ハナビラウツボさん?アデウツボさん?シモフリタナバタウオさん?

- サンゴ礁の裂け目からちょこんと顔を出して白い斑点模様と混じってわかりにくいのですがよく見ると小さな眼でこちらの様子を伺っているのはどなたでしょうか?・・・最大で全長約1メートルぐらいにまで成長するハナビラウツボさんでしょうか?・・・ハナビラウツボさんは口の中が真っ白でいつも歯磨きをしているような清潔そうな色をしています・・・この写真のハナビラウツボさんは警戒しているのかムッとして口をしっかり結んでいるのでよくわかりません・・・ハナビラウツボさんの体の色はあずき色から黒褐色の地色に白い小さな円斑がたくさん散在しているのが特徴です・・・でもその細かい白色斑がつながっている雑な性格のハナビラウツボさんもみられるそうです・・・どの世界にも性格がきっちりしている人とそうでない人がいるんですね・・・いい悪いではなくそれが世の中というものなのかもしれないです。

- ハナビラウツボさんはサンゴ礁域の浅い所で身体の大部分をサンゴさんの割れ目などに隠して密かに獲物を待ち受けながら暮らしています・・・ハナビラウツボさんの上顎の前方に大きな犬歯が3つあるのも特徴で魚類や甲殻類や軟体動物などが近づいてくるとバクっと食いつくのです・・・もしかしたら今回もヒッソリと隠れていたのに私が邪魔をして獲物が取れないと怒っているのでしょうか?・・・そんな様子を可愛い小さな目が私に訴えかけているようです・・・それからハナビラウツボさんによく似たアデウツボさんという方がいらっしゃいます・・・下の写真の様にアデウツボさんにも白い斑点がたくさんありハナビラウツボさんに似ていますよね・・・でもアデウツボさんは口の中は艶やかな黄色でハナビラウツボさんは真っ白なのですぐに違いが判ります・・・でもウツボさんだから言っていつもいつも口を開けているとは限らないので口を閉じていたらどうしましょう?・・・実は目を見ればハナビラウツボさんとアデウツボさんの違いがわかるのです・・・アデウツボさんの眼の虹彩には上下に黒色の斑点があって縦長の眼のように見えます・・・ハナビラウツボさんにはこの黒い斑点はありませんので口を開いていない時は眼を見て差別化してみましょう。

- その他にハナビラウツボさんとよく似た体の色をしているシモフリタナバタウオさんという方もいらっしゃいます・・・このお魚さんは危険が迫ると身を守るために頭だけサンゴ礁の割れ目に突っ込みハナビラウツボさんの真似をして身を守るのです・・・頭隠して尻隠さずを地で行っているお魚さんですね・・・シモフリタナバタウオさんの体長は20cm程度で体は細長く各鰭は大きく尾鰭は菱型で後縁は尖っています・・・体の色は暗褐色で小さな薄青色の丸い斑が多数見られ胸鰭以外の各鰭にも同じ斑が散在していてハナビラウツボさんに似ているのです・・・その上背鰭軟条部の後縁辺りにはハナビラウツボさんの眼に似せた目玉のような模様まで持っているのです・・・確かに頭をサンゴの隙間に突っ込んでいるシモフリタナバタウオさんはハナビラウツボさんに本当によく似ています・・・敵に襲われないための見事な擬態ですが凄いですね・・・シモフリタナバタウオさんは昼間は岩棚の下や海中洞窟などの物陰で見られることが多く普段は単独で生活し夜間に小魚やエビ類を捕食しています。
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