『フグの仲間』総集編 (アーナ)diving-photo‐tsubuankun

Dive-photo まとめ 分類
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各地のダイビングポイントで見かけた『フグさん』達をまとめてみました。ふぐさんは、敵を威嚇するために、空気や水を吸い込んで体の体積を2倍以上にぷーっと膨らませることができるかわいいお魚さんです。でも、強靭な4つの歯の噛む力は細い針金程度なら容易に切断できるほど強いため注意が必要です。

もしかしてウミスズメさんがネジリンボウさんに嫉妬? 柏島

  • フグ目ハコフグ科コンゴウフグ属のウミスズメさんは海のスズメという名前が付いていますので名前を聞いただけの時は小さくて可愛くてチュンチュンといった感じのイメージを持っていました・・・ところが実際ウミスズメさんにお目にかかってみると結構大きなお魚さんでちょっとイメージしたお魚さんとは違いましたがよく見るとおちょぼ口で円らな瞳の憎めない顔をしていて可愛いじゃないですか!・・・ウミスズメさんは身体の割に小さな鰭でチョボチョボチョボと泳ぐ姿は愛嬌があって何とも可愛い限りです・・・ウミスズメさんは眼の前と背中や尾部に小さな棘がチョボっとあり体にはシマウミスズメさんのように明瞭な模様は無く海底付近をさまよっておりますが好奇心が強いのか結構近づいてきます・・・この時も最初は遠くに居たのにいつの間にかすぐ近くまで私の様子を伺いにやってきていました。
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  • 今回は写真左下に姿を現しているネジリンボウさんを撮ろうと思って海底に這いつくばってネジリンボウさんに気づかれないように少しづつ慎重に後ろからにじり寄っていました・・・そんな状態の私の所へウミスズメさんが「僕も撮ってよう!」と口を尖らせていますがのんびりした顔でピロピロと泳いでやって来たのです・・・「オイオイ!ウミスズメさん!ネジリンボウさんが驚いて穴の中に引っ込んでしまったらどうしてくれるんだい!」と心配で気が気でない私の気持ちなど関係ないといった感じでウミスズメさんは愛嬌のある顔でポーズを取っています・・・ウミスズメさんの鰭がネジリンボウさんに当たってしまいそうですが仕方ないのでポーズを決めているウミスズメさんを撮影しました・・・ウミスズメさんの横で警戒しているネジリンボウさんの何とも哀愁のある後ろ姿が可愛いです。

コクテンフグさんはゴマちゃんのお友達かな? セブ

  • フグ目フグ科モヨウフグ属のコクテンフグさんの体には黒色の小さな点がポツポツと散在するのが特徴でこの写真のコクテンフグさんの身体の色は灰色ですが色彩はとても変異に富んでいます・・・コクテンフグさんの身体の色は灰褐色のものや黄色いものや青みがかかるものから黄色と灰色の二色に分かれるものなど様々な色が知られています・・・そんなコクテンフグさんですが眼の周囲が黒っぽくなるものや胸鰭基部が黒っぽくなるものが多いようで岩陰に隠れてこちらの様子を伺っているこの写真のコクテンフグさんも目と胸鰭のあたりが黒くなっていて色的には地味ですがなんともかわいい限りです・・・コクテンフグさんも他のフグさんと同様に敵を遠ざけるために空気や水を吸い込んで自身の体を膨らませ威嚇をする習性がありますがこの容姿で膨らんだ姿を想像するとちょっと愛嬌がありますよね・・・ところでこのコクテンフグさんは鼻のあたりに棘のようなものがありますが何でしょうか?
  • コクテンフグさんは他の多くのフグさんと同様に強い毒を持ち食べると死に至ることもあるため食用は不可ですが最大で全長33cmくらいに成長します・・・コクテンフグさんはアザラシさんやワンちゃんに似た丸い顔を持っているので「ドッグフェイスパファー」とも呼ばれています・・・確かにコクテンフグさんの口のあたりはアザラシさんやワンちゃんの鼻にように見えますしゴマちゃんにも似ていてとても可愛いです・・・「ゴマちゃん最近何処に行ったのかと思ったらこんなところにいたの?」って思ってしまいます・・・こちらを見ているコクテンフグさんの性格はおとなしく臆病で人懐っこいそうなのですがその目がワンちゃんのように汚れを知らない純情そうな目で私の心を射抜きます・・・ちょっと気になったのですがコクテンフグさんのお尻のあたりから二本の突起のようなものが出てきているように見えますが何でしょうか?・・・コクテンフグさんの尻鰭でもなさそうだし?・・・ちょうどコクテンフグさんのお尻の後ろに何かいて写りこんだのでしょうか?・・・未確認物体?怪奇現象!?

サザナミフグさんはこれから何か巻き起こすのでしょうか? 小笠原

  • フグ目フグ科モヨウフグ属のサザナミフグさんの体の色は明るい灰色などで体は小さな棘で覆われ鼻孔にはふたつの小さな皮弁がちょこんとあります・・・サザナミフグさんの体には白点が見られますが幼魚と成魚では異なっていて幼魚では体の色がかなりの暗色で腹の部分にさざなみ状の筋がはっきりくっきりと見られます・・・成魚でも腹部に波状の筋が見られますがその筋は太くなっており全体的に腹部が白っぽく見えるようになります・・・このお腹にさざ波のような白い模様があることからサザナミフグさんという名前になったそうです・・・水面上を風が吹き始めると最初にさざ波が発生しますがこのさざ波という言葉はこれから何かが始まるような何かを巻き起こすような想いを馳せられる言葉でそんな名前を付けてもらったサザナミフグさんも何かを巻き起こすのでしょうか?
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  • サザナミフグさんは暖かい海で暮らしていて水深は3~35mぐらいの河口やサンゴ礁のような浅い海の砂底を好みタイドプールなどでも見かけますが穏やかな場所を好むのでサザナミフグさんの性格も穏やかなのかと思えば攻撃性は中程度だそうです・・・サザナミフグさんはフグの中では中程度の大きさで最大50cm程度まで大きくなり体型は一般的にフグ型と称される楕円形をしていて頭部が大きく尾柄部が側扁しています・・・サザナミフグさんの目や胸鰭の周りには同心円状に広がる白色と濃い灰色の線が入っているのが特徴になっているのがわかりますがこの写真では名前の由来であるお腹のさざ波が確認できませんね・・・サザナミフグさんは雑食性でサンゴ藻や軟体動物やホヤやカイメン・カニ・ウニ・ヒトデなどいろいろなものを食べます。
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  • サザナミフグさんは国内では津軽海峡以南の太平洋側と日本海側・伊豆諸島・小笠原諸島・琉球列島などで見られます・・・またサザナミフグさんの幼魚は河口の汽水域に侵入したり流れ藻について沖合を漂うこともあるそうですが寂しくないのか?不安でないのか?小さな子供なのに沖合に向かうなんてなかなかの冒険家ですよね!・・・それからサザナミフグさんは大人になると夜行性で単独行動をするようになりますが縄張りを形成し同種の他個体が侵入した場合などは攻撃的になります・・・サザナミフグさんのこんな歯で咬まれたらたまったものでは無いですね・・・またサザナミフグさんは肝臓や卵巣などに強い毒を持っており筋肉にも毒性があるとされるだけでなく皮膚からも毒を出すそうなので可愛い顔をしていますがさわらぬ神に祟り無しですね!
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このシマウミスズメさんは左目の上に棘がない? 小笠原

  • フグ目ハコフグ科コンゴウフグ属に属するシマウミスズメさんですが仲間にはウミスズメさんとコンゴウフグさんがいます・・・ハコフグさん達は皮膚に骨板が発達していてそれらが多数絡み合って全身を装甲する硬い甲羅を構成しています・・・そのため他のフグさんの様に膨らむことはありません・・・全体の形は丸みを帯びた箱状となっており泳ぐ能力はあまり優れていないようですが色も美しく小さなヒレを使ってチョコチョコチョコと泳ぐ姿がとても愛らしいお魚さんです・・・歯は全部が融合してペンチ状の歯板を形成することはなくカワハギさんなどと同様にくちばし状の吻の先端にノミ状の歯が集まった形状になっています・・・シマウミスズメさんは黄色からオレンジ色の体色で体側から背側には鮮やかな青色の虫食い状の線や斑が見られるのが特徴ですがこの模様は生きている時だけで死んでしまうとくすんだり消失したりするのだそうです・・・シマウミスズメさんの大きさは20cm程度までになり群れを作らず単独で沿岸のサンゴ礁域や岩礁域で底生動物などを食べて生活しています・・・シマウミスズメさんは目の間から1対の棘が前方に飛び出ていて臀ビレの起部の前には後ろ向きの棘があり背にも1本の棘があります・・・口は少し尖ったおちょぼ口で虹彩はきれいなエメラルドグリーンをしています。
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  • コンゴウフグさんの体長は30~50cmくらいで黄色い身体に眼としりびれのあたりに1対の棘が伸びておりこの棘は成長すると長くなりますが老成するとなぜか短くなるそうです・・・この棘が古代インドの法具である金剛杵に似ているためこの和名がついたそうです・・・ウミスズメさんは体長は25-30cmくらいで眼の前方に前向きの棘と臀ビレの起部の前には後ろ向きの棘がありこれらの棘はコンゴウフグさんほどではないですがいずれも長くて大きなものです・・・またコンゴウフグさんとは異なり背側の中央にも後ろ向きに伸びる棘があります・・・ウミスズメさんの体の色は茶色~黄褐色ですが若魚の腹面は半透明になっていて光を透かすと腹底の水が輝いて美しく見えるためミズカゴさんという別名もあります・・・ウミスズメさんは捕食者から身を守るため皮膚からサポニンのような毒を含む粘液を分泌しており不用意に刺激すると毒を多量に放出するそうですがこのとき周囲の魚だけでなく自分まで死んでしまうことがあるそうです。

遠目ではシマキンチャクフグさんもノコギリハギさんも同じ? 

  • フグ目フグ科キタマクラ属のシマキンチャクフグさんは全長10cm前後の小型種で目がクリクリっとしていて体側に大きな鞍状斑がありますがよく似たフグさんにハナキンチャクフグさんとクマドリキンチャクフグさんがいます・・・シマキンチャクフグさんとハナキンチャクフグさんとの違いはハナキンチャクフグさんには橙色の縁取りがあることでシマキンチャクフグさんとクマドリキンチャクフグさんとの違いはクマドリキンチャクフグさんの吻に暗色横帯があることです・・・シマキンチャクフグさんは比較的暖かい海で暮らしているおとなしい性格の小さな可愛いフグさんなので食べることはないと思いますがフグ毒を持っていますのでご注意ください・・・ちなみにキタマクラさんは名前が死者を安置する時の北枕に由来するとされていてなんとも恐ろしい名前を冠した有毒なお魚さんでそんなキタマクラ属に属しているのでかわいい顔をしてなかなかのものです。
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  • また種類は全く違いますがシマキンチャクフグさんに姿がそっくりなフグ目カワハギ科に属するノコギリハギさんという方もいらっしゃいます・・・このノコギリハギさんは毒をもつシマキンチャクフグさんに擬態することでノコギリハギさんは毒をもっていないのに「俺は毒をもっているんだぞ!食べられないぞ!食べたら大変なことになるぞ!」とアピールして自分を守っているのです・・・なかなか賢いノコギリハギさんですよね・・・ちなみに上の写真はシマキンチャクフグさんで下の写真はノコギリハギさんだと思うのですが如何でしょうか?・・・ノコギリハギさんとシマキンチャクフグさんの違いは第2背鰭の形が1番のポイントでノコギリハギさんは背鰭の基底部が幅広く長方形のような形をしているのに対してシマキンチャクフグさんの第2背鰭は他のフグ科の魚と同じように幅の短い扇型をしています・・・その他にノコギリハギさんは背中の頂点にカワハギさんのような第1背鰭がありますがシマキンチャクフグさんはこの部分は平らで何もありません・・・また尻鰭もノコギリハギさんは通常の魚のように身体の中央部分から始まり尾の付け根まで続く長い鰭ですがシマキンチャクフグさんは後部にウチワのような幅の短い尻鰭を持っています。
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  • 鰭をピロピロピロと動かしながらヨチヨチと可愛く泳ぐ姿はたまらないシマキンチャクフグさん達ですがノコギリハギさんって賢いと言うかちゃっかりしていると言うか外見以外にも腹部を僅かながら膨らませることができるそうです・・・それにしてもノコギリハギさんは堂々とシマキンチャクフグさんの真似をしますが自分がいいと思った事は徹底的に真似をすることでその先に新たな自分が見つかる事がよくあります・・・何も真似したくないなんて言っていると結局何も生み出せなかったりします・・・創造性というのは今ある物事を結びつけることでもありますから100通りのものから真似てしまえばそれはオリジナルとなるのです・・・そしてそこからさらに自分のスタイルに変化させ新たな自分のオリジナルスタイルを見つけていけるのです・・・話は変わりますがシマキンチャクフグさんのオスとメスは体のサイズ以外に違いは無いように見えますがよく観るとオスの目元はメスに比べ随分派手派手なグリーンとオレンジの縞模様になっています・・・この写真のフグさんはそこまでの派手さは無くおしとやかな色をしていますのでメスのようですが何故オスのほうが派手なのでしょうか?・・・メスのシマキンチャクフグさんも着飾ってもいいと思うのですがやはりオスは目立つことでメスにアピールでもしたいのかもしれませんね?・・・よくわかりませんがまあ派手な事は悪い事ではないと思います。
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スジモヨウフグさんはきれいなグリーンアイで何を考える? セブ

  • 岩陰からちょこんと顔を出して緑色の綺麗な目で様子を伺っているのはフグ目フグ科モヨウフグ属のスジモヨウフグさんのようです・・・このスジモヨウフグさんは綺麗なグリーンアイで何を考えているのでしょうか?・・・悩み事でもあるのか口をちょっと開いて何か言いたげのようです・・・御覧の様にスジモヨウフグさんの体側には薄めの黄と茶褐色のラインがあり体表には小さい棘があります・・・胸鰭の付け根には黒色の斑点があってフグさんの中では結構大きめなのに随分臆病そうな表情をしています・・・まあもちろんすべてのフグさんが攻撃的でツンツクツンツクと咬みついてくるいうことではないと思いますがこのスジモヨウフグさんは特におとなしいフグさんのようです・・・写真のスジモヨウフグさんは鼻のあたりにひげのようなひらひらした突起が付いていてお洒落でかわいいですね。
  • ところでよく見るとこのスジモヨウフグさん怯えて隠れているのではなく密かに鋭い視線で何か獲物を狙っているようにも見えます・・・何とも言えない神秘的で不思議な印象を与えるグリーンアイのスジモヨウフグさんです・・・ところでスジモヨウフグさんは胸鰭のところの大きめの黒い斑紋と目の周りの黒いクマがかわいいポイントですが背中の縦筋がまだらになってきています・・・成長過程でしょうか?・・・実はスジモヨウフグさんのおちびさんは黒色で若魚になると体表の黄色と茶褐色のラインが見えてきますがこの特徴的なラインは成長と共に薄くなっていくのだそうです・・・またスジモヨウフグさんの体の色は個体差があり明るい色をしたものが多いようですが暗い色のスジモヨウフグさんもいます・・・この写真のスジモヨウフグさんは明るめな方ですね・・・スジモヨウフグさんの体長は最大で45cmになるお魚さんで水深が浅めの砂泥底を好みます。

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