統制の取れた青い軍団クマザサハナムロさんが赤の軍団になるのは?

- 気持ちよさそうに集団で泳ぎ回っているのは水中では背側が青く見え腹側は白く見えるスズキ目タカサゴ科タカサゴ属のクマササハナムロさんではないでしょうか?・・・クマササハナムロさんは潮通しのよい外洋に面した岩礁やサンゴ礁の周辺を群れで回遊し中層を遊泳しながら主に動物プランクトンを食べて暮らしています・・・いつ見ても不思議に思うのですが市場で見るクマササハナムロさんは体色が赤色なのですが海の中ではほぼ青白いクマササハナムロさんなのです・・・でもクマササハナムロさんは危険やストレスを感じると体色が赤色や斑点などに変化しそして死ぬと体色は赤色になるのです・・・だから通常お魚さん屋さんなどで見るクマササハナムロさんは赤く一般では赤いお魚さんとして知られているのです。


- クマササハナムロさんのこの色の変化の事を知っていても海の中で見るクマササハナムロさんが市場で見るクマササハナムロさんと同じお魚さんであるとは私には到底思えないのです・・・海の中ではクマササハナムロさんは写真の様に背側が青く腹側は白く体には細い縦帯と尾鰭の両側に黒色帯があります・・・気持ちよさげに乱舞しているこの綺麗な青色のクマササハナムロさんが本当に赤く変化するなんて信じられないのですがこれがクマササハナムロさんの特徴なのですから仕方ないですね・・・クマササハナムロさんは西太平洋や中部太平洋そしてインド洋やアフリカ東海岸からオーストラリア西海岸まで広く見られ国内では小笠原諸島や沖縄などの南日本で見られます・・・クマササハナムロさんは昼は写真の様に青くなっていますが夜間など暗い場所でも赤くなるそうですのでナイトダイビングをすれば全く印象の違う赤いクマササハナムロさん達に出会えるかもしれませんね。

- クマササハナムロさんの体長は25cm程度で体は細長い紡錘形で吻は短く眼隔域は隆起していますが夜間眠っている時などは4~5本の細くて白い横帯が現れるそうです・・・それからクマササハナムロさんに酷似しているタカサゴさんやニセタカサゴさんという方がいらっしゃいますがクマササハナムロさんは身体の縦帯が細い黒色なので区別できます・・・タカサゴさんの全長は30cm程度でクマササハナムロさんと同じように頭が小さく細長い紡錘形をしておりますが背と体側に黄色の細い縦線が2本あります・・・またタカサゴさんの体側の黄色い縦線は側線より下にありますがニセタカサゴさんの黄色い縦線は側線に沿っております・・・それからタカサゴさんやニセタカサゴさんの尾鰭は上下の先端が黒くなっていますがクマザサハナムロさんの尾鰭はハの字の黒色帯になっておりその違いで区別できます。


- いずれにしろ海の中では見事な群れでスイスイ泳ぎ回っている綺麗なお魚さん達です・・・またクマササハナムロさんはササムロさんともよく似ていますがササムロさんの体高はタカサゴさんより高く尾鰭上・下葉に黒色帯があり体色の黄色線は側線よりもやや上方を走り各鰭は白っぽいなどの違いがあります・・・クマササハナムロさんは普段沿岸の浅い所に居ますが水深60m程のところでも見られることがあるそうです・・・動物プランクトンなどを食べながら大きな群れで生活しているので浅いところのプランクトンを食べ尽くしてお腹が空いたクマササハナムロさんが仕方なく深いところまでエサを探しに行ったのでしょうか?・・・確かにクマササハナムロさんの群れは凄い数なのでそれだけの数が「お腹が空いたよ~!」ってパクパクパクパク一斉にプランクトンを食べたらすぐに無くなりそうですもんね。

- ちなみにクマササハナムロさんは沖縄ではウクーグルクンさん奄美ではアカウルメさんなどと呼ばれていて追い込み漁や刺し網などで獲られ食用に利用されています・・・クマザサハナムロさんの鱗は細かく取れやすく血合いの強い白身のお魚さんで食べる時は小骨が多いので注意しなければなりません・・・クマザサハナムロさんの食べ方は刺身がメインで刺身は皮付きで出してくれる時もあり皮はコリコリしていて良い感触です・・・またクマザサハナムロさんのから揚げはサクサクしていて頭から尻尾まで皮から骨まで全部美味しく食べることができます・・・焼き物や煮つけにも利用される美味しいお魚さんですが鮮度が落ちやすいお魚さんでもありマグロさんなどの餌としても活用されています・・・私はグルクンさんの焼き物や刺身も好きですが唐揚げが一番好きですね!・・・それにしてもクマササハナムロさんは喧嘩もせず仲良く集団生活をしていますが何かコツでもあるのでしょうか?・・・集団生活では意見が対立することも多々ありますが問題を解決するために相手の立場になって考え柔軟な思考で協力し合うことが大切かもです・・・それにしてもクマザサハナムロさんがすごい数で元気に泳ぎまわっていますがなかなか壮観で迫力があります・・・ちなみにタカサゴさんと言う名前は能楽から来ているのかと思っていましたが実は能楽のタカサゴとは関係が無いようです・・・タカサゴさんの名前は「たか」岩礁「さご」細魚という意味だそうで岩礁の細魚なんて正にその通りですがちょっと残念な気がします。


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