのですが鰓の後ろの黒い帯がクロオビマツカサさんの特徴でそこにちょっとした個性の主張を感じさせられます・・・ところでクロオビマツカサさんは同じキンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属のウロコマツカサさんとよく似ています・・・でもクロオビマツカサさんには尾鰭・尻鰭に黒い点がありませんがウロコマツカサさんははっきりとした赤と白の体色に尾鰭・尻鰭・背鰭の端に黒い斑点があるのでそこで区別できます。
  • ちなみにイットウダイ科のお魚さん達は世界で8属約80種が知られていて日本には6属40種が暮らしていますが日本にいないヤスリエビス属とノボリエビス属のお魚さんは何れも大西洋で暮らしています・・・イットウダイ科の多くの種類が浅海の岩礁域やサンゴ礁に住んでいて昼間は岩陰に群れて隠れていますが夜は単独で活発に活動するものが多いようです・・・またエビスダイ属は他の属たちとは違い浅海では無くやや深海で暮らしています・・・イットウダイ科のアカマツカサ属にはアカマツカサさん・ウロコマツカサさん・キビレマツカサさん・ツマグロマツカサさん・クロオビマツカサさん・ヨゴレマツカサさん等がいますがこれらのお魚さん達は同定がかなり難しいのです・・・アカマツカサ属のお魚さん達は胸鰭腋部と下顎の先端にそれぞれの特徴がありますがやっぱり私には区別が難しいです。

クロオビマツカサさんのへの字眉毛って愛嬌を感じます!

  • 大きな目に鰓蓋膜と主鰓蓋骨に暗色域が帯のようにつながって眉毛のように見えるのはキンメダイ目イットウダイ科のクロオビマツカサさんですね・・・体長は15cm程度で体は側扁していて下顎の先は上顎よりも突き出ていて他の同属のものに比べると鱗は小さくなっています・・・体の色は薄い赤色で一見してアカマツカサさんとよく似ていますがアカマツカサさんは黒色帯が繋がっていないことや体の色も鮮やかな赤色であるなどの違いがあります・・・またウロコマツカサさんやナミマツカサさんなどにもよく似ていますがウロコマツカサさんの尾びれ上下両葉の端や背びれやしりびれの端は黒っぽくなっていて体の色は薄い赤色をしていますが白っぽく見えることもあります・・・またナミマツカサさんは胸びれ腋部には小さな鱗があり鱗の大きさなどで見分けることができるとされていますが個体差などもあり外見だけで判別するのは難しいです・・・それにしてもへの字眉毛の様で愛嬌がありますよね。
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  • クロオビマツカサさんが属するイットウダイ科は8属からなりアカマツカサ亜科とイットウダイ亜科の2亜科に分けることができます・・・アカマツカサ亜科の魚種は前鰓蓋に長大な棘がないことなどが特徴でイットウダイ亜科の魚種は前鰓蓋骨の隅角部に長大な棘があることが特徴になっています・・・世界で8属約80種が知られ日本には6属40種が暮らしていて多くの種類が浅海の岩礁域やサンゴ礁にすみ夜活発に活動するものが多いようです。

群れない!貫禄ある孤高のクロヒラアジさん? 小笠原

  • 遠くを悠々と泳いでいく横縞のあるお魚さんはスズキ目アジ科ヨロイアジ属のクロヒラアジさんではないでしょうか?・・・クロヒラアジさんは比較的大型の種で最大で全長70cm程度まで成長するそうですが遠くなので何とも言えませんがこの写真のクロヒラアジさんもなかなかの体格をしている様です・・・クロヒラアジさんは側偏した楕円形で背側が腹側よりもややふくらんだ体型で頭部は丸みを帯びております・・・クロヒラアジさんの唇はかなり厚くなっていて憮然とした表情をに見えますが分離した二つの背鰭の第二背鰭はしばしば鎌状になっています・・・クロヒラアジさんの両顎は前方にかなり突き出すことができ両顎には絨毛状歯からなる幅の狭い歯列がありますが加齢とともに退化していくそうです・・・お魚さんも人間と一緒で歯は老化していくんですね!大切にしないといけませんね・・・クロヒラアジさんの体色は背部は青緑色から黄緑色で腹部は銀色をしており成魚には5本から8本の暗い垂直な横帯が入り中央の横縞はくの字型に折れ曲がっています・・・尾鰭は黄緑色で後端と頂端は暗い色で腹鰭は透明か少し白味がかっています・・・沿岸域の水深60mほどの岩礁やサンゴ礁などでみられますが外洋性であり遊泳力が高く小さな群れを作っています・・・産卵は7月から11月までの間に始まると推定されていて幼魚は時として大型の浮遊性クラゲの触手を隠れ家とすることが知られています。

誰の卵ですか?コイボウミウシさん! 

  • サンゴの辺りをウニョウニョと動いているのは裸鰓目イボウミウシ科コイボウミウシ属のコイボウミウシさんではないでしょうか?・・・コイボウミウシさんの身体の地色は黒色で背面にはピンク色や灰色や緑がかったツブツブのイボ状突起が多数あります・・・このイボ状突起は数個が集まり1つの塊となりますがその形は個体によって様々違っています・・・コイボウミウシさんは色合い的に派手さが無くよく見かけるのでスルーされがちですが結構可愛いウミウシさんなのです・・・よく似ているウミウシさんにツブツブコイボウミウシさんやアミメイボウミウシさんやパイペックイボウミウシさん等がいますが区別がなかなか難しいですね。
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  • 体長70mmに達するコイボウミウシさんは見た目と名前がかなり似ているのにツブツブコイボウミウシとは属が違っていてコイボウミウシさんはコイボウミウシ属でツブツブコイボウミウシさんはアデヤカイボウミウシ属になります・・・本当に見た目がかなり似ていて判別が難しいのですがコイボウミウシさんの触角は全体が黒くツブツブコイボウミウシさんの触角は黒い部分は上部後方のみになっています・・・どちらか分からない時は触角に注目して触角にピントが合うように撮影すると区別できます・・・残念ながら上の写真も下の写真もボケてしまって触角が明確になっていません・・・また触覚が出ていない時に撮影したりしても当然ながら区別が難しくなりますのでそこの所に注目して注意して撮影しないと駄目ですね!すみません。
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  • コイボウミウシさんに似ている裸鰓目イボウミウシ科アデヤカイボウミウシ属のアミメイボウミウシさんは触角の前方がピンク色で先と後方が黒くなっています・・・アミメイボウミウシさんは背中に縦線が2本あって更に不規則な方向に線が入っていて名前の通り網目模様の様になっています・・・また裸鰓目イボウミウシ科アデヤカイボウミウシ属のパイペックイボウミウシさんの身体は地色がピンク色を帯びた灰色で背面正中線上にはイボ状突起が縦方向に並び融合し畝を形成しています・・・パイペックイボウミウシさんのイボ状突起の先端は白色でその両脇に黒色の縦線が入りこの黒色の縦線から外套周縁に向けて黒色の線が放射状に入っています・・・パイペックイボウミウシさんの触角は黒色で基部と前部がピンク色を帯びた灰色で全長は85mmに達します。
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  • ウミウシさんは雄と雌の両方の機能が存在する同時的雌雄同体の動物で両性生殖腺というひとつの器官で精子と卵の両方をいっぺんに作ることができます・・・でも両性生殖腺にある頃の精子はまだ活性化されておらず自家受精はしない仕組みになっています・・・だからウミウシさんも配偶相手に出会わなければ繁殖はできないようになっているのです・・・でも同時的雌雄同体であることのメリットは2匹が出逢えば必ず交尾できるということです・・・ウミウシさんはナメクジさん同様這い跡にぬらぬらした粘液を残しますが粘液の中にはそのウミウシ参加特有の成分が含まれています・・・ウミウシさんは他種のウミウシさんが分泌するフェロモンの成分には反応しませんが同種のウミウシさんが分泌するフェロモンの成分には強く反応し這い跡を追いかけていくのです・・・下の写真の赤いバラの様な卵塊はミカドウミウシさんの卵でしょうか?
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正面から見るとサングラスをかけてるみたいコガネヤッコさん!小笠原

  • サンゴの隙間に隠れているスズキ目キキンチャクダイ科アブラヤッコ属のコガネヤッコさんは見ての通り綺麗な身体をしているので写真を撮りたいと思うのですがとても臆病なのでなかなか隙間から出てくれません・・・危ないことは無いので少しだけでいいから出てきてくれない?と心の中で祈るのですがコガネヤッコさんには私の気持ちは通じません・・・サンゴの隙間の隠れ場所でチョロチョロ動き回っているコガネヤッコさんの体長は7cmほどで小笠原諸島ではよく見かけますが西〜中部太平洋に生息しているヤッコさん達です・・・たまに隙間でじっとこちらの様子を伺っていることがあるのでチャンス到来とシャッターを押すその瞬間にコガネヤッコさんはサッと翻って動いてしまいます・・・結果として尾鰭だけが写っていたりボケボケだったりでなかなかいい表情のコガネヤッコさんを撮ることができないのです。
  • コガネヤッコさんにとっては私がシャッタを押すその指の動きさえも脅威に感じるということなのでしょうか?・・・やはり水の中では圧を感じやすいからなのか人間と違ってちょっとした動きにもお魚さん達は即反応してきます・・・ですから私もとにかく動きはゆっくりと慎重にしているのですがそのレベルをもっと上げないといけないですね・・・見ての通りコガネヤッコさんの体色は鮮やかなレモンイエローで美しく眼の周縁は青く縁取られ鰓蓋後端も青く目立っていてそのコントラストには気品があり貴婦人を連想させます・・・またコガネヤッコさんの幼魚の頃は体側にも青く縁取られた目玉模様があるそうでまだ私は見たことが無いのですがきっと綺麗なのでしょう・・・この眼玉模様は成長につれて消えていきますので写真のコガネヤッコさん達はもう大人になっているという事になります。
  • コガネヤッコさんの英名はレモンピールエンゼルさんと言いlemonpeelはレモンの皮という意味になりますが身体の色だけでなく体形もレモンに似ていると思いませんか?・・・想像するに青いアイシャドウの目が付いたレモンが海の中を自由に泳いでいる様子は楽しそうで可愛いです・・・ヤッコさんの中には20cm以上に育つタテジマキンチャクダイさんやサザナミヤッコさんなどの大型の種類も存在しますがコガネヤッコさんは小型のヤッコさんでサンゴを食べるという特徴を持っています・・・下の写真のコガネヤッコさんが私の方を向いてくれましたが正面から見るとコガネヤッコさんはコバルトブルーの派手なサングラスをしているように見えます・・・別れ際にサンゴの隙間からコガネヤッコさんが折角出てきてくれたのですが残念ながらピントが合わずボケボケになってしまいました。

十字を背負うのはコガネヤッコさん?もしかしてシテンヤッコさん? 

  • 岩陰でちょこまか動き回っているレモンイエローの綺麗なお魚さんが居ましたので撮影してみました・・・最初は身体の色が鮮やかな黄色で頭頂部に黒色小斑?のようなものがあるのでスズキ目キンチャクダイ科シテンヤッコ属のシテンヤッコさんまたはシテンヤッコさんの幼魚かと思いました・・・でもシテンヤッコさんは鰓蓋後方にも茶色小斑があり口の周辺は紫色で臀鰭は上方が黄色ないし淡色で下部は黒色なのです・・・シテンヤッコさんの幼魚の体色も黄色で背鰭基部付近に黒色斑と眼を通る帯がありますからこの写真のお魚さんはちょっと違いますね・・・身体の色合いから見てスズキ目キンチャクダイ科アブラヤッコ属のコガネヤッコサンですかね?・・・でも頭頂部に模様がありますし・・・?
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  • コガネヤッコさんの身体の色は鮮やかな黄色で眼の周縁は青く縁取られ鰓蓋後端も青色になっていますから確かにコガネヤッコさんの特徴をこのお魚さんは持っています・・・ちなみにコガネヤッコさんの幼魚の頃は体の中央に青く縁どられた丸い黒斑がありますが徐々に消えていきます・・・それにしても見た目は確かにコガネヤッコさんなのですが頭頂部の模様はいったい何でしょうか?・・・まるで十字架を背負っている様なお洒落な模様は?・・・まさか新種なのでしょうか?・・・あれ?もしかしたらこの十字の模様は海藻が写ってるだけ?・・・確かに背景の岩に生えている海藻が写りこんでいるようにも見えるけど違うような気もします・・・もしこれが海藻であればGoodタイミングでしたね!・・・これが模様だとしてもコガネヤッコさんに間違いないですかね?
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  • 小さなおちびさんがのんびりと泳いでいましたが誰のおちびさんなのでしょうか?・・・黄色い身体が綺麗なスズキ目スズメダイ科ソラスズメダイ属のネッタイスズメダイのおちびさんでしょうか?・・・ネッタイスズメダイさんであれば体長は8cm程度で体型はスズメダイ科の魚として一般的な楕円形で強く側扁していて吻は短く口も小さくなっています・・・ネッタイスズメダイさんの尾鰭は浅く湾入していて背鰭と尻鰭の後方が尖り気味なのも特徴で体色が鮮やかな黄色で英語ではLemon Damsel(レモンダムゼル)と呼ばれています・・・写真のおちびさんは色は綺麗なレモンイエローですがどうも鰭の形が違いますね?・・・鰭の形からするとチョウチョウウオの仲間のような気もしますがあなたはいったい誰なの?
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  • 黄色いスズメダイさんにはネッタイスズメダイさんの他にヤマブキスズメダイさんという方もいらっしゃいますがヤマブキスズメダイさんは体高がスマートで尾鰭がほとんど黄色になっている事で判別できます・・・スズメダイ科は世界の熱帯海域に分布し300種以上が確認されているグループでサンゴ礁へ潜ればどこでも様々な種類のスズメダイさんの仲間が群れをなしています・・・イソギンチャクと共生することで有名なクマノミ類もスズメダイ科に含まれており鮮やかな体色を持つ種が多いのが特徴です・・・それにしてもレモンイエローのおちびさんあなたはいったい誰なんですか?・・・おそらく黄色の体色と目の周りの青いフチが特徴の可愛いコガネヤッコさんだと思うのですがいかがでしょうか?・・・話は全く変わりますが世の中は常に不確実なもので人生は予測不可能で挑戦的な状況は常に起こります・・・そんな不確実なこの世界で生き延びていくには固執せず柔軟性を持ち不確実性を新たな課題として挑戦する事が大切です・・・そして一人で抱え込まずコミュニケーションをとり適切な休息をとる事も忘れないことです・・・不確実性は人生の一部として前向きに捉えてみる要は自分の考え方次第で人生は変わるという事でしょうか?

コクハンアラさんには2つの顔がある? 小笠原

  • ドロップオフ状態の壁を下唇をグッと出してこちらの様子を伺いながら悠々と泳いでいるのはスズキ目ハタ科スジアラ属のコクハンアラさんでしょうか?・・・なかなか貫禄のある姿ですがコクハンアラさんの全長は80~125cmに達する細長く頑丈な体をしています・・・コクハンアラさんの前鰓蓋骨は大部分が丸みを帯びており下部には3本の大きな下向きの棘があります・・・また背鰭の棘条部は軟条部よりも短く尾鰭が截形になっているのも特徴になっていますが確かに尾鰭は多くのハタ科の仲間と違って丸くないです・・・コクハンアラさんは二種類の体色が知られており1つは幼魚と同じで白色に黒い鞍型模様が入り尾柄と鰭が黄色いものともう1つは灰色がかった体色に背中に沿って5つの暗い鞍型模様が入り頭部は暗色で体に小さな青い斑点が入るものです・・・2つの顔を持つコクハンアラさんですがこの写真のハタさんは灰色がかった体色に背中に沿って5つの暗い鞍型模様が入っているコクハンアラさんの様ですが如何でしょうか?
  • コクハンアラさんは全長20cm未満の幼魚の頃は体色が有毒なシマキンチャクフグさんに似ていて擬態していると考えられていますが成魚になっても体色が変化しない場合もあるのでその役割には疑問もあるようです・・・ちなみにスジアラさんの体は細長く頑強で前鰓蓋骨は大部分が丸みを帯びており下部には下向きの大きな3本の棘があって背鰭棘条部は軟条部よりも短いところはコクハンアラさんとよく似ています・・・またスジアラさんの尾鰭は弱く湾入し胸鰭は淡色で体色はオリーブグリーンまたは赤褐色からオレンジ色で上半身には明るい青色の斑点が規則的に入り目の周りには青い輪があります・・・それからスジアラさんは素早く体色を変えることができ狩りの際にはしばしば斑模様になるそうです・・・姿形はスジアラさんにも似ていますがその他の特徴からこの写真のハタさんはコクハンアラさんだと思います。

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