迫力あるオニヒトデさん!あんまりサンゴさんを食べ過ぎないでね!
- アカヒトデ目オニヒトデ科オニヒトデ属のオニヒトデさんはいつ見ても迫力なのですが多数の腕を持ちトゲトゲに覆われた輻長約15~30 cm の大型のヒトデさんです・・・オニヒトデさんはサンゴ礁で暮らしていて石灰藻やお魚さんなどの死体が分解してできた有機物であるデトリタスなどに加えて珊瑚さんを食べて生きています・・・そしてオニヒトデさんは石灰藻やサンゴを食べる時は口から胃を出し裏返して広げて押し付け消化吸収を行うそうです・・・胃を外に出してサンゴさんを消化吸収するなんてサンゴさんもたまったものではないですね・・・だからオニヒトデさんはバクバク食べるのではなくジュワジュワと溶かしながら食べているといった感じですかね?・・・上から見ているとわかりませんがこのオニヒトデさんも今正に胃を出してサンゴをジュワジュワと食べているのでしょうか?

- オニヒトデさんの寿命は6~8年で通常はミドリイシ類やコモンサンゴ類等の成長が早いサンゴを好むためサンゴ礁の多様性を維持する役目を負っていると考えられています・・・オニヒトデさんって言うとサンゴを破壊する悪いやつというイメージでしたが意外と役に立っているんですね・・・でも数年に一度オニヒトデさんは大発生することがありその時は成長の速いミドリイシ類やコモンサンゴ類を食べ尽くし成長の遅いサンゴまで食べるためサンゴ礁環境の保全上有害とされています・・・この大発生は自然の長期サイクルによるとする説と人間の環境破壊によるとする説がありますが富栄養化がオニヒトデさんの幼生の餌である植物プランクトンを増殖させ大発生につながるとする説が最も有力視されています・・・またオニヒトデさんは汚染に強いこととあいまって大発生のサイクルが短くなっているという指摘もあります。

- それからオニヒトデさんの体表面には多数の有毒の棘が生えこれが人の皮膚に刺されると激しい痛みを感じアナフィラキシーショックによって最悪の場合死に至ることもあるそうです・・・だからもしオニヒトデさんに刺された時はなるべく早くポイズンリムーバーで血液を吸引しその後に温湿布で患部を温めるといいそうです・・・とにかく刺されたら速やかに病院に行きましょう・・・そんな怖いオニヒトデさんにも天敵が存在していてオニヒトデさんを食べてしまう生き物もいるのです・・・例えばモンガラカワハギさんやフグさんの仲間にハタさんの仲間やオウギガニさんの仲間そしてフリソデエビさんがいます・・・確かにフリソデエビさんはヒトデさんが大好きですよく食べていますがあんなに小さいフリソデエビさんがオニヒトデさんまで食べるのでしょうか?・・・そしてホラ貝さんもヒトデさんが好きでオニヒトデさんも食べるためオニヒトデさんの天敵とされていますが摂餌頻度が低く生息数も少ないため駆除方法としての実用化にはならないようです。
オビクラゲさん教えて!ヴィーナスは帯締めるのかな? 小笠原
- オビクラゲ目オビクラゲ科オビクラゲ属のオビクラゲさんは他のクラゲさんの様に球形に近い形でフワフワと漂っているものと違って極端に扁平で細長い帯状の形をして浮遊しています・・・オビクラゲさんはその美しさからヴィーナスの帯という別名がつけられているそうですが確かに優雅に漂っている姿はなんとも美しく神秘的な感じでした・・・日本的に言えば天女の羽衣といった感じでしょうか?・・・分類的にはカブトクラゲさんやフウセンクラゲさんと同じ仲間になりますが長さは通常80cm以下で大きいものは1mから時には1.5mにも達するものもあるそうです・・・幅は約8cm程度ですがこの短い方向が体の縦軸方向になり真ん中あたりの色が変わって筋のようなところがありますがその先端が口になります・・・「え!そんなところに口があるの?・・・細長い方の先端のどちらかが口じゃないの?」と思いますよね。

- オビクラゲさんは全体が透明なのですが黄色や紫の斑紋がその両端に出るものがあります・・・また同じような色が帯の横方向の真ん中あたりにある筋のような水管や口から伸びる両翼の先端にある触手に出るものもいるそうです・・・クラゲさんと言うと触手に触れるととんでもなく痛いというイメージですがこのオビクラゲさんの触手にも毒はあるそうですが触ってもそんなに痛くないそうです・・・オビクラゲさんはミジンコのような小型の甲殻類を捕食するのですが捕食の際には縦方向というか口方向に水平にグライダーの様にブーンと移動します・・・また敵から逃げる時には蛇のように全身を波打たせて横方向に素早く動くこともできます・・・臨機応変でなかなか器用なオビクラゲさんです・・・初期にはフウセンクラゲ型のような楕円形をしていますがその後に左右に伸びるように成長して成体の姿になります・・・近縁のものには形態的に似ている小型のコオビクラゲさんがいますがこれは20cmほどと遙かに小さく沿触手面の櫛板列を完全に欠くことや水管の配置に違いがあることなどから別属とされているそうです。
オルトマンワラエビさんの足って長すぎませんか? 柏島

- 上の写真のヤギさんの中に宇宙人ようなフォルムのオルトマンワラエビさんがいますが何処にいるのかわかりますか?・・・よく見ると何か違和感を感じる枝のようなものが付いていてその枝のようなもを辿っていくとその中心に小さな小さな体がくっついているではありませんか!・・・つまりこの違和感を感じる枝の様なものがワラエビ科ムギワラエビ属のオルトマンワラエビさんの長い長い足だったのです・・・オルトマンワラエビさんはサンゴ礁や岩礁域の水深15m~70mあたりに住んでいるヤギさんやウミトサカさんやウミカラマツさん達の枝の上で見られます・・・オルトマンワラエビさんはエビさんという名前が付いていますが見た目はエビさんと言うよりカニさんと言ったほうが良い様な形をしています・・・それにしてもオルトマンワラエビさんの足は身体の割に長すぎて邪魔にならないのでしょうか?

- 前述しましたがオルトマンワラエビさんはカニさんのような形をしていますが分類的には実はヤドカリさんやコシオリエビさんと同じ仲間だそうです・・・オルトマンワラエビさんの頭胸甲の背中には白色線のみごとな二等辺三角形があってちょっと人工的に作られた様な印象を感じませんか?・・・オルトマンワラエビさんの身体は赤褐色に近く錆びた金属的な色をしていますし頭胸甲に比べて非常に長いというか長すぎる脚がそこからニョキニョキと生えていてまさにロボットのようです・・・オルトマンワラエビさんの脚の長節には淡黄色の斑点がぽつぽつと並んでいて長節の末端には黒色で囲まれた白色の斑紋がワンポイントありその先の脚には何故か斑点はありませんが特徴である長い脚には意外とお洒落に気を使っているようです。

- 近似種にホシゾラワラエビさんという方がいらっしゃるのですがワラエビ科ムギワラエビ属のホシゾラワラエビさんには長節の末端に白色の斑紋はなく長節から前節まで淡黄色の斑点が続いていきます・・・写真の様に拡大して見ればなるほどなるほどって納得できますが実際海の中で肉眼でその違いを確認するのは老眼の私では困難ですね・・・ホシゾラワラエビさんもオルトマンワラエビさんの様な姿で細く長い脚に斑点が多数ありこれを星空に見立てて名前が付けられたそうです・・・ホシゾラワラエビさんの頭胸甲の背中には白色線の三角形があり体は赤褐色ではさみ脚や歩脚は頭胸甲のサイズに比して極めて長いところはオルトマンワラエビさんとほぼ同じです・・・ホシゾラワラエビさんの生息域はサンゴ礁の礁斜面や洞窟などの比較的暗めの場所に生息するウミカラマツ類やイソバナ類やヤギ類などの枝上に住んでいます。

- ガシャーンガシャーンと音を立てながらソフトコーラルの森を我が物顔で動き回るロボットの様なオルトマンワラエビさんですが昔はムギワラエビさんと呼ばれていたそうです・・・しかし深海域に生息するムギワラエビさんとは別種として分けられオルトマンワラエビさんと名付けられたそうです・・・ちなみにオルトマンワラエビさんとフォルムが似ているムギワラエビさんは日本固有種だそうで主に東京湾・浦賀水道・相模湾・南紀・日向灘の水深50~70m程度のヤギ類に生息しているそうです・・・どちらのエビさんもまるでアメンボさんやクモさんなどの昆虫のようなルックスをしていますがちなみにムギワラエビさんの関節は赤・白になっているのに対してオルトマンワラエビさんは前述したように黒・白・黒になっているのでここで区別ができます。

- オルトマンワラエビさんの英名はOrtmann’s spider-crabといい訳すとオルトマンクモガニさん?・・・ちなみにオルトマンはドイツの生物学者の名前だそうなのでオルトマン先生が見つけたクモガニさんと言ったところでしょうか?・・・こちらの名前のほうがワラエビさんという名前よりフォルム的には私はシックリくる名前だと思います・・・正にクモさんのように足の長いカニさんといった感じです・・・それにしても下の写真のオルトマンワラエビさんは背景の岩と重なってわかりづらいかもしれませんが左のハサミ足を一生懸命伸ばしていますが何を取ろうとしているのでしょうか?・・・そんな所に獲物はいないと思いますが背伸びでもしているのでしょうか?・・・それに遠くまで手が届くのはいいと思うのですがこんなに小さな眼だと遠くのものが自分で見えないんじゃないですか?

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