統率の取れたギンガメアジさんの群れ!迫力が違います! アジ科 diving-photo-summary-tsubuankun

Dive-photo

ギョロ目のギンガメアジさんが何故かこちらを伺ってる? 

  • 上の写真の一番下のギンガメアジさんは何か気になる事でもあるのか?はたまた私を餌と間違っているのか?よくわかりませんが群れとは違ってこちらに体を向けて大きな目で見ています・・・表情がちょっと怖い様な可愛い様な不思議な感じがします・・・スズキ目アジ科ギンガメアジ属のギンガメアジさんは普通80~90cmにまで成長するのですが中には全長120cmにもなる傑物もいるそうです・・・1mを超えるギンガメアジさんなんて一度は見てみたいものですがおそらくすごい迫力でしょうね・・・ギンガメアジさんの体は長めの楕円形で体高が高く体色は背が暗青緑色で体側から腹は銀白色をしています・・・また下の写真ではよくわかると思いますが第2背鰭の先端は白色で鰓蓋上部に小黒斑があり大きな眼は口のすぐ上にあって脂瞼も発達しています・・・ちなみに脂瞼とは魚類の眼にみられる半透明の膜で瞼状に眼の一部あるいはほとんど全部を覆っているものです・・・その機能については結論が出ていませんが焦点を合わせたり偏光を感知したり視覚を補完するような役割を果たしている?とか眼を紫外線や異物から防御する役割を果たしている?などとと考えられています。
  • ギンガメアジさんは熱帯海域に分布しており日本では南日本の暖流に面した海域や温暖な南西諸島沿岸で多く見られます・・・ギンガメアジさんは沿岸の水深200mまでのサンゴ礁や岩礁域周辺に生息し単独か群れで行動しますが昼は群れでサンゴ礁周辺に留まっていることが多く夜に小魚さんや甲殻類などの餌を探します・・・またロウニンアジさんやオニヒラアジさん・カスミアジさん・カッポレさん等多くのギンガメアジさんと同属種がいますがギンガメアジさんより眼が小さいことと鰓蓋上部に黒斑がないことまた体色が異なること等で区別できます・・・ちなみにロウニンアジさんは大型肉食魚でアジ類ではヒラマサさんに次ぐ大型種です・・・単独で行動するロウニンアジさんは厳つい顔に前鰓蓋骨の線が入っているので切り傷跡のある浪人に見立てたという説もあり成魚は全長2m近くにも達します・・・私の背よりも大きなお魚さんですからそんなロウニンアジさんがぐいぐいと迫ってきたらちょっと怖いですね・・・ロウニンアジさんは体高が高く頭部は口先のなす角度が鈍く小さい目と大きい顎をもつなどアジさんというよりマダイさんなどに似た顔つきをしています・・・ロウニンアジさんの体色は灰白色~黒で特にオスは全身が黒ずんでいるので大きさと言い色の黒さと言い威厳が凄いです・・・ロウニンアジさんの各鰭は黒みを帯びていますが尻鰭は白く縁取られ目の周囲には脂瞼が発達し胸鰭の下部周辺に鱗がない領域があります・・・英名のGiant trevallyの頭文字をとってGTとも呼ばれています。
  • 東京から南へ1,000kmの太平洋上に浮かぶ30あまりの島々からなる小笠原諸島は北側から聟島列島(ケータ列島)~父島列島~母島列島さらに火山である南の硫黄列島そして日本最東端の南鳥島と最南端の沖ノ鳥島などが並んでいます・・・小笠原諸島は一度も大陸と陸続きになったことがないので島独自の進化を遂げた生態系が評価され2011年6月には世界自然遺産に選ばれました・・・小笠原諸島にある30あまりの島々の中で人が住んでいるのは父島と母島の2島のみでしかも入り口は父島・二見港のみで東京・竹芝桟橋から25時間30分の小笠原丸による船旅となります・・・さらに母島に行く場合はいったん二見港まで行きそこから「ははじま丸」に乗り換えてさらに約2時間10分の船旅となります・・・また太平洋戦争の激戦地として知られる「硫黄島」や無人島の「北硫黄島」「南硫黄島」は父島からさらに約330km南にある絶海の孤島ですが定期航路はなく現在一般の人は訪れることができない島々です・・・しかし年に1回硫黄島に行くツアーもあり小笠原海運が主催する硫黄島3島クルージングに乗船できれば3島を海上から望む事ができます。
  • そんな小笠原でたまに見かけるギンガメアジさんは銀色の体色が銀紙を貼ったように見える事から標準和名で銀紙鯵とされているそうです・・・ギンガメアジさんの体高は高いのが特徴的ですが幼魚は全長数cmで長卵形をしていて成長するにつれて細長くなります・・・ギンガメアジさんの幼魚の体色は金色で明瞭な6~7本の黒っぽいの幅広い暗い縞がありますが成長とともに黄色みと縞は消えていき成魚は背部が暗青緑色で体側から腹は銀白色をしています・・・ギンガメアジさんは定置網でも漁獲され食用としても多く利用されていますが実はこのギンガメアジさんシガテラ毒を持つと言われております・・・フグさんや貝さんなどの魚介類が持つ毒素は自身が体内で毒素を生成していますがギンガメアジさんはもともと自身が毒を持っているわけではなく食物連鎖の関係で毒が蓄積した結果となっています・・・そのためギンガメアジさんが必ずシガテラ毒を持っているとは限りませんが大型の個体ほど有毒の可能性が高くなるのです・・・ですから美味しいとされるギンガメアジさんを食べたいと思うのであれば小さめのギンガメアジさんを選ぶようにしましょう。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  • 上の写真はかなり流れの速い小笠原の閂ロックポイントですがボニンブルーの海の中をスイスイと優雅に泳ぎ回っているギンガメアジさんです・・・こんな流れの中をスイスイ泳ぐ流石のギンガメアジさんですが同属種と違ってかなり長めの身体をしています・・・ギンガメアジさん身体の色は背が暗青緑色で体側から腹は銀白色をしていて太陽の光が届くとキラキラ光ってとても綺麗です・・・よく似たミナミギンガメアジさんの稜線は黒くないので稜鱗が黒いギンガメアジさんとはすぐに区別できます・・・またオニヒラアジさんも大型魚ですが楕円形の体型で特に前部で背側が腹側よりもふくらんでいて身体の色は背部は真鍮色から黄緑色で腹部では銀白色です・・・頭部と体側の側線より上部には小さな黒い斑が散在しそれより下部の胸鰭付近にも少数の斑が存在することがありますがこれらの斑は加齢とともに数が増えていくそうです・・・正に加齢斑ですね・・・また鰓蓋上部には黒く縁取られた銀白色の斑が存在し鰭は黄色から黒ずんだ色ですが尾鰭については上部は黒みを帯び下部は黄色から黒であり特徴的な白色の薄い縁取りがあります。
  • 上の写真はパラオのブルーコーナーというポイントですがギンガメアジさん達がたくさん集合しているのが遠くで見えたのでいそいそと近づいて行きました・・・最初はそんなに大きな群れではなくちょっと少なめだけど銀色が光ってきれいなギンガメさん達だなと思って余裕をかましていました・・・ところが少しずつ少しずついくつかの群れが合流して大きな群れへと成長していったのです・・・気が付くといつの間にか辺り一面ギンガメアジさんでいっぱい!!・・・右を見ても左を見ても上を見ても下を見てもとにかくギンガメアジさんだらけといった感じでした・・・そうやって小さな群れが一つに合流して大きな群れが形成されるとなぜか一匹のリーダーが先頭になってギンガメアジさん達は回転をし始めます・・・バラバラに泳いでいたそれぞれのギンガメアジさん達の群れは一つの塊として同じ方向に回転し始めるのです・・・まさに圧巻のトルネードの開始です・・・ギンガメアジさん達のトルネードは外から見ていても凄いと感動できるのですがそのトルネードの中に入るとまた別世界です・・・360度ギンガメアジさん達の壁に囲まれてダイバーとして幸せいっぱいでした!
  • ギンガメアジさんがトルネードを形成する行動理由については敵に襲われないようにひとつの大きな生き物に見せるためとか効率よく呼吸するためなど言われていますが詳しくは解明されていないようです・・・ギンガメアジさん達は一つの大きな塊となってトルネードを作ってグルグル泳いでいると思っていたら徐々に小さな群れに戻りまた急に集まってトルネードを作ったりと繰り返し楽しんでいる様でした・・・トルネードが始まるというかトルネードへと導くのには群れを先導するリーダーとリーダーに従うサブリーダーの存在が重要なのかもしれないですね・・・いや大きな群れの優雅な動きは本当に見ていて飽きないです!・・・透明度の高い澄み切ったパラオのブルーの世界での一糸乱れぬ団体競技!・・・大きな一つの塊となってグルングルン回るギンガメアジさん達を見ているとエアーが減るのを忘れてしまいそうで危ない!危ない!・・・私が好きなアングルは下から見上げるお魚さん達の群れでその隙間から太陽の光が差し込む塊りはなんとも言えない美しさを感じて最高です!!
  • 大集団で行う行進みたいで規律性があって迫力があってその動きは見るものに感動を与えてくれますが下の写真のギンガメアジさん達の表情を見てください・・・どのギンガメアジさんも口元をギュッと引き締めて歯を食いしばりながら一生懸命泳いでいます・・・銀色にキラキラ光って美しいギンガメアジさんはギラギラと眼力も強く前を向いた精悍な顔つきは生命力に満ち溢れた逞しさと迫力を感じます・・・目標を立ててやるべきことをみんなで力を合わせてやり遂げますと言ったギンガメアジさんの強い意志を感じませんか?・・・よく見るとギンガメアジさんの群れの中に頭部から口にかけて急に曲がり込み短めになっているミナミギンガメアジさんも混じっているようです・・・差別も無く分け隔てなくみんな仲良く行進するアジさん達を見習いながら乾杯です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました