ハナグロチョウチョウウオさんをツンツンつついているのは誰?

- 今日も仲良くサンゴの隙間をペアでスイスイ泳いでエサを探しているのはスズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属のハナグロチョウチョウウオさんです・・・ハナグロチョウチョウウオさんは頭潮通しの良い浅い海のサンゴ礁で単独かペアで暮らしています・・・左のハナグロチョウチョウウオさんが右のハナグロチョウチョウウオさんに「お腹すいたんだけど何処かに美味しそうな餌あった?」って尋ねているようです・・・美味しい餌があるといいのですがハナグロチョウチョウウオさんはサンゴのポリプ組織と小さな生物のみを食べます・・・特にミドリイシ類のポリプが好きなのですがその他に10種類のサンゴを食べるハナグロチョウチョウウオさんは他のサンゴ食性のチョウチョウウオさんと比較すると最も多様で好き嫌いの少ないチョウチョウウオさんなのです・・・ハナグロチョウチョウウオさんの食事はサンゴの組織ではなく生きたサンゴのポリプなのですが非常に細い毛のような歯を持っており小さな生物も食べることができます。

- ハナグロチョウチョウウオさんの餌であるサンゴのポリプやケヤリムシさんやイバラカンザシさんなどはすべて殻の中に戻ってしまうため食事の際はじっと動かずにホバリングし餌が殻に引っ込む前に素早く動く必要があります・・・そのためハナグロチョウチョウウオさんは胸鰭をオールのように使ってブレーキをかけたり急速に泳いだり方向転換したり後進したりと素早い行動ができるようになっているのです・・・確かにハナグロチョウチョウウオさんの動きを観察しているとチャチャチャっと素早い見事な泳ぎをしています・・・ハナグロチョウチョウウオさんは青白い体にオレンジ色から茶色の斜線が複数入りその上端は一点に集中していません・・・このオレンジ色の斜線は夜になると濃い色になるそうですが何故濃いオレンジ色になるのでしょうか?・・・きっと意味があると思うのですがよくわかりません。

- また頭部には1本は目を横切りもう1本は鼻先を通る黄色で縁取られた2本の黒色帯があり尾鰭にも2本の黒色横帯があります・・・ハナグロチョウチョウウオさんは鼻の辺りに黒い線があるのでこの名前が付いたようですがこんなにカラフルなチョウチョウウオさんなんだからもう少し可愛い名前でも良かったのではと思ってしまいます・・・それからハナグロチョウチョウウオさんの幼魚は単独で生活しており警戒心が高く身を守るために珊瑚の枝に隠れながら暮らしています・・・でもハナグロチョウチョウウオさんは成長するにつれ少しずつ勇気を持って行動域を広げていきます・・・そしてハナグロチョウチョウウオさんは体長が20cm程度まで成長し繁殖年齢に達するとつがいを形成するのです・・・でも雌雄の大きさに差はありませんのでどちらがオスなのかどちらがメスなのかよくわかりません。

- 主に珊瑚が生い茂る岩礁などで縄張りを確立するハナグロチョウチョウウオさんですが他のサンゴ礁の生物と同様にハナグロチョウチョウウオさんもオニヒトデさんの増加によるサンゴ破壊や人為的撹乱を受けており生息地の喪失に繋がっています・・・サンゴ礁への悪影響はチョウチョウウオさん達に悪影響を及ぼしますのでサンゴの枯渇には最大限の注意が必要ですね・・・ところで上下のハナグロチョウチョウウオさんの写真をよく見てみると小さなホンソメワケベラさんの様なお魚さんが身体を突っついているように見えます・・・ハナグロチョウチョウウオさんの大きさから見てもかなり小さなお魚さんなのでホンソメワケベラさんかどうかよくわかりませんが色と形からホンソメワケベラさんかなと思うのですが如何でしょうか?・・・もしかしたら謎の生物か?

- ハナグロチョウチョウウオさんによく似た仲間にオウギチョウチョウウオさんがいます・・・オウギチョウチョウウオさんも体長20cm程度とハナグロチョウチョウウオさんと同じくらいの大きさですが青白い体側に複数の黒い曲線が走っていて周縁部は黄色です・・・この2種は生態や分布域がよく似ていてサンゴさんのの粘液やポリプを主に食べるために浅いサンゴ礁に単独かペアで居付いています・・・つまりハナグロチョウチョウウオさんのオレンジ色の斜線の部分がオウギチョウチョウウオさんは黒色の斜線になっています・・・よく見ればオレンジのラインと黒いラインと明らかに違うのですが住んでいるところと形とラインがよく似ているので勘違いしてしまいますよね・・・下の写真のハナグロチョウチョウウオさんの後ろにタテジマキンチャクダイさんがいますね・・・どちらも派手ですが気が合うのでしょうか?


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