いつも暗がりで控えめなへの字眉毛のクロオビマツカサさん!
- ちょっと一部しか見えませんが右下のダイバーが泡をぶくぶく吐いているそんな明るい海の中でもちょっと岩陰を覗いてみるといろいろなお魚さんが隠れています・・・岩陰でよく群れで見かけるのがキンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属のクロオビマツカサさんとその仲間です・・・いつも暗いところで群れを作っている控えめなお魚さんなのですが鰓の後ろの黒い帯がクロオビマツカサさんの特徴でそこにちょっとした個性の主張を感じさせられます・・・ところでクロオビマツカサさんは同じキンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属のウロコマツカサさんとよく似ています・・・はっきりとした赤と白の体色であるウロコマツカサさんの尾鰭・尻鰭・背鰭の端には黒い斑点がありますがクロオビマツカサさんには尾鰭・尻鰭に黒い点がありませんのでそこで区別できます。

- ちなみにイットウダイ科のお魚さん達は世界で8属約80種が知られていて日本には6属40種が暮らしていますが日本にいないヤスリエビス属とノボリエビス属のお魚さんは何れも大西洋で暮らしています・・・イットウダイ科の多くの種類が浅海の岩礁域やサンゴ礁に住んでいて昼間は岩陰に群れて隠れていますが夜は単独で活発に活動するものが多いようです・・・またイットウダイ科エビスダイ属は他の属たちとは違い浅海では無くやや深海で暮らしています・・・イットウダイ科アカマツカサ属にはアカマツカサさん・ウロコマツカサさん・キビレマツカサさん・ツマグロマツカサさん・クロオビマツカサさん・ヨゴレマツカサさん等がいますがこれらのお魚さん達は同定がかなり難しいのです・・・アカマツカサ属のお魚さん達は胸鰭腋部と下顎の先端にそれぞれの特徴がありますがやっぱり私には区別が難しいです。

- 大きな目に鰓蓋膜と主鰓蓋骨に暗色域が帯のようにつながって眉毛のように見えるクロオビマツカサさんの体長は15cm程度で下顎の先は上顎よりも突き出ていて他の同属のものに比べると鱗は小さくなっています・・・体の色は薄い赤色で一見してアカマツカサさんとよく似ていますがアカマツカサさんは黒色帯が繋がっていないことや体の色も鮮やかな赤色であるなどの違いがあります・・・またナミマツカサさんなどにもよく似ていますが胸鰭腋部には小さな鱗があり鱗の大きさなどで見分けることができるとされていますが個体差などもあり外見だけで判別するのは難しいです・・・それにしてもこのクロオビマツカサさんの何とも言えない眼の表情とへの字眉毛は愛嬌がありますよね。
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