『カワハギの仲間』総集編 diving-photo‐tsubuankun

Dive-photo まとめ 分類
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

フグ目は系統的に最も特化の進んだグループとして位置づけられていて特徴的な体つきをした仲間が多いです。典型的ないわゆる流線型をしている種は少なく極端に平たいカワハギ類、文字通り箱型をしているハコフグ類、丸っこい形のフグ類、さらには体長2mを超え尾鰭を失ったマンボウさんなど多様性に富んでいます。いずれも動きは遅く敏捷性に欠けるため外敵に対しては早く泳いで逃げることよりも硬い体・棘・大きく体を膨らませて威嚇するなどの方法で身を守っています。

綺麗な円らな瞳で何を想うのかアオサハギさんのおちびさんは? 柏島

  • 潜っていると時々目の前をヨチヨチ!ヨチヨチ!とぎこちなく横切る小さな丸いものが泳いでいることがありませんか?・・・ダイビング中にそんな小さな丸いものに気が付いたら一旦立ち止まってよく観察してみてください!・・・もしかしたらそれはカワハギさんの赤ちゃんだったりするかもしれません・・・この写真のお魚さんもまだ泳ぎに慣れていないのか頼りない動きで辺りをヨチヨチ動き回っている1cmにも満たないフグ目カワハギ科アオサハギ属のアオサハギさんの赤ちゃんでした・・・アオサハギさんの赤ちゃんは好奇心が旺盛なようで辺りを行ったり来たりしながら私の方に少しずつではありますが「何だろうこの大きなものは?」と興味津々で近づいて来ました・・・その頼りなく泳ぎ回る姿と真剣な眼付は愛らしい限りで思わずがんばれ!と応援したくなる健気さを感じました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • アオサハギさんの赤ちゃんの様にお魚さんのおちびさんは可愛い子が多いのに大きくなると不気味というのは失礼ですがごっつくなって厳つい風貌になるのは何故なんでしょうか?・・・やはり人生経験を積んで試練を乗り切って生き抜いてきたからこその風貌の変化なのでしょうか?・・・確かに大人になってもこの可愛さだと周りに威厳を保てないかもしれませんね?・・・アオサハギさんの赤ちゃんは水深の浅い岩礁や内湾などで海藻類やウミトサカ類やサンゴ類などのそばを着かず離れずでチョロチョロチョロと動き回っています・・・そんなアオサハギさんの赤ちゃんは眠る時には海藻やウミトサカやサンゴのポリプ等を口で咥えて流されないようにして眠るとのことです・・・一所懸命歯を食いしばって流されないようにして眠っている姿を想像するとたまりませんね。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • アオサハギさんの赤ちゃんは体の色を生息する周囲の色に似せているようで白ぽい色から黄色味の強いものまで幾つかのバリエーションがあります・・・確かに上下の写真では体の色が随分違いますね・・・アオサハギさんは他のカワハギさんの仲間と比べて体が丸みを帯びていて扁平したその体の側面には連続した点で作られた細い縦線が複数あります・・・アオサハギさんは成魚でも5〜6cmの小型種で各鰭は透明になっていて腹部が大きく膨らんでオスはお腹が青色になっています・・・体側に斑ら模様がある個体もいればそれが明確では無い個体もいたり顔には眼から放射状に伸びた線が見られたりする場合もあり様々です・・・このアオサハギさんのおちびさんの小さくって丸くってクリクリっとした綺麗なエメラルドグリーンの円らな瞳を見ていると末永く生き延びれるようにと陰ながら応援したくなります。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ウマズラハギさんが割り込んできてアカハタさんが仏頂面? 小笠原

  • フグ目カワハギ科に属するウマズラハギさんは体長25cmくらいで体型はカワハギさんに比べるとやや細長くなっています・・・このウマヅラハギさんはカメラ好きなのか写真を撮ってもらおうと無理やりフレーム枠に入ってきましたね・・・ピントもややウマズラハギさんに合ってますしアカハタさんが迷惑そうです・・・ウマヅラハギさんの体の色はやや薄い青灰色ですが個体差がありヒレは緑青色で写真では棘は折りたたんでいますが後頭部に一本の大きなトゲがあります・・・顔面は長く馬の顔を連想させることからウマヅラハギさんの名前になりましたが皮膚がザラザラしているためヤスリウオさんの別名もあります・・・アカハタさんもウマヅラハギさんが無理やりすり寄って来たのでザラザラが痛くて避けたのかもしれませんね・・・ウマヅラハギさんはカワハギさんよりやや沖合の深場で暮らしていて海底から中間層を群れで泳いでいます・・・雑食性でなんでも食べますが特にクラゲさんが好物でエチゼンクラゲさんなどの巨大クラゲさんを集団で襲い強力な歯で剥ぎ取って食べてしまいます・・・クラゲさんも平和にユラユラユラと浮かんでいたのにウマズラハギさん達が集団で襲ってきて咬みちぎられるなんて不幸ですしあまりその場面は想像したくないですね。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • カワハギ科はフグ目に所属していますが27属もありカワハギさんやウスバハギさんなどを中心に約110種が世界中の熱帯から亜熱帯域で暮らしています・・・体はモンガラカワハギさんのように強く側扁したひし形で不規則な模様のある種が多いのですがヒレは柔らかく胸ビレは小さく尾ビレは扇形をしています・・・背ビレ棘の1本目は非常に強く収納することが可能ですが2本目の背ビレ棘は埋没しているか非常に小さく1本目の支えとなると考えられています・・・眼は比較的上方に位置していて口は小さく先細りの尖った吻部の先に位置しています・・・カワハギさん達の口はおちょぼ口なのですが上下の顎に鋭い歯があって獲物を嚙みちぎります・・・鱗は小さく棘のようになっているため鱗が無いようにも見えます・・・鰓穴は小さく腰骨が発達しており他の骨と連動させ動かすことができ腰骨と背鰭を立てて岩の隙間に挟まり捕食者から逃れることができるそうです・・・カワハギさんが上手に岩の隙間に挟まっているところを想像すると面白いですね・・・カワハギさん達のほとんどの種が全長60cm以下なのですがソウシハギさんは1mを超えるそうです。

カワハギさんの赤ちゃんが僕をいじめないでねって! 柏島

  • シダの陰に隠れながらかなり怖がっているのはフグ目カワハギ科カワハギ属のカワハギさんの赤ちゃんですが過去に何かトラウマになるような事でもあったのでしょうか?・・・もしかしたら最近大きな大きなダイバーが知らない内に小さな小さなカワハギさんの赤ちゃんを驚かしたのかもしれないですね・・・でもカワハギさんの赤ちゃんの眼を見てみると怖いとは思いながらも私の事がちょっと気になるのかチラチラチラチラとこちらの状況を伺っている好奇心旺盛でかわいい表情をしています・・・子供の頃はこんなに小さくてかわいいカワハギさんの赤ちゃんなのに大人になると最大30cmほどにまで成長し身体はひし形で平たく背鰭の第1条と腹鰭は太く短い棘になって勇ましく成長します・・・カワハギさんのオスとメスの違いなのですがオスの背鰭の第2軟条は糸状に細く伸びるのが特徴なのでここでメスと区別できます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • カワハギさんの赤ちゃんは体の色が青灰色や褐色で個体によって淡いまだら模様や黒っぽい縦縞が入ることがありますが写真のカワハギさんは褐色でまだら模様の赤ちゃんですが臆病そうな眼と小さなおちょぼ口がいい表情を醸し出しています・・・それにしても小さな小さな胸鰭も可愛いですよね!・・・カワハギさんは全身が丈夫でざらざらした皮膚で覆われていますがこの皮膚は料理の時にすぐに剥がせることからカワハギという和名が付いたそうですが別名は「ハゲ」「バクチ」などと呼ばれています・・・カワハギさんは口は小さいのですが中にはペンチの様な頑丈な歯があり食性は肉食性で貝類やウニや甲殻類など様々な小動物を餌とします・・・口に水を含んで砂地に勢いよく吹きつけ砂に潜った生物を巻き上げ殻に覆われたカニさんや貝類なども頑丈な歯で殻を噛み砕いて食べてしまいます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • またエチゼンクラゲさんを集団で襲うことも観察されており砂中に生息するものよりクラゲさんはユラユラのんびりと泳いでいるので捕食しやすからなのかクラゲさんを好むことも確かめられています・・・しかしカワハギさん達がクラゲさんを集団で襲うなんて想像するとちょっと怖いですね・・・クラゲさんにとってはどうしようもない悲劇です!・・・そんなカワハギさんの赤ちゃんですが最初はシダの陰からなかなか出てこなかったものの少しずつ慣れてきたのか?それとも好奇心に勝てなかったのか?よくわかりませんが勇気を出してシダの陰から出てきました・・・カワハギさんの赤ちゃんも生き抜くためには無謀はいけませんがチャレンジすることは大切です・・・臆病なだけで何もしないのでは成長できませんものね。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • カワハギさんは砂底と岩礁が混じるような環境で暮らしていて昼によく活動していますがカワハギさんの赤ちゃんは夜になると海藻などを口にくわえて流されないように掴まって眠る習性があるそうです・・・このカワハギさんの赤ちゃんもこの小さな口で海藻をしっかり咥えて寝てる間に流されない様に一生懸命頑張っているのかと思うと微笑ましくて可愛いです・・・でもこの写真のカワハギさんの赤ちゃんはちょっと自信無げで始終うつむき加減ですのでもしかしたらかなり臆病なカワハギ君かもしれません・・・そんなカワハギさんの赤ちゃんですが頑張って砂地に勢いよくフン!と吹きつけ砂に潜った生物をいっぱい食べて早く大きくなってください・・・生存競争を生き抜くためには臆病なだけ可愛いだけではだめですからね!
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ムスメハギさんって名前は可愛いんだけどねえ・・・? 小笠原

  • ムスメハギさんはフグ目モンガラカワハギ科のなかでもひときわ小さい種類で大きくても10~15 cm程度しかありません・・・モンガラカワハギさんって言う名前が出てくるとどうしても大きくて狂暴なイメージがありますがムスメハギさんは小さな体と灰色〜薄茶色の白っぽい色が娘を連想させるかわいいお魚さんです・・・ムスメハギさんは眼とその後方を縦断するように三日月型の褐色斑がありますが小さい時はより黄色がかっていてなんとも可憐な感じがします・・・でも繁殖期になると非常に好戦的になり近くを泳ぐだけでフィンなどに噛みついたり体当たりするようになるそうです・・・まさにモンガラカワハギさんみたいです。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • ちなみにモンガラカワハギ科は約40種がおり沿岸の浅い海で生活し鮮やかな色彩をもつ仲間が多く通常はゆっくりと遊泳していますが捕食・回避行動時には尾部を使って素早く突進してきます・・・歯の形状は獲物をかじりとるよりも噛み砕くことに適しています・・・モンガラカワハギ科の多くは卵を保護する習性をもちこの時期の親魚は非常に攻撃的で近づいた人間も襲われて怪我をすることがありますから気を付けましょう・・・モンガラカワハギ科の仲間は左右に平たく著しく側扁し一般に体高は高く卵型をしています・・・モンガラカワハギ科に共通する特徴として上顎を突き出すことはできませんが左右の眼球を別々に回転させることができます・・・仲間にはイソモンガラさん・ソロイモンガラさん・ナメモンガラさん・ムラサメモンガラさん・ゴマモンガラさんなどがいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました