コクハンアラさんには2つの顔がある? 小笠原

- ドロップオフ状態の壁を下唇をグッと出してこちらの様子を伺いながら悠々と泳いでいるのはスズキ目ハタ科スジアラ属のコクハンアラさんでしょうか?・・・なかなか貫禄のある姿ですがコクハンアラさんの全長は80~125cmに達する細長く頑丈な体をしています・・・コクハンアラさんの前鰓蓋骨は大部分が丸みを帯びており下部には3本の大きな下向きの棘があります・・・また背鰭の棘条部は軟条部よりも短く尾鰭が截形になっているのも特徴になっていますが確かに尾鰭は多くのハタ科の仲間と違って丸くないです・・・コクハンアラさんは二種類の体色が知られており1つは幼魚と同じで白色に黒い鞍型模様が入り尾柄と鰭が黄色いものともう1つは灰色がかった体色に背中に沿って5つの暗い鞍型模様が入り頭部は暗色で体に小さな青い斑点が入るものです・・・2つの顔を持つコクハンアラさんですがこの写真のハタさんは灰色がかった体色に背中に沿って5つの暗い鞍型模様が入っているコクハンアラさんの様ですが如何でしょうか?

- コクハンアラさんは全長20cm未満の幼魚の頃は体色が有毒なシマキンチャクフグさんに似ていて擬態していると考えられていますが成魚になっても体色が変化しない場合もあるのでその役割には疑問もあるようです・・・ちなみにスジアラさんの体は細長く頑強で前鰓蓋骨は大部分が丸みを帯びており下部には下向きの大きな3本の棘があって背鰭棘条部は軟条部よりも短いところはコクハンアラさんとよく似ています・・・またスジアラさんの尾鰭は弱く湾入し胸鰭は淡色で体色はオリーブグリーンまたは赤褐色からオレンジ色で上半身には明るい青色の斑点が規則的に入り目の周りには青い輪があります・・・それからスジアラさんは素早く体色を変えることができ狩りの際にはしばしば斑模様になるそうです・・・姿形はスジアラさんにも似ていますがその他の特徴からこの写真のハタさんはコクハンアラさんだと思います。
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