揺り籠の中の戦士!ホバリングできる群青!小笠原の孤高なる影となったシロワニさん? サメ 小笠原 diving-photo-tsubuankun

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深淵の静寂の中で恐ろしい牙を持つシロワニさん! 小笠原

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  • 深い群青色の海で光の届きにくいその世界を1匹の大きな影がゆっくりとまるで中空に浮くように進んできたのはネズミザメ目シロワニ科シロワニ属のシロワニ(サンドタイガーシャーク )さんです・・・全長3メートルを超えることもある巨体のシロワニさんは常に口が半開きで鋭いトゲのような歯が何列もむき出しで海のどんな生き物をも恐怖させるに十分な威圧感を放っています・・・その獰猛で恐ろしい顔つきをしているため人食いザメさんと誤解されがちですがその見た目とは裏腹に彼の泳ぎは驚くほど穏やかでその瞳はどこか静かで優しく非常に大人しい性格をしています・・・シロワニさんはは30年〜40年近く生きると考えられていて世界中の温帯・亜熱帯の沿岸域に広く生息していますが日本では主に小笠原諸島の周辺海域でよく確認されています 。
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  • サメさんの仲間は浮袋を持たないため通常は泳ぎ続けないと沈んでしまいますがシロワニさんは独自のテクニックを持っていて一度海面に顔を出しゴクンと空気を口から飲み込んで胃に溜めるのです・・・その胃に溜めた空気の量を調節することで浮袋を持たないサメさんの宿命に逆らい尾鰭を動かすことなく浮力を得て水中でピタッと見事にホバリングをすることができるのです・・・この素晴らしい特技によりシロワニさんはエネルギーを無駄に消費せず岩陰などでじっとしていられるのです・・・今このシロワニさんは海底の岩陰で静かにホバリングしながら自らの過去に思いを馳せていました・・・それはシロワニさんの命の始まりが過酷という言葉すら生ぬるい暗闇の戦いだったからなのです。
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  • シロワニさんの最も有名な特徴の一つが卵食・胎生と呼ばれる驚きの繁殖方法ですが雌は左右に2つの子宮を持っていてそれぞれの初期の子宮内には何個もの卵や胚が存在します・・・そして最初に孵化した最も強い胚が同じ子宮内にある他の卵や未熟な兄弟たちをすべて食べて成長するのです・・・母親のお腹の暗い子宮という名の揺り籠の上そこに宿ったいくつもの命がありました・・・その中で彼は一番最初に殻を破って生まれ生き残るための本能がまだ小さな彼を突き動かしたのです・・・彼は同じ子宮の中にいた未熟な兄弟たちをそして次々と現れる卵をすべて自らの糧として平らげていったのです・・・それは憎しみではなく唯一無二の強者として海へ出るためシロワニさんという種が背負った絶対の掟だったのです。
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  • そして最終的に左右の子宮からそれぞれ勝ち残ったわずか2匹の王者であるその片割れとして彼は1メートルもの大きさまで成長しこの広い海へと産み落とされたのです・・・そんな彼は生まれながらにして孤独でありそして最強の戦士だったのですが海に出てから彼を待ち受けていたのはホホジロザメさんやイタチザメさんなどの大型肉食ザメさんなどの天敵との戦いだけではなかったのです・・・ある日彼の視界に現れたのは巨大な鉄の塊とそこから伸びる無数の細い糸でした・・・そして仲間の多くがその糸に絡め取られ二度と海へ戻ることはなかったのです・・・命を繋ぐ難しさはお腹の中だけでなくこの広大な海でも同じだったのです・・・シロワニさんは世界自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧IA類の最も絶滅の恐れが高い部類に指定されています。
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  • 2年に一度わずか2匹しか生まれないという低い繁殖率に加え過去の乱獲や網への混獲が原因となってシロワニさんの仲間は年々その姿を消していったのです・・・そんな過酷な世界で彼は生き延びそして旅を続け世界の海を巡りやがてたどり着いたのが絶海の孤島・小笠原諸島だったのです・・・切り立った岩肌が海中へと続くその場所は彼と同じように生き抜いてきた仲間たちが集う数少ない楽園でした・・・シロワニさんが青く澄んだ小笠原の海を泳いでいると時折体から奇妙な泡を出す不思議な生き物である人間たちが自分を怖がりながらも憧れの眼差しで見つめてくるのに気づくのでした・・・人間たちはシロワニさんの恐ろしい顔を見て身をこわばらせるのですがシロワニさんがただ静かに通り過ぎるのを驚きそしてやがてシロワニさんの温厚な本質に気づいていくのでした。
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  • 乱獲と混獲そして開発による海洋汚染や環境変化の影響による生息地の破壊という成体になったシロワニさんを最も脅かし絶滅寸前にまで追い詰めている最大の天敵である人間を見つめながらシロワニさんは再びゆっくりと尾鰭を揺らし群青の深淵へと泳ぎ出しました・・・母親のお腹の中では過酷な闇を生き抜きそして絶滅の危機に瀕する海を泳ぎ続ける孤高の守護者シロワニさん!・・・その鋭い牙は誰かを傷つけるためではなく過酷な自然の中で自らの命をそして種の未来を明日へと繋ぐための誇り高き勲章だったのかもしれません・・・小笠原諸島は世界でも数少ないシロワニさんが集まる貴重な繁殖地・生息地として知られておりますが現在もシロワニさんの個体識別や生態の調査・保護活動が熱心に行われています。
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