小笠原総集編(ハ行-ハ-2) diving-photo‐tsubuankun

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バンドウイルカ‐小笠原

ハナビラウツボさんとアデウツボさんの違いは何処ですか?

  • サンゴ礁の裂け目からちょこんと顔を出してこちらの様子を伺っているのはハナビラウツボさんでしょうか?・・・小さな目がかわいいです・・・ハナビラウツボさんは最大で全長約1メートルぐらいの大きさになり口の中は真っ白でいつも歯磨きをしているような清潔そうな色をしています・・・体の色はあずき色から黒褐色の地色で白い小さな円斑がたくさん散在しているのが特徴です・・・でもその白色斑がつながっているハナビラウツボさんもみられるそうです・・・ハナビラウツボさんはサンゴ礁域の浅い所で身体の大部分をサンゴさんの割れ目などに隠して獲物を待ち受けながら暮らしています・・・ハナビラウツボさんの上顎の前方に大きな犬歯が3つあるのも特徴で魚類や甲殻類や軟体動物などが近づいてくるとバクっと食べて生きています。
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  • 実はハナビラウツボさんとよく似た体の色をしているシモフリタナバタウオさんという方がいらっしゃいましてこのお魚さんは危険が迫ると身を守るために頭だけサンゴ礁の割れ目に突っ込みハナビラウツボさんの真似をして身を守るのです・・・・シモフリタナバタウオさんの体長は20cm程度で体は細長く著しく側扁していて各ヒレは大きく尾ビレは菱型で後縁は尖っています・・・体の色は暗褐色で小さな薄青色の丸い斑が多数見られ胸ビレ以外の各ヒレにも同じ斑が散在しています・・・また背ビレ軟条部の後縁辺りにはハナビラウツボさんの眼に似せた目玉のような模様を持っておりシモフリタナバタウオさんは敵に襲われないためにハナビラウツボさんに擬態するのだそうです・・・本当によく似ていますよ・・・シモフリタナバタウオさんは昼間は岩棚の下や海中洞窟などの物陰で見られることが多く普段は単独で生活し夜間に小魚やエビ類を捕食しています。
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  • それからハナビラウツボさんによく似たウツボさんにアデウツボさんという方がいらっしゃいます・・・アデウツボさんにも白い斑点がたくさんありハナビラウツボさんに似ていますが口の中は艶やかな黄色なのですぐに違いが判ります・・・でも写真の様に口を閉じていたらどうしましょう?・・・実は目を見ればわかるのです・・・アデウツボさんの眼の虹彩には上下に黒色の斑点があって縦長の眼のように見えます・・・ハナビラウツボさんにはこの黒い斑点はありませんので口を開いていない時は眼を見て差別化してみましょう・・・写真のウツボさんの眼の虹彩には上下に黒い斑点がないのでハナビラウツボさんだと思います。

ハナミノカサゴさんとその仲間達の違いは何処?

  • スズキ目フサカサゴ科のミノカサゴさん達はよく似ていていつも迷ってしまいますので今回違いを確認してみました・・・まずはハナミノカサゴさんですが背びれ・臀びれ・尾びれの軟条に細かい暗色斑があって体の色は赤褐色で下あごの裏にも模様があり側線部に白い鱗を点線状に有しています・・・目の上と口の下の肉厚の触手のようなものがあり扇子のような胸鰭をしていて長い背棘を持っています・・・背びれ・尻びれの先端の棘の部分に毒があり刺されると激しい痛みを伴い患部が赤く腫れ上がります・・・岩礁やサンゴ礁を好み胸ビレ軟条が14~15本という点でもミノカサゴさんと見分けることができます・・・でもダイビング中にいちいち数を数えないですよね・・・ミノカサゴさんの体長は25cm~30cm程度で背ビレを中心に毒を持っていますが毒の種類は混合毒で刺されると患部は赤く腫れ上がりめまいや発熱・頭痛・吐気・呼吸困難などを引き起こしてしまいます・・・この毒は外敵だけでなくミノカサゴさんの仲間に対しても毒性を発揮するそうです・・・同じ仲間だと耐性がありそうですがそうでもないんですね・・・ミノカサゴさんはハナミノカサゴさんと違って尾ビレにはっきりした斑紋がなく開けた砂地を好みウロコが1枚ずつはっきり目立ち下アゴの腹面にハナミノカサゴさんの様な茶色の縞模様がありません・・・胸ビレ軟条が12~13本という点でもハナミノカサゴさんと見分けることができます。
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  • その他にもよく似たネッタイミノカサゴさんやキリンミノカサゴさんがいますネッタイミノカサゴさんは胸ビレの膜が先端まで伸びてなくて青や黒の斑紋があり眼上の皮弁は長く縞模様があります・・・ネッタイミノカサゴさんは胸ビレの軟条が白色または赤色で胸ビレの膜に斑紋がないキミオコゼさんや胸ビレの軟条が赤系統の縞模様となるミズヒキミノカサゴさんなどよく似ています・・・キミオコゼさんとの違いはネッタイミノカサゴさんは吻端に3本の皮弁があり眼上の皮弁が横縞模様になっていて背鰭・臀鰭・尾鰭の軟条に小暗褐色斑と胸鰭基部の鰭膜に黒斑があることです・・・ミズヒキミノカサゴさんとの違いは胸鰭の軟条に縞模様があるかどうかでネッタイミノカサゴさんは白または赤の単色なのに対しミズヒキミノカサゴさんは赤~褐色の縞模様があります・・・またキリンミノカサゴさんは胸ビレの「膜」に切れ込みがなく尾の付け根に「T字」状の模様があり眼上の皮弁は長く吻端にも3本の皮弁があります・・・ウチワのような胸ビレのためミノカサゴさんやハナミノカサゴさんやネッタイミノカサゴさんと見間違えることはありませんが幼魚のうちは切れ込みがあるので注意が必要です・・・キリンミノカサゴさんの体色は淡い褐色や赤みを帯びたような淡灰色などで体にはミノカサゴさんのように暗色の横縞あります・・・でもこの横縞はミノカサゴさんよりもずっと太く8本程度の暗褐色の太い横帯と細い横帯が交互に並んでいてその内の一本は眼のところを通っています・・・キリンミノさんの毒はミノカサゴさんの中ではもっとも強力なのでうっかり触れたりしないように注意しましょう。
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スイスイス~イと華麗に泳ぐバラハタさん! 

  • 目の前をスイスイス~イと華麗に泳いでいるのはスズキ目ハタ科バラハタ属のバラハタさんです・・・バラハタさんは通常60cmほどまで成長しますが中には美味しいものをいっぱい食べることができたのか80cmくらいに成長するものもいます・・・栄養のある者をいっぱい食べて安心してぐっすり寝るとストレスも無くなり成長は促されますね・・・バラハタさんは胸鰭や背鰭や尻鰭そして尾鰭の後端が綺麗な黄色で各鰭の後端と尾鰭の上下の端が長く伸びるのが特徴でここで他のハタ類と区別できます・・・バラハタさんの体色は和名のとおり鮮やかな朱色で全身に赤色の小さな斑点があるのが特徴ですが地色が朱色ではなく褐色や紫色の個体もいます・・・写真のバラハタさんは後者のちょっと地味目の奥ゆかしい方の様ですね。
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  • そんなバラハタさんのおちびさんはお腹側が白く背中側が緑や白やピンクなど様々な色をしていてベラさん達によく似ていますが目から尾鰭の上まで太い黒色の帯があることは共通しています・・・そしてバラハタさんのおちびさん達は成長するにしたがってこの黒い帯が消え全身が前述の様に赤や褐色や紫色に変化していきます・・・話は変わりますが外見はバラハタさんによく似ているオジロバラハタさんという方がいらっしゃいます・・・オジロバラハタさんの全長は35cmほどでバラハタさんよりも小型であることと和名のとおり尾鰭の後端が白いのが特徴になっています・・・またオジロバラハタさんのおちびさんはバラハタさんのおちびさんの様な目から尾鰭の上までの黒い帯がなく成魚と同じような赤系統の体色をしています。
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  • バラハタさんは写真の様に熱帯・亜熱帯域の岩礁やサンゴ礁で暮らしていて浅い海からなんと水深200mほどの深海まで幅広く生息しています・・・バラハタさんの食性は肉食性でエビさんやカニさんシャコさんなどの甲殻類を始め魚類も捕食します・・・また他のハタ類は海底からあまり離れずじっとしていることが多いのですがバラハタさんは海底から離れて遊泳することも多いのでもしかしたらバラハタさんは好奇心旺盛なのかもしれません・・・バラハタさんは他のハタ類と同じく食用にもできるのですが特に大型個体はシガテラ中毒の危険が高く普通は食用にされません・・・しかし海域や食べた餌によってこのシガテラ毒を持たないバラハタさんも棲息しており沖縄や宮古島では高級魚として扱われているそうです・・・現地の漁師の間ではシガテラ毒を蓄積したバラハタさんの表面が黒色に変化するため判別は可能であるとされていますが科学的根拠はないそうです・・・まあ無理して食べる必要は無いかと思います。
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やっぱり可愛いバンドウイルカさん?ハシナガイルカさん? 

  • クジラ目マイルカ科バンドウイルカ属のバンドウイルカさんなのか?クジラ目マイルカ科スジイルカ属ハシナガイルカさんなのか?・・・今回のダイビング中エキジット寸前にイルカさんの群れが現れて一緒に遊んでくれました・・・ちなみにハシナガイルカさんの和名はその名の通りくちばしが長いことに由来しています・・・またハシナガイルカさんは英名でSpinner Dolphinと呼ばれていますがしばしばアクロバティックにスピンをしながらジャンプするのでこの名前が付いたそうです・・・ハシナガイルカさんが見事にクルクル回転しながらジャンプするその姿は移動中の船上で見かけることがありましたがそのジャンプは見事としか言いようがないです。
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  • ハシナガイルカさんの体色はほぼ濃い灰色ですが喉や背中や尾鰭のあたりなどはより濃い灰色になっています・・・ハシナガイルカさんの腹部はクリームがかった白であることが一般的ですが個体による差がかなり大きいようです・・・体長は130cmから235cm程度で口吻は細長く先端は黒っぽく鰭も同程度のサイズの他のイルカさんと比較すると長くなっていて背鰭は垂直に立っています・・・ハシナガイルカさんの雄は尾の下面にある瘤状の隆起がありこの隆起で雌雄の識別をすることができます・・・ハシナガイルカさんは数頭の群をなすこともあるし数千頭もの巨大な群で行動することもあるそうです・・・数千頭の巨大なハシナガイルカさんの群れがあちらこちらでスピンしながらジャンプをしまくっている光景なんて見てみたいものです。
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  • 一見ほぼ全身が灰色のバンドウイルカさんですがよく見ると背鰭の先端辺りの濃い灰から腹面にかけて明るい灰色に変化し腹部はほぼ白色になっています・・・バンドウイルカさんも上下の吻は大きく突出していてその先端辺りに鼻があるように思えますがご存知の通り本当の鼻孔は頭の上の噴気孔です・・・バンドウイルカさんは口角が上がっていて顔つきが笑顔のように見えるため不思議と親しみがわいてきます・・・体長は2m~4mあり平均的にはオスはメスより若干長くなっています・・・それから比較的暖かい浅い海域で暮らすバンドウイルカさんの群れは冷たい遠洋で暮らすバンドウイルカさんの群れに比べて小さい傾向にあります。
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  • ちなみにバンドウイルカさんの睡眠は非常に浅く睡眠中は脳の半分は眠って残り半分は覚醒しそれを交互に切り替えながら泳ぎ続けるという説が有力だそうです・・・眠りながら泳ぎ続けるなんて効率的というか?落ち着きが無いというか?敵から身を守るにはいい事なのかもしれませんね・・・それからバンドウイルカさんは人懐こく好奇心が旺盛な性格であることが良く知られていて今回の様にダイバーの周りに集まってくることも珍しくありません・・・またバンドウイルカさんは傷ついた仲間を助けようとする行動から傷ついたダイバーを助けようとして水面へ持ち上げようとすることもあるそうです・・・ただし溺れていない人間を沖へ運ぼうとして危険な目に合わせたという事例もあるので意図して人助けをしたのか?イルカの持つ習性に基づいた行動なのか?いろいろ説もあるようです・・・下の写真は私がカメラを構えているとぐんぐんと近づいて来てニコットポーズを取ってくれた時の写真です・・・これはバンドウイルカさんですよね?
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