たらこ唇のヒミツ?アジアコショウダイさんは海のなかの掃除機? イサキ科 小笠原 diving-photo-tsubuankun

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アジアコショウダイさんのぶ厚い唇とグーグー鳴くお腹の謎! 小笠原

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  • イサキ科コショウダイ属のアジアコショウダイさんがホンソメワケベラさんにクリーニングをしてもらおうといつものクリーニングステーションでホバリングして待っています・・・右側のアジアコショウダイさんが「お!来てくれた来てくれた!待ってたよ~!早くつんつんして頂戴!」って嬉しそうにしています・・・アジアコショウダイさんは大人になると体全体に黒く細かい斑点が無数に広がりぼってりとした厚い唇と正面から見たときの愛嬌のあるユニークな顔つきが大きな特徴です・・・小さい時期は大人とは全く異なり白と黒のパンダのようなカラーリングの大きな斑模様をしておりひらひらと激しく体を揺らしながら泳ぎます・・・アジアコショウダイさんは主に南日本や琉球列島・インド洋や中・西部太平洋などの浅い岩礁域やサンゴ礁に生息していてダイビングなどで比較的よく遭遇するお魚さんです。
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  • アジアコショウダイさんの特徴的なこのぼってりした分厚い唇は実は岩やサンゴの隙間に潜むエサを安全にそして効率よく捕まえるためのものだそうです・・・アジアコショウダイさんのこの特徴的な唇には厳しい自然界を生き抜くための大切な役割が隠されているようです・・・アジアコショウダイさんはゴツゴツした岩場や硬いサンゴの隙間にいるカニさんやエビさんなどの甲殻類やゴカイさん・小魚さんなどを好んで食べます・・・アジアコショウダイさんがエサを探して奥まで口を突っ込む際に尖った岩や硬いサンゴにぶつかってもこの分厚く発達した唇がクッションの役割を果たし口元が傷つくのを防いでいるのです・・・意外な役割ですがその他にアジアコショウダイさんはエサを見つけると口をすぼめて前に突き出し周囲の水ごと一気に吸い込みますがこの分厚く肉厚な唇は獲物の周りの隙間をピタッと塞いで強い吸引力を生み出す掃除機のノズルのような役割を果たしており逃げるエサを確実に捕らえることができるのだそうです・・・人間から見るとたらこ唇でコミカルに見える顔つきですがアジアコショウダイさんにとっては岩だらけの海底でご飯を食べるための生き残りに欠かせない最先端のツールなのです。
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  • ユウゼンさんもクリーニングをしてもらいにやってきましたがアジアコショウダイさんを含むイサキ科のお魚さんがグーグーグーと鳴くのはお腹の中にある浮き袋と骨を激しくこすり合わせその振動を太鼓のように響かせているからです・・・お魚さんには声帯がないため人間のように喉で声を出すことはできませんがその代わりに体内のパーツを巧みに使って音を作り出しています・・・音が出るメカニズムですがお魚さんが興奮したり危険を感じて体に力を入ると喉の奥にある咽頭歯と呼ばれる歯や肋骨のまわりにある骨・筋肉が激しくこすれ合います・・・この段階ではまだ小さなギチギチギチとかカリカリカリといった摩擦音にすぎませんがその小さな振動がすぐ近くにある空気の詰まった浮き袋に伝わります・・・この浮き袋がアコースティックギターのボディや太鼓の胴のように音を反響・増幅させることで周囲の水中によく響くグーグーグーとかクークークーという大きな低音へと変化するのです。
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  • それではなぜアジアコショウダイさん達は危険を察知すると鳴くのでしょうか?・・・主に仲間に危険を知らせるアラームや敵に対してこっちに来るなと威嚇する手段として使われています・・・釣りでイサキさんやコショウダイさんの仲間が釣り上げられた瞬間にグーグーグーと鳴く姿がよく知られていますがこれはお魚さんにとっては捕まってしまって大ピンチ!というパニックや威嚇のサインなのです・・・ところでそもそもお魚さんはどうやって水の中で仲間の音を聞き取っているのでしょうか?・・・お魚さんたちは水の中で主に内耳と側線という2つのセンサーを使って仲間の音や振動を聞き取っています・・・水中は空気に比べて音が約4.5倍も速くさらに遠くまで伝わるという性質があるためお魚さんたちは人間以上に音に対して非常に敏感なのです。
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  • お魚さんは人間のよう外側に出っ張った耳や鼓膜はありませんが頭の骨の中に内耳という立派な耳を持っており内耳の中にはカルシウムでできた耳石という小さな石とたくさんの感覚毛があります・・・水中から音(振動)が伝わってくるとお魚さんの体は水とほぼ同じ成分なので一緒に揺れますが硬い耳石だけは少し遅れて揺れます・・・この体と耳石の摩擦をセンサーが感知することで脳が音がした!と認識できるのです・・・またお魚さんの体の側面を頭から尾っぽに向かって走っている側線と呼ばれる器官がありますがこれは水の中だけで発達したお魚さん特有の超高性能なセンサーとなっています・・・側線は水流の変化や仲間が身震いしたときのごく低い周波数の振動を敏感に感じ取ることができます。
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  • これらの器官のおかげで視界が悪い濁った水の中や夜間でも仲間がどこにいるのか敵がどこから近づいてきているのかをお魚さんは正確に察知できるのです・・・その他に浮き袋が補聴器になっているお魚さんもいます・・・前述で浮き袋をスピーカーにして音を出すと説明しましたが実は聞くときには補聴器の役割を果たすコショウダイさんの仲間やイワシさんなどのお魚さんもいるのです・・・水中を伝わってきた音の振動を大きな浮き袋でしっかり受け止めそれを内耳へと連動させて響かせることでより小さな音までクリアに聞き取っています・・・このように全身のセンサーをフル活用して暗く広い海の中でもお互いのグーグーグーという危険信号をバッチリ受信し合っているのです。
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  • 色々調べるとお魚さんて凄いなと思いますがお魚さんの耳の中にある耳石は切り株の年輪のようにそのお魚さんの年齢を正確に知ることができるのです・・・耳石はお魚さんの成長に合わせてカルシウムなどが沈着し毎日少しずつ大きくなっていきます・・・耳石には日輪と年輪が刻まれ昼と夜の環境変化に合わせて毎日1本ずつ薄い層が作られるのが日輪で赤ちゃんが生まれて何日目かを数えるのに使われます・・・またエサが豊富で暖かい春夏には活発に成長しエサが少なく寒い秋冬には成長が遅くなるためこの成長スピードの差によって耳石に色が薄く不透明な層と黒っぽく透明な層が交互に作られます・・・この2つの層がセットで1年分となるため縞模様を数えることでそのお魚さんが何歳なのかが分かるのです・・・それ以外に耳石はお魚さんにとってのブラックボックスのようなもので年齢以外にもたくさんの過去のデータが記録されています・・・耳石に含まれる微量な化学成分を分析するとそのお魚さんが過去に川にいたのか?どの海域を旅してきたのか?という履歴がわかります・・・また縞模様の幅を見ることでこの年はエサがいっぱいでよく育ったんだなといった当時の海の環境まで推測できます。
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