『ブダイの仲間』総集編 diving-photo‐tsubuankun

Dive-photo まとめ 分類
アオブダイー小笠原

やや左右に平たく側扁したいわゆる鯛型の体型をもち一般にベラ類よりも大型で最大で1mを超える種類もいます。顎の歯は癒合して一枚の歯板となりオウムさんの嘴状となっていることがブダイ科魚類の最大の特徴です。ベラ類とは異なり口を突出させることはできないが鱗は大きく円鱗です。近縁のベラ類が肉食性であるのに対しブダイ科魚類は一般に草食性で死んだサンゴに付着した藻類を削り取るようにして食べます。ブダイ類は胃をもたず齧りとったサンゴを発達した咽頭歯で細かくすりつぶすことで藻類のみを効率よく食べています。ブダイ科魚類が摂食する死サンゴは1個体あたり年間1トン以上に及びサンゴ礁の死滅と再生のサイクルに深く関与すると考えられています。また咽頭歯ですりつぶされたサンゴは細かい砂となって環境中に戻されるためブダイ科魚類はサンゴ礁における砂の供給源としても重要な役割を果たしていると言えます。ブダイさんはすべて昼行性で夜間はサンゴや岩陰に身を潜め休息しますが私も見たことがありますが一部の種類は体表から粘液を分泌し寝袋のように体を包むことが知られています。

何故か笑える前歯が特徴のアオブダイさん! 2024 小笠原

  • 立派な前歯をむき出しにして向かってきたのはスズキ目ブダイ科アオブダイ属のアオブダイさんです・・・体長は最大90cmほどで名前のとおり身体の色は青みが強いのですが体の各所に赤褐色や白色や黒色などの斑点が出るものもいます・・・アオブダイさんの成魚は頬に白っぽい斑点が出て前頭部がこぶのように突き出てきますが若魚は頬に斑点がなく額にこぶもありません・・・やっぱり成魚になると額のこぶがせり出してきて厳つくなって迫力が違いますね・・・アオブダイさんの歯は上下それぞれが融合していて鳥の嘴のような形状をしていますがこれは他のアオブダイ亜科のお魚さんにも共通する特徴で人間の指を噛み切るくらいの顎の力もあるので注意が必要です・・・確かに硬いサンゴさんをガリガリ削り取るのですから写真の様な歯で齧られたら指無くなっちゃいますよね。
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  • でもこの写真のアオブダイさんはまだまだ若造のようですね?・・・額にこぶのようなものもありませんし歯も立派ですが融合しきれていないような気がしますし何はともあれ眼に幼さを感じます・・・そう思いませんか?・・・アオブダイさんの食性は雑食性で藻類はもちろんなのですが甲殻類や貝類などいろいろなものを食べるそうです・・・アオブダイさんは強靭な歯と顎でサンゴさんをかじりますがサンゴさんの枝についた藻類を食べるための行動であって現在のところ生きたサンゴさんを餌にするのが確認されたのはアオブダイさんに近縁のカンムリブダイさんだけです・・・アオブダイさんは昼間に活動し夜は岩陰などで眠ります・・・私も一度見ましたが眠る際は口から粘液を出して自分を覆う薄い透明の寝袋を作りその中ですやすやと眠る行動が知られています。

直ぐに逃げないで!黄色い帯が特徴のオビシメさん! 小笠原

  • 遠くにかすかに黄色い帯が見えたので驚かさないように少しずつ近づいてみるとそれは小笠原の固有種とされていますスズキ目ブダイ科アオブダイ属のオビシメさんでした・・・何か一生懸命ついばんでいましたがオビシメさんは藻類を食べるとされていますのでおそらく藻を食べていたのでしょう・・・それにしてもなかなか警戒心が強い様でこちらの様子を伺いながらでもお腹が空いているのでしょうか夢中でついばんでいます・・・オビシメさんの名前の由来はご想像の通り帯締めを意味しオスの体側の中央にある黄色の横帯に由来しています・・・オビシメさんの全長は70cm程度でメスは黄色い体側で後方に白色の縦帯があってオスとは全然違いますがオスは青地の体側の中央に黄色の横帯がありこぶが盛り上がっております・・・形からしてかつてはアオブダイさんと同種とされていたのも納得です・・・オビシメさんは小笠原の固有種とされていますが実は八丈島でも確認されております・・・オビシメさんの詳しい生態はあまり分かっていませんが他の多くのブダイさんと同じようにメスからオスへと性転換すると思われています・・・それにしてもオビシメさんはブダイさんに誰かがペンキでいたずらして黄色く帯状に塗った様な感じで不思議な印象です。

何故か雄と雌では全く色彩が違うオビブダイさん! 小笠原

  • 派手なのか地味なのか印象は人それぞれだと思いますが特徴ある色彩で大きなベラさんの様な姿をしたスズキ目ブダイ科アオブダイ属のオビブダイさんがスーッと気持ちよさそうに泳いできました・・・オビブダイさんの体長は30cm~40cmくらいなのですが体型はやや側偏した楕円形をしていて潮通しのよい珊瑚礁や岩礁域で暮しています・・・雄と雌では色彩に大きな違いがあるオビブダイさん達ですがこのオビブダイさんは雄と雌どちらなのでしょうか?・・・オビブダイさんの雄の体色は背面が青緑色または淡青色で腹側と体側面後方は暗色で体側面後方に上半分が黄色で下半分が青緑色の横縞を一本もっています・・・という事はこの写真のオビブダイさんは特徴からして間違いなく雄のオビブダイさんですね。
  • ちょっとこの写真ではわからない部分もありますがオビブダイさんの雄は額の部分は薄い桃色で鱗前縁は桃色になっており青緑色のラインは眼を通る位置に一本と下顎部に一本あるそうです?・・・また眼を通るラインは目の後ろで枝分かれし二本となり背鰭上部および臀鰭下部と胸鰭上部それから尾鰭は濃い青色または紫色をしているそうです・・・オビブダイさんの雌の体色は茶色で体側面に多数の白い横帯をもっていますが雄と比べるとかなり地味な印象です・・・それからオビブダイさんの幼魚達は内湾の潮だまりにも入ってきますが暗色で残念ながら目立った特徴はありません・・・下の写真はノコギリダイさんの群れを背景にボニンブルーの綺麗な海の中を逆方向に悠々と泳いでいる雄のオビブダイさんです。

あなたはキツネブダイさん?ハゲブダイさん? 小笠原

  • あなたはキツネブダイさん?ハゲブダイさん?・・・誰なのかよくわかりませんがブダイ科のお魚さん達は世界の熱帯・亜熱帯に広く分布しており10属99種が認められていてベラ科などと並びサンゴ礁魚類の代表的なグループの一つです・・・ブダイ科のお魚さん達は一般に草食性で死んだサンゴに付着した藻類を削り取るようにしてゴリゴリゴリゴリと食べています・・・ブダイ科のお魚さんは胃をもたず齧りとったサンゴを発達した咽頭歯で細かくすりつぶし藻類のみを効率よく摂取していますが中にはカンムリブダイさんの様に生きたサンゴを食べるものもいます・・・ブダイ科のお魚さんはやや左右に平たく側扁したいわゆる鯛型の体型をしており一般にベラ科のお魚さんよりも大型で最大で1mを超えるカンムリブダイさんの様な種類もいます・・・頭部が大きく凸出した1mを超えるカンムリブダイさんはなかなかの貫禄を備えています。
  • ブダイ科のお魚さんが食べる死サンゴは1個体あたり年間1トン以上で死んだサンゴの群落を速やかに除去し新たなサンゴの生育場所を提供することでサンゴ礁の死滅と再生のサイクルに深く関与すると考えられています・・・ブダイ科のお魚さんの歯は癒合して一枚の歯板となり鸚鵡さんの嘴状となっていることが最大の特徴でありますが硬い死サンゴを年間1トン食べるってブダイ科のお魚さんはどんだけの大食漢なのでしょうか?・・・また咽頭歯ですりつぶされたサンゴは細かい砂となって環境中に戻されるためブダイ科のお魚さんはサンゴ礁における砂の供給源としても重要な役割を果たしているそうで凄い役割です・・・ブダイ科のお魚さんはすべて昼行性で夜間はサンゴや岩陰に身を潜め休息しますが一部の種類は体表から粘液を分泌し寝袋のように体を包むことが知られています・・・またベラ科のお魚さんと同様にブダイ科のお魚さんもほとんどが雌性先熟の性転換をします。

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