装いが何とも和風で風流な印象のサラサエビさん! 柏島
- サラサエビ科サラサエビ属のサラサエビさんは水深5~20メートルの浅い岩場の陰でよく見かける小さなエビさんですが半透明の体に赤い幾何学模様の様な縞々が走りその縞々の間には小さな白い水玉模様が施された可愛いエビさんです・・・サラサエビさんは他のお魚さんに着いた寄生虫などを食べている海のクリーナーさんと呼ばれるお医者さんでウツボさん等の身体や口の中に入って一生懸命お掃除をしています・・・クリーナーであるサラサエビさんは大きなお魚さんにとってはお医者さんなので美味しそうに見えますが食べられることはありません・・・サラサエビさんは昼は岩の隙間などにこっそりと隠れていますが夜になるとモゾモゾモゾモゾと岩の上へ這い出てきます・・・確かにあまり無防備にしているとサラサエビさんも間違って食べられてしまいそうですしね。

- サラサエビさんの額の角は細長く尖っていて脚は赤く眼は褐色で赤筋とは別に光を受けると青白く反射する部分があるそうですが光るのは尻尾の辺りでしょうか?・・・サラサエビさんの身体にある綺麗な模様を更紗模様に見立てたところから和名の由来になっていますが鮮やかな色をした綺麗なサラサエビさん達は数匹仲良くまとまっていることがよくあります・・・のんびりしているように思っていたサラサエビさんですがライトをちょっと当てただけで瞬間移動でもしたかのようにサッと奥のほうに隠れてしまいます・・・その動きの速さは意外と俊敏なサラサエビさんですがこちらがじっとしていると好奇心が沸き起こって来るのかすぐにまた興味を示してゴソゴソゴソゴソっと奥の方から出てくる可愛いエビさんなのです。

- 下の写真はサラサエビさんがガンガゼさんの影で3匹並んだ写真ですが行儀よく綺麗にそろってこちらを見ています・・・その仕草が可愛いサラサエビさんなのですが何か気になることでもあるのでしょうか?・・・ところでよく似たヤイトサラサエビさんっていう方がいますがサラサエビさんとの明確な判別ポイントは名前のヤイトに由来していて3番目の腰のように曲がったところの頂点に暗褐色の斑点がある事です・・・サラサエビさんと生息域が似ていますがヤイトサラサエビさんの方がやや深目に水深をとるようです・・・その他にスザクサラサエビさんっていう方もいますがサラサエビさんの体の色は赤一色ですがスザクサラサエビさんは赤い体色に白いラインが交差する珍しい模様をしています・・・スザクサラサエビさんの目に注目してみると色自体はエメラルドグリーンのような感じなのですがよく見てみるとモザイクがかったような目をしているのも特徴的です。

シロハナガサウミウシさんは雪のようにふわふわ? 柏島
- 柏島まで行くのは遠いのですが着いてしまえば港からポイントまではすぐ近くで船が出発したと思ったらもうそこはダイビングポイントというぐらいとっても楽な柏島です・・・柏島にはウミウシさんもたくさんいてて大きなものから小さなものまでまた色も形も様々でたいへん楽しいダイビングになると思います・・・カメラ派のダイバーがはまってしまうのもよくわかるユニークで綺麗で可愛いウミウシさんに会いに行きましょう・・・今回は裸鰓目ホクヨウウミウシ科シロハナガサウミウシ属のシロハナガサウミウシさんですが体の色は半透明の白色から橙色などの方達がいて変異に富んでいるようです・・・ちょっとわかりにくいかと思いますが背面には白色の網目模様が入っていて背側の突起は先端が2~3度分岐してたくさん生えています

- シロハナガサウミウシさんは潮の流れの緩やかな外海に面した湾などのサンゴ礁域に住んでいて体長は40mmくらいまで成長し口膜前縁・触角先端に細長い突起があります・・・シロハナガサウミウシさんは写真の様に白いふわふわした可愛いウミウシさんなのですがウミトサカさんの仲間にくっ付いてウミトサカさんを食べてしまうシロハナガサウミウシさんなのでウミトサカさんにとっては可愛くても恐怖の生物ですよね・・・ちなみに食べられてしまうウミトサカさんは水深20mより深い岩礁にいてソフトコーラルとも呼ばれ8本の触手を持ち多くのポリプが集まって高さ10~50cmくらいの群体を作ります・・・ウミトサカさんの色は紅色や黄色など色彩が豊かで美しく海の中で華やかに舞っていますがウミトサカさんは潮流の速いきれいな環境を好みます。

スケロクウミタケハゼさんは頭でっかちさん!
- スズキ目ハゼ科のスケロクウミタケハゼさんはサンゴ礁域や岩礁域のやや深い場所に生息するトゲトサカ類の幹の上をちょこまかちょこまかと動き回るかわいいハゼさんです・・・スケロクウミタケハゼさんは大きさが3cm程度しかなく一見ガラスハゼさんのように見えますが少し趣が違いますね・・・ちょっと頭でっかちなところがスケロクウミタケハゼさんのユニークさでありまして体高がやや高くエメラルドグリーンのきれいな目と頭部に赤い筋が入っているハゼさんです・・・スケロクウミタケハゼさんは単独あるいはペアで見ることができます。

- スケロクウミタケハゼさんはトゲトサカ類を注意深く観察すると結構見付けられる可能性が大です・・・動きが速いのでなんとなくトゲトサカ類を見ていても何かがシュッと動いて「あれ?何かいる!」と見つけられてしまうスケロクウミタケハゼさんです・・・スケロクウミタケハゼさんの特徴はトゲトサカ類の枝の影からこちらの様子を伺っている下の写真のように眼の縁から口先にかけて伸びる赤色のラインと大きな頭それにチャームポイントのきれいなエメラルドグリーンの眼です。

- スケロクウミタケハゼさんの「スケロク」は歌舞伎の「助六」から来ているらしいのですが歌舞伎役者の隈取のようなものではありません・・・あえて言えば口元の赤色のラインがそれに近いかなといった程度です・・・でもスケロクウミタケハゼさんの大きな顔は舞台映えすることは間違いないですね・・・「あれ、しまった!見つかってしまった!うまく隠れていると思ったのに~!」ていう顔をしているちょっとぬけさく顔のかわいいスケロクウミタケハゼさんでした・・・失礼いたしました・・・ちなみにウミトサカさんはウミケイトウさんとも呼ばれていてわかりやすく言えばソフトコーラルさんです・・・学術的には軟質サンゴと呼ばれており全体的にカラーバリエーションは豊富です・・・細かい石灰質の骨格を体内にバラバラの状態で保持し触手を花のように広げたり草のようにフサフサしていたりと植物的なものが多いのも特徴です・・・柔らかく硬い殻や壁を持たずブヨブヨ系・ヌメヌメ系・イガイガ系の生きものです。

セスジサンカクハゼさんが砂地と同化して隠れ上手? 柏島
- スズキ目ハゼ科サンカクハゼ属のセスジサンカクハゼさんはよく岩陰の砂地で見かけるハゼさんなのですが砂地に同化してあまり目立ちません・・・なんかチョロチョロチョロチョロと動くものがいるなと思ってよくよく見てみるとそこに彼が居たりします・・・セスジサンカクハゼさんは動いてくれないと本当に目立たないハゼさんなのですがセスジサンカクハゼさんから言わせればうまく隠れているということなのですね・・・セスジサンカクハゼさんはサンゴ周辺の岩陰の砂底で暮らしており体長は6cmほどと小さく体は半透明になっています・・・セスジサンカクハゼさんの体高は低く写真でもお分かりになる通り第1背鰭には1本暗色横線のみで黒点はなくちょっとわかりづらいですが尾鰭の付け根にある黒色斑は丸くなっています。

- セスジサンカクハゼさんは同じくスズキ目ハゼ科サンカクハゼ属のセホシサンカクハゼさんと非常に似ており第一背鰭の前部に暗色の垂線が1本通るのは同じなのですがセホシサンカクハゼさんには暗色斑がありセスジサンカクハゼさんには暗色斑がないことで区別ができます・・・またセホシサンカクハゼさんの第1背鰭は三角形でセスジサンカクハゼさんの第1背鰭は半円形になっていますがその違いは微妙です・・・またセスジサンカクハゼさん達はよく背鰭を折りたたんでいることもあり身体も小さいので水中でこれらの違いからセスジサンカクハゼさんとセホシサンカクハゼさんの区別をするのはちょっと難しいですね・・・意識して探せば水中では結構よく見かけるセスジサンカクハゼさんなので背鰭の状態を確認してみてください。

- 下の写真のセスジサンカクハゼさんが透明の体と三角の頭で「なんだよ急に近づいて来て!普段は素通りして無視してたたじゃないか!どうしたんだよ?何か心変わりでもしたのか?」といった表情でこっちをじっと見つめています・・・心なしか憮然としたセスジサンカクハゼさんの表情に見えるのは私の気持ちのせいなのでしょうか?・・・今まで無視していてセスジサンカクハゼさんには申し訳なかったのですがよく見るとセスジサンカクハゼさんはエメラルドグリーンの瞳が美しく決して派手ではありませんがお洒落なハゼさんなんですね・・・「決して派手では無いけどこの質素な美しさが大切なんだよ!いつも色の綺麗なお魚さんばかり写真を撮っていたけどやっと気が付いたのか?」とでもセスジサンカクハゼさんが言っている様なのでこれからは注目します!許してください!

ソラスズメダイさん後ろに居るよ!気を付けてね!
- スズキ目スズメダイ科に属するソラスズメダイさんは尾鰭や臀鰭が黄色っぽくなることがありますがよく似たルリスズメダイさんはこれらの鰭が青色または透明で黄色っぽくなることはありません・・・その点からソラスズメダイさんとルリスズメダイさんを見分ける事ができます・・・ちなみにルリスズメダイさんは浅いサンゴ礁や岩礁にいて全長は約6cm程度で名前のとおり全身が鮮やかな瑠璃色をしており別名「コバルトスズメダイ」とも呼ばれています・・・メスのほうが小さく尾鰭が透明なのがメスで尾鰭まで瑠璃色なのがオスです・・・ルリスズメダイさんのオスは縄張りを作り縄張り内に5~6匹のメスを持つハーレムを形成します。

- 今回のメインはソラスズメダイさんですが実は後ろにボケていますが黄色~茶色の塊りがあるのがわかりますか?・・・これはハダカハオコゼさんです・・・ハダカハオコゼさんを撮ろうと近づいていたのですがソラスズメダイさんのブルーがあまりにもきれいだったのでソラスズメダイさんにピントを合わせてみました・・・ソラスズメダイさん気を付けないとハダカハオコゼさんが動かないと思って安心して近づいてしまうと急にバクっと食べられちゃいますよ!・・・ソラスズメダイさんは全身が美しい青のスズメダイさんなのですが青には個体差が結構あります・・・コバルトブルーに近いものからターコイズブルーに見えるもの黒ずんだ地味な色のものもいるのです・・・またよく見ると体の表面には縦に細長い菱形が敷き詰められたような模様があります
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