ハタタテダイさんとムレハタタテダイさんの違い?
- 背中の旗をたたんで急いで逃げようとしている2匹の可愛いお魚さんはスズキ目チョウチョウウオ科ハタタテダイ属のハタタテダイさんではないでしょうか?・・・体長20cmほどに達するハタタテダイさんはサンゴ礁域や岩礁域や砂泥底域で暮らしていますが単独もしくは小さな群れでいるところをよく見かけます・・・ハタタテダイさんは背鰭が長く伸びていますがその事で他のチョウチョウウオ科のお魚さん達とは区別できるのではないでしょうか?・・・ハタタテダイさんは頭部に眼を通る黒色帯があるのですがこの黒色帯は眼の下の方までは達してなくて途中で切れています・・・最後までビシっと筋を通している方がすっきりすると思うのですがまあ個人の考えですね・・・それから体側には背鰭から腹鰭までと背鰭から臀鰭までの2本の黒色帯があり背鰭軟条部および尾鰭は黄色くなっています。

- ハタタテダイさんはムレハタタテダイさんとたいへんよく似ていますが背鰭の棘の数がハタタテダイさんは11本でムレハタタテダイさんは12本となっています・・・でもダイビング中はもちろん写真にとっても数えられるようなものではありませんし捕まえて比較しないとわからないですよね・・・またハタタテダイさんの尾鰭の縁は尖っていますがムレハタタテダイさんは尾鰭の縁が丸くなっています・・・それから口から腹鰭にかけての輪郭がハタタテダイさんは直線であるのに対してムレハタタテダイさんは丸く張り出ているといった相違点があります・・・その他には臀鰭黒色域がハタタテダイさんは最長軟条にまで及ばないことなどで区別も可能です・・・それにしてもハタタテダイさんとムレハタタテダイさんは瓜二つですがそれもそのはずで以前は同一の種として扱われていたのです・・・名前からするとムレハタタテダイさんは群れを作ってハタタテダイさんは単独で見られそうに思えますがハタタテダイさんも群れをつくることがあります・・・ダイビング中に数匹で珊瑚礁や岩の周りにいたらハタタテダイさんで珊瑚礁外部に群れを作って中層を泳いでいたらムレハタタテダイさんと思っていた方が簡単なようです。

ハナグロチョウチョウウオさんをツンツンつついているのは誰?

- 今日も仲良くサンゴの隙間をペアでスイスイ泳いでエサを探しているのはスズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属のハナグロチョウチョウウオさんです・・・ハナグロチョウチョウウオさんは頭潮通しの良い浅い海のサンゴ礁で単独かペアで暮らしています・・・左のハナグロチョウチョウウオさんが右のハナグロチョウチョウウオさんに「お腹すいたんだけど何処かに美味しそうな餌あった?」って尋ねているようです・・・美味しい餌があるといいのですがハナグロチョウチョウウオさんはサンゴのポリプ組織と小さな生物のみを食べます・・・特にミドリイシ類のポリプが好きなのですがその他に10種類のサンゴを食べるハナグロチョウチョウウオさんは他のサンゴ食性のチョウチョウウオさんと比較すると最も多様で好き嫌いの少ないチョウチョウウオさんなのです・・・ハナグロチョウチョウウオさんの食事はサンゴの組織ではなく生きたサンゴのポリプなのですが非常に細い毛のような歯を持っており小さな生物も食べることができます。

- ハナグロチョウチョウウオさんの餌であるサンゴのポリプやケヤリムシさんやイバラカンザシさんなどはすべて殻の中に戻ってしまうため食事の際はじっと動かずにホバリングし餌が殻に引っ込む前に素早く動く必要があります・・・そのためハナグロチョウチョウウオさんは胸鰭をオールのように使ってブレーキをかけたり急速に泳いだり方向転換したり後進したりと素早い行動ができるようになっているのです・・・確かにハナグロチョウチョウウオさんの動きを観察しているとチャチャチャっと素早い見事な泳ぎをしています・・・ハナグロチョウチョウウオさんは青白い体にオレンジ色から茶色の斜線が複数入りその上端は一点に集中していません・・・このオレンジ色の斜線は夜になると濃い色になるそうですが何故濃いオレンジ色になるのでしょうか?・・・きっと意味があると思うのですがよくわかりません。

- また頭部には1本は目を横切りもう1本は鼻先を通る黄色で縁取られた2本の黒色帯があり尾鰭にも2本の黒色横帯があります・・・ハナグロチョウチョウウオさんは鼻の辺りに黒い線があるのでこの名前が付いたようですがこんなにカラフルなチョウチョウウオさんなんだからもう少し可愛い名前でも良かったのではと思ってしまいます・・・それからハナグロチョウチョウウオさんの幼魚は単独で生活しており警戒心が高く身を守るために珊瑚の枝に隠れながら暮らしています・・・でもハナグロチョウチョウウオさんは成長するにつれ少しずつ勇気を持って行動域を広げていきます・・・そしてハナグロチョウチョウウオさんは体長が20cm程度まで成長し繁殖年齢に達するとつがいを形成するのです・・・でも雌雄の大きさに差はありませんのでどちらがオスなのかどちらがメスなのかよくわかりません。

- 主に珊瑚が生い茂る岩礁などで縄張りを確立するハナグロチョウチョウウオさんですが他のサンゴ礁の生物と同様にハナグロチョウチョウウオさんもオニヒトデさんの増加によるサンゴ破壊や人為的撹乱を受けており生息地の喪失に繋がっています・・・サンゴ礁への悪影響はチョウチョウウオさん達に悪影響を及ぼしますのでサンゴの枯渇には最大限の注意が必要ですね・・・ところで上下のハナグロチョウチョウウオさんの写真をよく見てみると小さなホンソメワケベラさんの様なお魚さんが身体を突っついているように見えます・・・ハナグロチョウチョウウオさんの大きさから見てもかなり小さなお魚さんなのでホンソメワケベラさんかどうかよくわかりませんが色と形からホンソメワケベラさんかなと思うのですが如何でしょうか?・・・もしかしたら謎の生物か?

- ハナグロチョウチョウウオさんによく似た仲間にオウギチョウチョウウオさんがいます・・・オウギチョウチョウウオさんも体長20cm程度とハナグロチョウチョウウオさんと同じくらいの大きさですが青白い体側に複数の黒い曲線が走っていて周縁部は黄色です・・・この2種は生態や分布域がよく似ていてサンゴさんのの粘液やポリプを主に食べるために浅いサンゴ礁に単独かペアで居付いています・・・つまりハナグロチョウチョウウオさんのオレンジ色の斜線の部分がオウギチョウチョウウオさんは黒色の斜線になっています・・・よく見ればオレンジのラインと黒いラインと明らかに違うのですが住んでいるところと形とラインがよく似ているので勘違いしてしまいますよね・・・下の写真のハナグロチョウチョウウオさんの後ろにタテジマキンチャクダイさんがいますね・・・どちらも派手ですが気が合うのでしょうか?

オオフエヤッコダイさんとの違いは?フエヤッコダイさん!

- フエヤッコダイさんに似ているスズキ目チョウチョウウオ科フエヤッコダイ属のオオフエヤッコダイさんは体長は23cm程度で若干フエヤッコダイさんより大きく胸鰭の下の白色部にはゴマ状の黒点があります・・・その他に吻がフエヤッコダイさんより長くオオフエヤッコダイさんは体高が吻長の約1~1.5倍くらいでフエヤッコダイさんは体高が吻長の1.5~2倍くらいです・・・またオオフエヤッコダイさんは背鰭棘数が11本でフエヤッコダイさんより1本少なくなっていますが背鰭棘数は海の中では確認できないのでここでオオフエヤッコダイさんとフエヤッコダイさんの区別はできないですよね・・・それからオオフエヤッコダイさんは色彩変異で頭全体が茶褐色のものや体全体が茶褐色のものもいるそうです・・・この写真のお魚さんはオオフエヤッコダイさん?フエヤッコダイさん?・・・横に並べて比べればわかりやすいのですが海の中で見分けるのはちょっと困難でいつも悩まされてしまいます。

- 1961年までフエヤッコダイさんと同一種とされていたオオフエヤッコダイさんは吻の部分まで黒い場合があります・・・この場合はフエヤッコダイさんではなくオオフエヤッコダイさんの確率が高いのですが個体により中間的な色もあるので注意が必要です・・・それからオオフエヤッコダイさんは目がすべて黒いのですがフエヤッコダイさんは目の下の一部が白いという所が大きな違いです・・・フエヤッコダイさんとオオフエヤッコダイさんを区別するのにこれが一番わかりやすい違いだと思います・・・スズキ目チョウチョウウオ科フエヤッコダイ属のフエヤッコダイさんの体長は22cm程度で体色は黄色く頭部の下と口が白く額は黒い三角形の斑紋があります・・・また体形は扁平で体高があり胸鰭は長く尻鰭後部に黒い斑紋が入っていて尾鰭は透明になっています・・・サンゴ礁や岩礁に生息し単独もしくはペアで生活することが多いのですが小規模な群れを形成することもあります・・・フエヤッコダイさんの食性は動物食で甲殻類やゴカイ等を食べますがこの細長い口は岩の隙間にいる獲物を捕食するのに適しています・・・確かにこの細長い口は「隙間の獲物でも逃さないわよ!」という感じですが食べられるエビさん達の身になって考えると「折角食べられない様に隙間に隠れてたのに酷いよ!」っていう感じです。

- 今回は動きが速過ぎてなかなかフレームに収まってくれないフエヤッコダイさんですが何故かフエヤッコダイさんはカメラを向けるだけで近づいてもいないのにチョコチョコチョコチョコと逃げてしまいます・・・もしかしてフエヤッコダイさんって目がとんでもなくいいのでしょうか?・・・それとも実は未来が見える力があって将来を予測して動くことができるのでしょうか?・・・何とも憎めない綺麗で可愛い顔をしていますができればもう少しフレンドリーでいてくれると嬉しいです!・・・まさかフエヤッコダイさんって私にだけいけずという事はないですよね?・・・警戒心が強くなかなか近づいてきてくれないフエヤッコダイさんですがオオフエヤッコダイさんはそれ以上に警戒心が強くめったに近くでお目にかかれない様です。

トリクティス幼生見てみたい!ベニオチョウチョウウオさんお願い!
- 小笠原の浅いサンゴ礁の周辺で見かけたのは全長は約13cm程度で白地の体側に「く」の字形の黒色帯が並んでいるスズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属のベニオチョウチョウウオさんです・・・ちなみにベニオチョウチョウウオさんのおちびさんは体表には黒の「く」の字模様が5本程度ありますが目に白で縁どられた黒色帯があり体色は黄色からオレンジ色になっています・・・ベニオチョウチョウウオさんの体側後部と尾鰭の黄色が青い海に映え2匹で仲良く泳いでいる姿はとても綺麗です・・・チョウチョウウオさん達は大抵ペアで仲良く泳いでいますが同じ方向を向いていることは稀でそれぞれが一生懸命食事をしているので一緒の枠で撮影するタイミングが難しいお魚さんでもあります・・・ベニオチョウチョウウオさんは主に岩礁域やサンゴ礁を好んで暮らしておりそこらへんでツンツンしていますが場所を移動することはあまり好きでは無いようです・・・今回のダイビングでもサンゴのポリプを好んで食べている姿をよく見かけましたがベニオチョウチョウウオさんは警戒心が強いので撮影しようとするとすぐに反転して逃げてしまいます。

- 世界の暖かい海域でサンゴ礁のある浅瀬で暮らしているチョウチョウウオさん達は約130種以上おり日本近海でも53種が見つかっていますがチョウチョウウオさんの名前の由来は蝶々の羽のように見えることから名付けられ別名バタフライフィッシュの名前で親しまれています・・・ベニオチョウチョウウオさんによく似ているアミメチョウチョウウオさんという方がいらっしゃいますがアミメチョウチョウウオさんは体側の模様が「く」の字形の黒色帯ではなく黒い格子状である事と目を通る黒帯の上に黒点がある事でベニオチョウチョウウオさんと区別できます・・・またレッドバックバタフライフィッシュさんもベニオチョウチョウウオさんに似ていますがは目を通る模様がベニオチョウチョウウオさんは黒いのに対してレッドバックバタフライフィッシュさんはオレンジであるという点と体側後部から赤色で尾もクリーム色地に赤色の横帯が通るところが違います。

- 派手な種類が多い海水魚の中でも際だって美しい種類が多いチョウチョウウオさん達の体は平べったくサンゴ礁の隙間に体を隠すことも出来ます・・・またチョウチョウウオ科の仔魚はトリクティス幼生と呼ばれ光沢のある色彩で模様がほとんどなく頭部の骨が大きく張り出して兜をかぶったような独特の体型をしています・・・トリクティス幼生達はサンゴのポリプの周りをゆっくりしたパターンで移動しながらプランクトンや小さな無脊椎動物を探して食べています・・・トリクティス幼生達は捕食者から身を守るためにサンゴの枝や岩の隙間に身を上手に隠しながら生き延びますが成長するにつれて兜の形状が変化し大きな頭は影も形もなくなり口が尖ったような形態に変化します・・・変態は成長するための重要な過程ですが徐々に成熟した鮮やかな色と模様に変態して我々がよく見かけるチョウチョウウオの成魚となっていくのです。

- チョウチョウウオさんの1cm弱程度のトリクティス幼生以外にも深海で孵化するウナギさんは透明で葉っぱの様な体のレプトセファルスさんと呼ばれその後シラスウナギさんそしてウナギさんへと変態しますしマンボウさんの仔魚は金平糖の様なトゲトゲ形をしています・・・彼らはこのような仔魚から何故変態するのでしょうか?・・・それは変態する事で異なる環境に適応し生存チャンスを高め適切な摂食戦略ができるようになるからです・・・また変態する事で生殖行動に必要な体や行動パターンを形成し総じて生存戦略や繁殖成功に不可欠な要素を獲得するのです・・・人間には無いすばらしい自然界の適応能力ですね・・・チョウチョウウオさんのトリクティス幼生はこの時期特有の大きい頭をしていますが何故このような大きな頭になるのかはあまり分かっておらずまた光沢のある色についても浮遊生活をするにあたり波や流れ藻に紛れるためという説がありますが真実は不明です・・・頭は大きく丸みを帯びて模様もほとんどなく体表面はシルバーやゴールドに光り輝いているトリクティス幼生は本当に綺麗なチョウチョウウオさんになるとは思えませんがトリクティス幼生がどのような可憐なチョウチョウウオに変身していくのか楽しみですよね。

- ベニオチョウチョウウオさんは水深10~120mの岩礁域やサンゴ礁域で単独かペアで行動しておりチョウチョウウオさんと言えば浅くて光が燦燦と降り注ぐようなところにだけいるのかと思っていましたが結構深いところまで進出しているんですね・・・ベニオチョウチョウウオさんはインド洋から中部太平洋にかけて広く分布し日本では奄美諸島や小笠原諸島以南で生活しています・・・バタフライフィッシュさんと呼ばれるチョウチョウウオさんがサンゴ礁の中をひらひらと泳ぐ様は正にお花畑をひらひらと飛ぶ蝶のようです・・・チョウチョウウオさんの仲間達は多くが尖った口を持ち扁平な体つきをしていて鮮やかな黄色など色彩の種類はたいへん豊富ですが多く種類の背中には黒い目玉模様を持ち本当の目は帯状模様に隠されている種類がほとんどでこれは目の位置を錯誤させることで外敵から身を守るためと考えられています・・・上の写真のベニオチョウチョウウオさんはまだおちびさんの特徴を持っています。



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