オトヒメエビさんは岩陰に潜む艶やかな仲良し夫婦! 柏島

- 沿岸付近のサンゴ礁や岩場の岩陰に住んでいるオトヒメエビ科オトヒメエビ属のオトヒメエビさんはクリーニングするエビさんの中では少し大きめで体長は40~60mmくらいあります・・・クリーナーのエビさん達は群れていることがよくありますが確かに群を抜いて貫禄があって目立っています・・・オトヒメエビさんの体の色は半透明の白色で頭部や腹部や尾扇にはおめでたい事でもあったかの様な綺麗な赤白の帯があります・・・またオトヒメエビさんの触角は白く体長を上回るほど非常に長くいったいどこまで続いているだろうと思えるほどの長さで体の表面は意外と毛深く細かい棘に覆われています・・・それから第3歩脚は長く先に鋏を持ち赤白の帯が各4本あって歩脚の付け根はお洒落に気を使っているのか青色のワンポイントが入っています。

- オトヒメエビさんの和名は鮮やかな体の色に細長い触角や脚を広げた姿があたかも乙姫様を想起させることで付いたそうですがオトヒメエビさんはオトヒメなんていい名前を付けてもらいましたね・・・オトヒメエビさんは波の静かな岩棚や割れ目などで常に雌雄でつがいをなして同居しており雌雄の結びつきは強く例えばどちらか片方を別個体に入れ替えてしまうとオスがこのメスは違うと排除してしまうそうです・・・人間からしてみればどの雌も大差ないように見えてしまいますがオトヒメエビさんのオスからしてみれば全く違うじゃんという事なのでしょう・・・また前述しましたがオトヒメエビさんは大型魚の体を綺麗にするクリーナーさんでウツボさんやハタさんなどの体を這い回り食べかすや寄生虫などをツンツンツンと健気に食べています・・・オトヒメエビさんはとても働き者ですが普段から共生をしているため大型魚に食べられてしまうことはほとんどありません・・・ほとんど?

オトメハゼさんの心のつぶやきを聴いて一緒に妄想? 柏島
- スズキ目ハゼ科クロイトハゼ属のオトメハゼさんの身体の色はグレーっぽい白色~クリーム色で頭部から体側にかけて鮮やかなオレンジ色の大小さまざまな斑紋が数多く見られます・・・このオレンジの斑紋がちょうど眼の大きさと一緒ですからもしかしたら敵に眼がたくさんあると欺くためにつけた斑紋かもしれませんね?・・・体の中央付近に入る黄色い縦帯は繋がっていて頬にある明るい青色の斑紋はちょっとしたアクセントになっていて名前の通りオトメを感じさせるお洒落なハゼさんです・・・オトメハゼさんはサンゴ礁域の浅い砂地の石の下などに上手に口で穴を掘り隠れ家を作りのんびりと暮らしています・・・下の写真のオトメハゼさんは遠くをじっと眺めていますが何か気になることでもあるのでしょうか?・・・敵か味方かはたまた美味しそうな獲物でも近づいて来たのでしょうか?

- オレンジの斑点が美しいオトメハゼさんですが砂底の巣穴で二匹寄り添うように仲睦まじくイチャイチャしているオトメハゼさん達もいれば単独で孤高を貫いている凛としたオトメハゼさんもいます・・・今回のオトメハゼさんは単独で孤高を貫いているオトメハゼさんでどちらがいいという訳では無いのですが下のオトメハゼさんはちょっと口を半開きにして「あ~!彼女が欲しいなあ~!やっぱり一人は寂しいや!話し相手も欲しいなあ!」と哀愁が漂っている様にも見えます・・・気のせいかもしれませんが私にはその様に見えますのでできれば仲良く寄り添うオトメハゼさんの楽しそうな姿を撮りたかったと思う次第です・・・心なしか腹鰭が前のめりになっている様でオトメハゼさんの気持ちが現れているのではないでしょうか?

- たまにオトメハゼさんは大きな口を開けて砂を思いっきり頬張ったかと思うと鰓から砂だけブハっと吐き出して砂の中に含まれるプランクトンや甲殻類等を食べています・・・オトメハゼさんと言う可憐な名前を付けてもらっているとは思えないほどのほおばり様とブハっと吐き出す思い切りの良さは開けっぴろげで爽快です・・・でもそんなオトメハゼさんですが砂が鰓に詰まったりしないか心配です・・・「乙女だけど何か問題でも?お腹が空いては戦になりません!生きていく為には格好なんて気にしてられないわ!」とでも言うような勢いです・・・オトメハゼさん確かにおっしゃる通りです!!・・・こんなオトメハゼさんですが大きいものでは15cmにもなり度胸が据わっているのか警戒心が高くないのか見つけやすく出会えるチャンスが多いハゼさんのひとりです。

その面構えは歴戦の賜物?ただならぬ風格が凄いオニオコゼさん!

- ちょっとやばそうな面構えの方が鎮座されていますがこれはカサゴ目フサカサゴ科あるいはオニオコゼ科オニオコゼ属のオニオコゼさんです・・・オニオコゼさんの身体の色は住む居場所によって変化し黒っぽいもの灰色っぽいものから鮮やかな黄色や橙色まで様々なものがいます・・・オニオコゼさんは毒の棘を持っていますので食べられることは無いように思うのでもしかしたらオニオコゼさんは見た目と違って結構お洒落に気を使っているのかもしれません・・・オニオコゼさんの大きさは20cmほどでトゲトゲしていて厳つい顔をしていますが肉は白身で美味しく高級魚として知られていてオニオコゼさんのから揚げなんて最高なんです・・・でも調理中に下手して棘が刺さってしまうと大変なことになってしまいますから気を付けないといけません・・・・・・ちなみにオニオコゼさんとオニカサゴさんの違いはオニオコゼさんには鱗がなく頭が丸っこくて大きく胴体は小さめです・・・オニカサゴさんには鱗がありオニオコゼさんより頭が小さめですので調理をしたらわかるかもしれませんが区別が・・・?

- オニオコゼさんの背鰭には大きく長い毒腺を持った棘がありこの棘に刺されると激痛と激しい腫脹を伴います・・・でもオニオコゼさんの毒の成分は不安定なため温めると急速に分解しますので刺された時は慌てず火傷をしない程度の45度ぐらいのお湯に30分程浸ける事が勧められています・・・ただしオニオコゼさんの毒は蛋白性の毒なのでアナフィラキシーショックを起こす事もありますから刺されたら直ちに病院で適切な処置を受けましょう・・・オニオコゼさんの仲間にはオニダルマオコゼさんやダルマオコゼさんやイトオコゼさんやヒメオコゼさんなどがいます・・・オコゼさんの名前の「オコ」は醜いという言葉の古語に由来すると言われていて「ゼ」は魚を意味する古語なのだそうです・・・つまりオニオコゼさんは「鬼のように醜い魚」という意味になりますがどうしてそんな酷い名前を付けたのでしょうか?

- オニオコゼさんは主に夜行性で昼間は砂にもぐったり藻や岩陰に潜んでいますが獲物のお魚さんが近づいてくると一瞬でバクっと食らいつく待ち伏せ型のフィッシュイーターなのです・・・この写真のオニオコゼさん「もう近くでうるさいなあ!あっち行っててよ!獲物が近づいて来ないから食事が取れないじゃないか!僕の食事の邪魔をしないで!」って怒っているようにも見えます・・・ ちなみに同じ科のダルマオコゼさんは達磨さんのようにずんぐりと丸くて太くて短いお魚さんですが背鰭の棘には猛毒があります・・・ダルマオコゼさんの頭部は丸く幅広くて眼の上は隆起していて大きな目と口を持っています・・・ダルマオコゼさんの後頭部には四角形の大きな窪みがあって頭部にも棘が見られますが棘の先は丸くなっています・・・オニオコゼさんには大変申し訳ないのですが醜悪な見た目であることを山の神が好んだという言い伝えがありオニオコゼさんを祈願のお供え物として使用されていたという言い伝えもあります。

- 下のオニオコゼさんは最初写真を見た時エンマゴチさんかなと思ったのですがエンマゴチさんであれば虹彩皮膜というものがあり目をすだれのようなものが覆っているのでエンマゴチさんとちょっと違うし・・・近接過ぎて何を撮ったのかよくわかりませんでしたが写真はやはり近接と遠景も一枚撮らないと迷ってしまいますね・・・オニオコゼさんの体の色は褐色系が多いのですが色彩変異に富んでいて私は見たことはないのですがオレンジ色の珍しい種類もあるそうです・・・底に潜んでいいるオニオコゼさんは口が上向きについていて身体の上を通ったお魚さんにバクっとかぶり付くのに適した形と大きな口をしているのですが怖いですね・・・下のオニオコゼさんは私の方をじっと見ていますがまさか私を狙っているのではないですよね・・・オニオコゼさんの体の表面は他のカサゴ類と同様にいぼ状・房状の突起が発達し皮膚が剥がれているようにも見えます・・・立派な顎ひげというかもじゃもじゃというか突起がいっぱいありますがこんなにもじゃもじゃ髭が生えていたら髭を剃りたくはならないんでしょうか?

恐怖の大魔王が登場!近寄ってはいけない!オニダルマオコゼさん!
- 岩の間で何かがちょっと動いたような気がしたので近づいてみると何とカサゴ目フサカサゴ科オニダルマオコゼ属のオニダルマオコゼさんではないですか・・・恐怖の大魔王オニダルマオコゼさんは熱帯域のサンゴ礁など浅い海で暮らしていて日本近海では小笠原や奄美大島や沖縄周辺にいます・・・オニダルマオコゼさんの体長は40 cm程度で全身がコブ状の突起やくぼみに覆われていてパッと見ただけでは何処が顔なのか何処が口なのかよくわからず正に岩そのものに見えます・・・オニダルマオコゼさんは他のオコゼ類と同様に肉食性で小魚や甲殻類を捕食しますが浮袋を持たない底生魚で海底で動かずじっと獲物を待っています・・・獲物となるお魚さん達もここまで見事に擬態されると食べられるまで気が付かないですよね・・・ちなみに下の写真ではわかりにくいと思いますが上の方に口があります。

- オニダルマオコゼさんの背鰭の棘は毒があり非常に強力な神経毒であるストナストキシンを分泌するのです・・・このストナストキシンはハブ毒の30倍も高い毒性を持っていて刺されると関節痛や呼吸困難・心肺機能不全・血圧低下などの症状が現れる事があります・・・オニオコゼ亜科の仲間はすべて背鰭に毒腺を持っていますがオニダルマオコゼさんはとりわけ毒性が強く刺された人を死に至らしめることもあるのです・・・またオニダルマオコゼさんの棘は非常に硬く鋭いためゴム製のビーチサンダルやマリンブーツでは踏み抜く可能性があります・・・オニダルマオコゼさんは積極的に人間を襲うことはないので恐れ過ぎることは無いのですがオニダルマオコゼさんの存在に気がつかずに誤って踏んでしまわない様にだけは最大限注意しましょう。

- オニダルマオコゼさん以外にも気を付けるべき毒のあるお魚さんはたくさんいますがゴンズイ玉で有名なゴンズイさんも刺されると痛みや腫れを引き起こすことがありますしクサフグさんも体表に毒を持っているので誤って触れると中毒症状を引き起こすことがあるそうです・・・やっぱり知識は蓄えておかないといけないですね・・・オニダルマオコゼさんは日本では高級料理の食材としても知られていて確かに美味しいとされていますが食べる際には専門家の指導を仰ぐ方がベターだと思います・・・棘が刺さると大変ですからね・・・ちなみに上の写真では上の方にムッとした口がありますが下の写真は正面から撮ったもので下に口があり眼もわかりやすいのではないでしょうか?

- オニダルマオコゼさんは全身がボコボコとしたコブ状になっており岩礁や砂などに擬態しているため海の中でその姿を発見しずらいお魚さんなのでオニダルマオコゼさんの毒が大変危険な事はわかっていてもうっかり触ってしまったり踏みつけて刺される事もあります・・・もしそうなってしまったら毒が回って動けなくなって溺れてしまわないようにまずは海から上がりましょう・・・海から上がったら真水で傷口をよく洗い傷口にオニダルマオコゼの棘が残っていないか確認しもし残っていたら必ず取り除きましょう・・・そしてオニダルマオコゼさんの毒はタンパク性の毒であるため刺された場所を45度以上のお湯で温め応急処置をして可能な限り早急に医療機関で受診しましょう・・・この時も「ん!何かいる?何かオーラを感じる!」と気が付いたからいいものの気が付かづに踏んだり手をついたりしたらと思うとぞっとしますね・・・写真の様に怖い顔をして岩の隙間に潜んでいますので最大限気を付けましょう!

オニハタタテダイさんとヘラヤガラさんの関係は? ケラマ
- スズキ目チョウチョウウオ科ハタタテダイ属のハタタテダイさんは全長が25cm程度あり長く伸びた背鰭が特徴でごく稀にこの長く伸びた背鰭が2又に分かれた個体もいるそうです・・・私は2又に分かれたハタタテダイさんを見たことないのでどんな感じなのか一度見てみたいものですね・・・ハタタテダイさんは白地の体に2本の太い黒色帯が走り背鰭の後半部・胸鰭・尾鰭は黄色くなっていてハタタテダイさんを海で見かけるとついつい撮影したくなるカラフルで綺麗なお魚さんです・・・ハタタテダイさんによく似たお魚さんでツノダシさんがいますがツノダシさんはハタタテダイさんの仲間ではなくチョウチョウウオ科でもありません・・・ツノダシさんはニザダイさんに近い仲間でスズキ目ツノダシ科ツノダシ属になりますがツノダシさんは本当にハタタテダイさんにソックリなのです・・・見分け方はハタタテダイさんは眼がクリクリして尾鰭は黄色なのですがツノダシさんの尾鰭は黒で眼は目立たず口元はかなり突出していて口の上にオレンジ色の模様があります・・・あれ?この写真のお魚さんは頭頂部はわずかにつき出た突起があるし眼を通る帯は眼の下まで突き抜けているからハタタテダイさんじゃなくてオニハタタテダイさん?

- トゲウオ目ヘラヤガラ科ヘラヤガラ属のヘラヤガラさんは温暖な海のサンゴ礁や岩礁に住んでいて小魚や甲殻類を食べています・・・ヘラヤガラ科の仲間は左右に平たく側扁した細長い体型をしていて最大で全長80cmほどにまで成長し吻は筒状に伸びていて下顎の先端には肉質のヒゲが存在します・・・何かおじさんぽくってとぼけた感じが可愛い気がします・・・ちなみに肛門はこれだけ身体が細長いと何処にあるかよくわかりませんが腹鰭よりもかなり後方に位置するそうです・・・またヘラヤガラさんは他の中~大型魚類に寄り添って泳ぐ習性がある事が知られていて今回はあまり大きなお魚さんとは言えませんがハタタテダイさんに寄り添ってたのかもしれません?・・・ヘラヤガラさんはなぜか斜め向きあるいは逆さまといった特異な姿勢のまま漂っている事が多く身体の色は個体差があり海藻などに擬態して変化させることもできるそうです・・・つまり泳ぎ方もそうですが海藻などに擬態することでうまく隠れながら獲物を狙っているという事なのです。
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