カワビシャ科は温暖な海の岩礁域で暮らしていて日本近海からは少なくとも4属4種が知られています。海底付近を遊泳する肉食性のお魚さんで水深はやや深く水深40~400mの範囲で暮らす種類が多いようです。カワビシャ科のお魚さんは左右に平べったく著しく側扁した体型をもち体高は一般に高くなっています。特に高いツボダイ属などさまざまな種類がいて頭部が露出した骨に覆われることが大きな特徴です。
生ける伝説!凄い名前をもらったテングダイさん! 小笠原

- 今回も足元も見ると飄々と派手な衣装で現れたのはスズキ目カワビシャ科テングダイ属のテングダイさんですが基本深場の岩礁域で暮していて突き出た吻と黒い縞模様と黄色い鰭が特徴です・・・テングダイさんはテングさんの様なこの突き出た吻が名前の由来で全長90cmくらいにまで成長しますが私はまだそこまで成長した貫禄のあるテングダイさんは見たことが無いです・・・おそらく90cmまで達したテングダイさんは天狗の親分さんのような威厳というか神秘性と言うかそんな印象を感じるのではないでしょうか?・・・一度でいいですからそんなテングダイさんにあって見たいものです・・・それからテングダイ属はテングダイさんのみから成る単型でご覧の通り体高は高く頭部の輪郭は急で背鰭の軟条部の下は丸みを帯びているのが特徴です。

- テングダイさんは肉食性で夜間に摂食を行いますが成魚になると頑丈な細長い吻を持ち唇と顎には密集した髭がはえ特に顎の髭は非常に長く時には枝分かれしてしまっているそうです・・・テングダイさんは無頓着であまり手入れをしていないので枝毛にでもなってしまったのでしょうか?・・・テングダイさんの背鰭は高く三角形で後方に向かって突出しており棘条は後方に向かうにつれて長くなります・・・体には6本の幅広い暗色の縞があり背鰭や臀鰭や尾鰭は黄色で今回は単体でしたがしばしばつがいや小さな群れで現れます・・・このテングダイさんは暖かい海域にいるお魚さんであまりまとまってとれないのですが頑固おやじの様な見た目と違って食べると味がとてもいいそうです・・・臭みのあるテングダイさんは少なくまた身体の部位の中にも臭みの強い場所も無く上質な白身で秋から冬にかけてが旬でとても美味しいお魚さんです。

そんなに怒ってないよね?テングダイさん! 2024 小笠原
- 岩陰で2匹仲良くツンツンしながら泳いでいるのはスズキ目カワビシャ科テングダイ属のテングダイさんです・・・テングダイさんの体側には黄色と暗色の横帯がありますが頭の部分も含め6本の黒色横帯がはっきりとしています・・・同じ科のカワビシャさんによく似ていますが背鰭は大きく臀鰭棘は短く臀鰭の第2棘は強大ではありません・・・テングダイさんの腹鰭だけは黒くなりますがそれ以外の鰭は鮮やかな黄色をしていてとても綺麗です・・・なぜテングダイさんは腹鰭だけ黒いのでしょうか?・・・テングダイさんが腹黒いのではというイメージをどうしても持ってしまうのは私だけでしょうか?・・・まあそれはさておきテングダイさんの口は小さく著しく前方へ突出していてその様子が天狗さんに似てることからテングダイさんの名前が尽いたそうですが下顎の下面には短いひげが一面に生えていてこれも天狗さんのイメージにぴったりですね。

- テングダイさんの体長は50cmになる大型種でやや深い岩礁域で暮らしていますがよく群れを作って泳いでいます・・・テングダイさんは肉食性なのですが動きは敏捷ではなくウミシダさんの仲間やクモヒトデさんの仲間といった棘皮動物を好んで食べることが知られています・・・それからテングダイさんの成人とそのおちびさんとでは様子がまるで違っていておちびさんは灰褐色の地色で体側には暗色の斑が散在しているのです・・・ぱっと見た目親子とはわからないかもしれませんね・・・ちなみにカワビシャさんの体は三角状で体高が著しく高く背鰭の前方部は長くなっています・・・カワビシャさんの口は小さめですが唇は厚く両あごには強い歯帯があり外側の方はやや犬歯状で下顎には短いひげがびっしり生えています・・・下の写真ではテングダイさんの顔が小さなごみのようなもので見えなくなっていますがプランクトンかと思ったらよく見ると小さなお魚さんの赤ちゃんがいっぱい群れているのです・・・小笠原のこの時期はお魚さん達の誕生シーズンなんですね。

コメント