鬼の角みたいな第一背鰭のムスメハギさん! 小笠原
- 私の近くをチョロチョロしているのはフグ目モンガラカワハギ科メガネハギ属のムスメハギさんです・・・ムスメハギさんは熱帯域の水深50m以浅の海に生息していて体色は灰褐色で体長は最大で約25cm程度になります・・・ムスメハギさんは岩場やサンゴの隙間に身を隠しながらウニ類・甲殻類・ゴカイ類・貝類などを食べる雑食性です・・・ムスメハギさんは第一背鰭から目を通り胸鰭にかけ黄色いブーメラン状の模様がありその後方にも同じような弧状帯があります・・・ムスメハギさんのオスとメスでは体色が異なりオスは頭部や尾部が青紫色で背鰭が黄色いのに対してメスは体色が緑色がかった青色で背鰭の色がオレンジ色や黄色をしています・・・ペアで生活することが多いのですが性格は非常に攻撃的で他の魚に対して威嚇行動をとることもありまたオスは縄張りを守るために縄張り内に侵入した他のオスやメスに対して頭を突き合わせるようにして戦うこともあります。

- モンガラカワハギ科は少なくとも11属約40種がいて世界中の温暖な海に広く分布していてほとんどの種類は沿岸の浅い海で生活しています・・・モンガラカワハギ科の仲間は左右に平たく著しく側扁し一般に体高は高く卵型をしています・・・モンガラカワハギ科は鮮やかな色彩をもつものが多く通常は第2背鰭と臀鰭を波打たせるようにしてゆっくりと遊泳していますが捕食・回避行動時には尾部を使って素早く突進していきます・・・一般に昼行性で硬い殻をもつ貝類や棘皮動物などを含めたさまざまなものを食べますが歯の形状は獲物をかじりとるよりも噛み砕くことに適応しています・・・また左右の眼球を別々に回転させることができ背鰭の棘条は3本で2本しかもたないカワハギ科との明瞭な鑑別点となります・・・モンガラカワハギ科の魚類の多くは卵を保護する習性をもち砂地の海底にすり鉢状の巣を作り1回の繁殖でおよそ10万個の沈性卵を産みます・・・1日ほどで孵化するのですが親魚は巣を外敵から守るとともに卵に新鮮な海水を送り込むなど甲斐甲斐しく世話をします・・・この時期の親魚は非常に攻撃的で近づいた人間も襲われて怪我をすることがあります。

ムスメハギさんって名前は可愛いんだけどねえ・・・? 小笠原
- ムスメハギさんはフグ目モンガラカワハギ科のなかでもひときわ小さい種類で大きくても10~15 cm程度しかありません・・・モンガラカワハギさんって言う名前が出てくるとどうしても大きくて狂暴なイメージがありますがムスメハギさんは小さな体と灰色〜薄茶色の白っぽい色が娘を連想させるかわいいお魚さんです・・・ムスメハギさんは眼とその後方を縦断するように三日月型の褐色斑がありますが小さい時はより黄色がかっていてなんとも可憐な感じがします・・・でも繁殖期になると非常に好戦的になり近くを泳ぐだけでフィンなどに噛みついたり体当たりするようになるそうです・・・まさにモンガラカワハギさんみたいです。

- ちなみにモンガラカワハギ科は約40種がおり沿岸の浅い海で生活し鮮やかな色彩をもつ仲間が多く通常はゆっくりと遊泳していますが捕食・回避行動時には尾部を使って素早く突進してきます・・・歯の形状は獲物をかじりとるよりも噛み砕くことに適しています・・・モンガラカワハギ科の多くは卵を保護する習性をもちこの時期の親魚は非常に攻撃的で近づいた人間も襲われて怪我をすることがありますから気を付けましょう・・・モンガラカワハギ科の仲間は左右に平たく著しく側扁し一般に体高は高く卵型をしています・・・モンガラカワハギ科に共通する特徴として上顎を突き出すことはできませんが左右の眼球を別々に回転させることができます・・・仲間にはイソモンガラさん・ソロイモンガラさん・ナメモンガラさん・ムラサメモンガラさん・ゴマモンガラさんなどがいます。
もしかしてメタボリック?太り気味のムチカラマツエビさん!

- テナガエビ科キサンゴカクレエビ属のムチカラマツエビさんはムチカラマツさんやバネの様にぐるぐると捻じれた形のネジレカラマツさんと一緒に暮らすエビさんです・・・ムチカラマツエビさんの身体はズングリムックリポッチャリしていてエビさんの中ではかなりメタボリックな体形をしていますが健康的には大丈夫なのでしょうか?・・・もしかしてムチカラマツさんから離れる事無くのんびり暮らしているので運動不足になってしまいこの様なメタボリック体形になってしまったのでしょうか?・・・確かに運動不足は良くないことですがムチカラマツエビさんにとっては失礼な話で潮の流れでゆらゆら揺れているムチカラマツさんから飛ばされてしまわないようにがっしりとしがみついているムチカラマツエビさんが運動不足である訳が無いですよね・・・ムチカラマツエビさんは灰色や褐色味を帯びた透明の地色に5本の横帯が走りその色は手足と同じ色になっていてムチカラマツさんをしっかりとホールドしています。

- 私がよく見かけるムチカラマツエビさんは灰色の身体だったのですが上記のムチカラマツエビさんは褐色みを帯びています・・・ムチカラマツエビさんはその名の通りムチカラマツ類の幹にヒシっとしがみつき暮らしていますが体の色は宿主の色に合わせて固体変異をしますのでそれぞれのムチカラマツさんに見事に溶け込んで上手に共生しています・・・ムチカラマツエビさんは他のエビさんと違って突起が一切なく1cmくらいの大きさでよくガラスハゼさんと一緒にいるところを見かけます・・・それからムチカラマツエビさんに酷似したキミシグレカクレエビさんというエビさんもいますがキミシグレカクレエビさんの体色は透明で黄色または白色の斑点からなる横帯が複数ありこれもまた身体の色を宿主に合わせて変異させます・・・キミシグレカクレエビさんは頭胸甲上に板状の突起が2つ大きく突出していることでムチカラマツエビさんと区別できますがキミシグレカクレエビさんはムチカラマツエビさんに比べて個体数が非常に少なくまだ私は拝見したことがございません。

- ムチカラマツエビさんが楽しく暮らしているムチカラマツさんはサンゴ礁のある潮通しの良い岩盤上に生息していてムチカラマツさんの細長い体の表面にはポリプがたくさんあって流れてくるプランクトンを捕食して生きています・・・ムチカラマツさんは径3~4mmで軸の長さは1~2メートルくらいの固い骨格を持たないサンゴの仲間になります・・・そんなムチカラマツさんにムチカラマツエビさんは見事にカモフラージュしていますのでムチカラマツエビさんを見慣れてないと目の前にいるのに「ん!どこだ?何処にいるの?居たと思ったのにまた見えなくなった!」ということがよくあります・・・慣れてくると見えるようになってきますが最初はなかなか見つけることができません・・・さすがムチカラマツエビさんムチカラマツの名前を伊達にもらってはいないですね。

- それとムチカラマツエビさんは他のエビさんの様に高速でシュッと移動することはありませんがかなり臆病な性格なのか写真を撮ろうとするとすぐにムチカラマツさんの反対側に隠れてしまいます・・・それに潮の流れでムチカラマツさん自体もユラユラユラユラと動き続けるので撮影するにはなかなか難儀なエビさんなのです・・・ムチカラマツエビさんはペアでいることも多いので中性浮力を取りながら諦めずじっくり探してみましょう・・・潜っている時いつも思うのですが「人間のように写真を撮る時はポーズを決めてくれると助かるのになあ!」ってすみません!人間のエゴですね反省です・・・でも下の写真のムチカラマツエビさんはちょっと古いですがピースポーズを決めてくれているようです・・・ムチカラマツエビさんお忙しいところありがとうございます。

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