頭足類は軟体動物門頭足綱に属する動物の総称でイカさんやタコさんやオウムガイさんまた絶滅したアンモナイトさん等が含まれます。体は胴・頭・足に分かれていて足も多数に分かれています。触角はありませんが軟体動物の中でも特に目や神経系や筋肉が発達していて運動能力に優れています。体は外套膜に包まれた胴部と頭部に分かれ頭部にある口の周辺には腕が並んでいます。
コブシメさんの赤ちゃんは生まれたばかりで何を夢みる?

- 何とも言えない眼でこちらを伺っているのはコウイカ目コウイカ科に属するコブシメさんの赤ちゃんではないでしょうか?・・・まだ生まれたばかりで「眠たいよー!寂しいよー!一緒に遊んでー!」とでも言っているように丸くなってこちらに近づいて来ました・・・コブシメさんの名前の由来は沖縄での呼び名「クブシミ」から来ていて身体はとても大きく墨がたくさん取れるイカさんという意味だそうです・・・確かに大人になると墨をブバーっと凄い量吐き出しますがこの写真のコブシメさんはまだ生まれたばかりで小さいので墨を吐いたとしてもピュッぐらいでしょうか?・・・こんなに小さな身体なのでちょっと心配なのですがコブシメさんの赤ちゃんは一人で生きていかなければならないのです・・・沖縄ではアオリイカさんに並ぶ高級なイカさんとして扱われていますがコブシメさんは肉厚で刺身がとてもおいしいそうです・・・アオリイカさんは私も食べたことがありますが確かにとても美味しかったのでコブシメさんも一度ご賞味したいものです。

- でもこんなに可愛いコブシメのおちびさんの顔を見せられるとちょっと食べるのを躊躇してしまいますね・・・まだまだあどけなさが残る可愛いコブシメの赤ちゃん!どんな荒波にも負けず生き残ってください!!・・・この写真のコブシメさんはまだ2cm程度ととても小さいのですが関東ではスミイカさんと呼ばれたり関西ではマイカさんと呼ばれたりもする50cmを超える大型のイカさんなのです・・・50cmを超える大型のイカさんにまで成長したらもう食べてもいいかな?なんて食い気の走る私です・・・コブシメさんは暖かい海を好みサンゴ礁で暮らすのが基本で普段はフヨフヨと流れに乗って浮いていますがこの時も小さな身体でフヨフヨと流れに乗って泳いでいました・・・コブシメさんは小魚やエビさん・カニさんが好みで待ち伏せる形で餌が近づくと足を開いて素早く襲い掛かりますがこのコブシメの赤ちゃんはこんなに小さいのに捕まえることができるのかな?・・・逆に襲われそうな気がします。

- 岩の隙間にうまく着底して擬態しているようですがコブシメさんは生涯を1~2年の短い期間で終えるのが基本的なサイクルだそうです・・・という事はこんなに小さいコブシメのおちびさんもこの大きさから一気に巨大イカさんに成長するということですよね!!・・・何か信じられない成長速度ですがこんなに小さくて可愛いコブシメのおちびさんもあっと言う間に大きなコブシメさんに変身してしまうのです?・・・それからコブシメさんは晩春から初夏にかけての産卵期になると水深が比較的浅いサンゴ礁まで移動してきて上手にサンゴの隙間に足を延ばして一つ一つ卵を産み付けます・・・産卵場を一度見たことがありますが産み付けられた卵塊は乳白色で2~3㎝程あり1度に100~200個もの数を2か月間に渡って数度産卵をします・・・またメスが卵を一生懸命産み付けている時はオスがその隣で外敵に目を光らせながら毅然と守っているのです。

- 卵を無事産み付けたその後も卵が孵化するまでオスが卵の周囲に浮かんで外敵から守るのですがこの時のコブシメさんは卵の周りをホバリングしながら身体の色を変化させたり威嚇してきたりで見ていてとても健気な感じがします・・・そんなこんなでやっと孵化したコブシメの赤ちゃんは深場に向かって勇気を持って旅立ち30m以深で生活するようになります・・・前述しましたがコブシメさんの吐く墨の量は確かに凄くコブシメさんがびっくりしたのか一度やられましたが墨を吐くと辺り一帯が真っ黒になって視界を奪われてしまいました!・・・またコブシメさんは主に穏やかな浅場のサンゴ礁の辺りを好むのですがそれはコブシメさんがあまり泳ぎが得意ではないからのようです・・・確かにコブシメさんの動きを見ているとエンペラをピロピロ動かしてのんびりゆっくり進んでいきますしあまり泳ぎが得意ではないように見受けられます。

- だからなのかコブシメさんは待ち伏せタイプの捕食者として上手に擬態して獲物を待ち構えているのかもしれませんが世の中には泳ぎが得意でないイカさんもいるんですね・・・産卵期には雄と雌のペアで行動しますがコブシメさんは雄同士で激しい縄張り争いをすることが知られていて体の色を変化させたり形状を変えたりすることによって敵を威嚇したりします・・・私も見たことがあるのですが見る間に目まぐるしく色を変えたり姿形を変えたりでその行為は神秘的な感じがしました・・・コブシメさんの雄にはエンペラから胴側部にかけて白色の横筋模様が存在しますが雌にはこの模様は存在せず判断自体は難しくありません・・・でも模様が明確になるのは雌雄共に成熟してからになります・・・コブシメさんはいつも目を閉じている様に見えますがそんなコブシメさんを見ていると何だか妙に癒される私なのです・・・目の前をかわいくエンペラをひらひらさせながら潜水艦のような形で色を様々変えながらコブシメさんがゆっくり進んでいきましたが下の写真のコブシメさんは雄ですかね?

見た目と違ってタコさんって実は凄い方たちなんです!

- タコ目マダコ科マダコ属のマダコさんはご存知の通り複数の吸盤がついた8本の腕を持っていますが動物学的には足であり物を掴む機能などにより特に頭足類における足は腕とも表現されています・・・よく漫画などで描かれるタコさんは丸く大きなところが頭になっていますが実際はこの丸い部分は胴部であり本当の頭は腕の基部に位置して目や口が集まっている部分です・・・つまりタコさんは頭から足が生えているということで同じ構造を持つイカさんとともに頭足類と呼ばれています・・・イカさんとの違いは腕の数とミミ(鰭)がないことですがこれらにも例外があり腕が8本のタコイカさんやミミのあるメンダコさんもいます・・・タコさんの柔軟な体のほとんどは筋肉で体の中で固い部分は眼球の間に存在する脳を包む軟骨とクチバシのみです・・・そのため非常に狭い空間でも通り抜ける事ができるのです・・・それから無脊椎動物の中では特に知能の高い種だと考えられているタコさんは興奮や喜びだけでなく痛みや苦痛も経験できて犬や3歳の子供と同じくらいの知能と言われております・・・意外とすごい存在ですね。

- タコさんの血液中にはヘモシアニンという緑色の色素が含まれているので血液は青く見えますが魚類のヘモグロビンに比べ酸素運搬能力が劣るため長距離を高速で移動し続けることができないようです・・・という事は即断即決出来ないと動けなくなっていまいますから決断力がタコさんにとって最も重要かもしれませんね・・・それからタコさんの鰓は外套膜内に格納されており漏斗のポンプで海水を取り入れて鰓に当てることにより呼吸をしているのです・・・また漏斗から噴き出す水は遊泳時の主な推進力となるほか排泄物や墨の排出にも利用されています・・・タコさんがご存知の通り危険を感じると墨汁嚢に蓄えられた墨を括約筋を使って漏斗からブバーっと吐き出して姿をくらまします・・・タコさんの漏斗っていろいろな役割を果たす器官ですがマンガなどではヒョットコのような口としてひょうきんに描かれています・・・タコ墨はイカ墨よりアミノ酸や多糖類や脂質が少なくさらさらしていて煙幕のようになりますが敵を一時的に麻痺させる成分を含んでいるのだそうです・・・麻酔薬の様なものでしょうか?・・・またタコさんは外敵に襲われたり捕らえられたりした時は腕を切り離して逃げることもできますが自分の腕を切り離して逃げ出すなんて凄いですよね・・・その後腕は再生しますが切り口によって2本に分かれて生えることもあり8本以上の腕を持つタコさんも存在するそうです。

- タコさんのオスとメスの違いはオスは4本の腕の吸盤の大きさがメスに比べてばらつきがあるところで区別できます・・・またタコさんの吸盤はたいていのものには吸着でき切断された腕であってもその活動は約1時間ほど続くそうですが腕だけになっても吸いつくなんてなんて生命力でしょう・・・でもタコの吸盤は切断されたものであっても自分の体には吸着することはなくこの不思議な原理については判明していないそうです・・・またタコさんの吸盤には味覚を司る感覚器があるとされ吸盤の表面は古くなると剥がれて更新されます・・・タコさんの吸盤が吸着するのは主に筋肉の収縮を利用しておりますが歯の付いた角質の環を利用することで張り付くイカさんの吸盤とは構造が異なっています・・・同じ吸盤でもタコさんとイカさんでは全然違うんですね・・・それからタコさんの8本の触腕のうち1本は交接腕と呼ばれ先端が生殖器になっていますがたいていのタコさんの雌は生涯に1回のみ産卵し卵が孵化したのちに死んでしまうそうです。

- 最初はよくわからなかったのですがなんとなく違和感があったのでよく見てみると綺麗に群れを作って泳いでいるスカシテンジクさんの後ろの岩の隙間で見事に擬態しているマダコさんが居ました居ました・・・マダコさんは腕を含めた体長は約60 cm程度で体表は低い突起が密生し全身の皮膚には色素細胞が分布するため周囲の環境に合わせて体色や突起の長さを数秒ほどで変更できます・・・あっと言う間に変化しますので擬態したマダコさんを見つけるのは至難の業です・・・成熟したタコさんのオスはメスに精子の入った性包を渡すために右第3腕が交接腕化し先端の3%程度が扁平に変形して箆状の舌状片となりますがマダコさんの交接腕は顕著ではなく通常腕より先端が丸みを帯びているように見えるだけです・・・マダコさんは北海道を除く日本全国の沿岸域で最も普通にみられる代表的なタコさんでタコ類の代表種ですが海底の岩の隙間や礫の下に巣穴を持ち単独で夜になるとエサを探して海底を這って動き回ります・・・蛸壺漁はマダコさんが巣穴に隠れる習性を利用したものですがマダコさんは食べ残しやゴミを取り除き巣穴の外に運ぶことが知られているため蛸壺の内部は綺麗でないと入らないそうです・・・鞘さん達はカニバリズムも観察され特に珍しいことではなくまた自分の腕を食べる行動も観察されています・・・そして自分の腕を食べ始めたタコさんは腸内で消化されておらず小肉片となって腸内を充填してしまい数日以内に死亡するそうです・・・この行動はストレスによるものとか精神の異常によるものとか何らかの病原体によって引き起こされる感染性の致死的疾患であるとも考えられています・・・お腹が空いていないのに自分の腕を食べてしまうなんて頭の良いマダコさんにとってよっぽどの事があったという事ですよね。

- マダコさんは甲殻類や二枚貝を食べるのですがその際には獲物を腕で絡め捕り毒性を含む唾液を注入して麻痺させ腕の吸盤で硬い殻もこじ開けて食べるのだそうです・・・念には念を入れてという感じですがマダコさんに狙われた獲物達はたまったものでは無いですね・・・そんなマダコさんの天敵はウツボさんやサメさんなどで危険を感じると墨を吐き敵の視覚や嗅覚をくらませます・・・タコさんの体サイズは種によって異なり最大のミズダコさんは全長 3 mに達しますが小型のタコさんはピグミーオクトパスさんと総称され琉球列島のコツブハナダコさんの2.5cmが最小とされています・・・タコさんとイカさんの吸盤の構造の違いは遊泳性の餌を捕らえ暴れる餌を抑え込む必要があるイカさんに対しタコさんは待ち伏せ型の狩猟を行うため角質環のような爪が不要であり海底を移動する際に引っかかることを避けるために角質環は邪魔になると考えられています。

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