歴史を重ねた老夫婦!ベテランのイシガキダイさん達が行く!

- スズキ目イシダイ科イシダイ属のイシガキダイさんが2匹チョロチョロチョロとやってきました・・・イシガキダイさんの大きさは通常50cm程度ですが中には90cmを超える貫禄のイシガキダイさんもいるそうです・・・1m近いイシガキダイさんはおそらく老成しているのでオスであればクチジロさんになっているのでしょうがそんなイシガキダイさんが近づいてきたらちょっと圧倒されるかもしれませんね・・・イシガキダイさんの体型は左右から押しつぶされたような円盤型でイシダイさんより体高が高く顎が前方に突き出て口が尖っていて口はイシダイさんと同様に歯が融合し嘴状になっています・・・確かにこの2匹のイシガキダイさんも嘴状に口が尖っていますが後ろのイシガキダイさんはクチジロさんのようですのでオスのイシガキダイさんですね・・・大きさもそんなに変わらない2匹なのでおそらく前のイシガキダイさんはメスのイシガキダイさんでオスがメスを追いかけまわしているのでしょうか?

- この上の写真のメスのイシガキダイさんですが表情を見ていただくと眉毛が吊り上がっていてちょっと怒っている様に見えませんか?・・・もしかしたらしつこくオスのイシガキダイさんに追いかけられて憤慨しているのでしょうか?・・・そんな感じがしませんか?・・・イシガキダイさんはイシダイさんよりは南方系の場所に住んでいますが浅い海の岩礁やサンゴ礁の岩陰や洞窟に潜んだり今回の様に海底付近を泳ぎ回ったりしています・・・イシガキダイさんは肉食性で甲殻類・貝類・ウニ類などの底生生物を食べますがイシガキダイさんは頑丈な殻でも嘴状の顎でガリガリと噛み砕いて中身を食べてしまうのです・・・産卵期の春には海中をバラバラになって流れに身をまかせて漂う分離浮性卵を産みますがそんな卵から孵化した稚魚は流れ藻や流木などに付いて外洋を漂流し漂着物に付く小動物やプランクトンを食べて成長します・・・そしてイシガキダイさんは全長数cm程度になると浅海の岩礁に定着するのです。

- イシガキダイさんは全身が灰白色の地に大小の黒褐色斑紋で覆われた独特の模様をしておりこの模様が石垣を思わせるのでイシガキダイさんという名前がついたのですがこの模様は成長につれて細かくなり特に老成したオスは斑点が消失し全身が灰褐色になります・・・同時にオスは口の周囲が白くなるためクチジロさんとも呼ばれますがメスは老成しても斑紋がよく残り口の周囲は白くならないそうです・・・この2匹のイシガキダイさんの模様はかなり細かくなっていますし片方はクチジロさんにもなっていますのでおそらく老夫婦という事ではないでしょうか?・・・この2匹のイシガキダイさんは最初仲が悪いのかと思っていましたが同じ場所を喧嘩することも無くクルクル回って餌を探していました・・・流石老夫婦ですね・・・しばらくすると何もなかったかのように仲良く一緒に出掛けて行きました。

- 下の写真はなかなかの貫禄あるイシガキダイさんですがイシダイさんと同様に歯が融合し嘴状になっていますがイシダイさんよりかなり口が尖っています・・・このイシガキダイさんは石垣模様も細かく上半分の斑点は消失し口の周囲が白っぽくなっているので中年のおじさんイシガキダイさんといったところでしょうか?・・・またイシガキダイさんは同じような所に住んでいるイシダイさんとの天然交雑も確認されています・・・天然交雑したイシガキダイさんはイシダイさんの横縞とイシガキダイさんの黒斑の両方が現れているイシガキイシダイさんと呼ばれています・・・横縞と黒斑が両方あるなんて想像するにごちゃごちゃしているような印象ですがどんな模様になっているのか一度は見てみたいものです。

- イシガキダイさんは食べると美味しいのですがイシガキダイさんにはシガテラ毒を持つものがいるので食べる時は注意が必要です・・・シガテラを引き起こす毒素はシガテラ毒と呼ばれ20種以上が確認されている毒です・・・ちなみにシガテラ毒とは熱帯の海洋に生息するプランクトンが産生する毒素でそのシガテラ毒に汚染され蓄積した魚介類を食べることで発生する食中毒のことをシガテラと言います・・・シガテラの呼称はキューバに移住したスペイン人がシガと呼ばれる巻貝による食中毒の事をシガテラと称したことに由来しているそうです・・・シガトキシンは熱に対して安定で毒素は魚の味に影響を与えず煮汁にも溶け出すので一般的な調理では毒素を熱分解できずシガテラ中毒を防ぐことはできないのです・・・厄介ですね。


- シガテラの中毒症状は1~8時間ほどで発症し数日にわたる吐き気や下痢や腹痛などの消化器系症状を起こします・・・また神経の異常障害などの重い症状が現れこの中毒最大の特徴である冷たさに対する感覚がドライアイスに接触し凍傷に罹ったかのような感覚になる温度感覚異常があります・・・その他に血圧異常や心拍数異常などの循環器障害もあります・・・効果的な治療法は未確立で後遺症の回復は1週間程度の例もありますが重症例では半年から数年程度を要することもあるそうです・・・かなり怖いですね・・・やはりイシガキダイさんは美味しそうでも食べないに越したことは無いような気がします・・・もし食べるなら若いイシガキダイさんがいいです・・・クチジロさんになっているようなイシガキダイさんは避けた方がいいです・・・イシガキダイさんの黒褐色の斑紋が石垣を思わせることからイシガキダイさんという名前がついたそうですが私には石垣というより網目模様の様に見えますが如何でしょうか?・・・下の写真はかなり若いイシガキダイさんですがやはり石垣というよりは網目に見えます・・・名前はアミメダイさんの方が合っているような気がしますがしっくりこないのでやっぱりイシガキダイさんの方がいいです・・・イシガキダイさんは全長数cm程度から浅海の岩礁に定着しますがイシダイさんより成長が速くより大型に育つと言われています。

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