前ボスの急逝でハーレム王に強制進化されたアカハタさん! 小笠原

- 岩の隙間からひょいひょいと泳いできたのはスズキ目ハタ科マハタ属のアカハタさんで全体的に赤みがかったオレンジ色から朱色をしており水深や環境や個体の状態によって濃淡が変わるのがひとつの特徴です・・・アカハタさんは大きくパッチリとした可愛い目も特徴ですが最大でも40cm程度までしか成長せずハタさんの仲間の中では比較的小型な部類に入ります・・・本州中部以南の比較的温暖な地域の岩礁やサンゴ礁の隙間など水深の浅い場所を好んで生息していて非常に美味しい高級魚として知られています・・・アカハタさんの身は透明感のある純白で非常に強い旨味と上品な甘みがあり皮や鰭の周りには良質なコラーゲンが豊富で市場ではキロあたり数千円で取引されています。

- アカハタさんは昼間は岩の隙間や洞窟の奥に潜んでいることが多く夜になると活発に動き回り目の前を通りかかったエビさんやカニさんなどの甲殻類・小魚さんやタコさんやイカさんなどの頭足類獲物を一瞬の爆発的なスピードで丸呑みにする待ち伏せ型のお魚さんです・・・ちなみによく似たアカハタモドキさんは市場では区別されずにどちらもアカハタさんとして売られることも多いそうです・・・両者の区別ポイントですがアカハタさんの背鰭のトゲの先端は黒くアカハタモドキさんは鮮やかな赤色〜オレンジ色をしています・・・また背鰭の後ろ&尾鰭上部ですがアカハタさん全体が赤くアカハタモドキさんは黒〜暗緑色のくすんだ模様があります・・・それから尾鰭の形がアカハタさんは後ろに向かって丸みを帯びていますがアカハタモドキさんはまっすぐ切り落としたような直線状(截形)になっています・・・体の横縞に関してはアカハタさんは5〜6本の濃い赤色の縞が比較的ハッキリ出ていますがアカハタモドキさんは縞模様がないかあってもかなり薄くなっています。

- アカハタさんはすべてメスとして生まれ岩の隙間などに隠れながら小さなエビさんやカニさんなどを食べてひたすら体を大きくすることに専念します・・・ある程度大きく育つと浅い海の岩礁域でコミュニティを作りますが基本的には1匹の大きなボス(オス)を中心に複数のメスたちが集まるハーレムを形成して暮らします・・・ボスであるオスは縄張りを守り外敵や他のオスを追い払う役割を担いますがハーレムを率いていたボスが釣られたり寿命を迎えるなどして突然いなくなったりすると残されたメスたちの中で最も体が大きく強かったメスがわずか数日から数週間のうちにオスへと性転換します・・・それは単に役割が変わるだけでなく卵を作る卵巣が消え精子を作る精巣へと体の組織そのものが完全に変化するのです。

- 「え!私の事を話してる?」といった表情でこちらの様子をいぶかりながら伺ってますがアカハタさんのオスはそれまで仲間だったメスたちを勇ましく率いるようになるのです・・・お魚さんの世界では卵をたくさん産むためには体が大きい方が有利という原則がありますがアカハタさんは効率よく多くの子孫を残すためこのような変化をするのです・・・つまり海で見かける35cm〜40cmクラスの大型アカハタさんはほぼすべてがオスということになりますがオスになると縄張り意識が非常に強くなり他のオスを威嚇したり噛みついたりするため顔や体に傷が増えより野生味のある顔つきになります・・・下の写真のアカハタさんは顔が傷だらけだしその表情と言い歴戦の戦士といった貫禄がありますね。


コメント