難解な迷路を作ったのはナポレオンさんあなたなの?
- スズキ目ベラ科モチノウオ属のナポレオンさんがヌ~っと近づいてきてくれましたがナポレオンさんの体の模様って細かい筋がたくさんあってまるで難易度の高い迷路のようだと思いませんか?・・・よくこんなに唐草模様の様な細かい作業をナポレオンさんは身体に施したものです・・・人間でいうとまるで指紋のような筋筋ですがナポレオンさんも個体によって違っていて個体識別ができるとすればすごいですね!・・・話は変わりますがよく見るとこのナポレオンさんの眼って体の割に小さくないですかね?・・・ナポレオンさんって目がクリクリしていて飛び出していてギョロ目のイメージがありましたが違うんですね!・・・過去の写真も見返してみましたが意外と小さいんです!・・・今まで気が付きませんでしたがナポレオンさんって私の勝手なイメージと全然違ってかわいい眼をしています。

- ナポレオンフィッシュさんの和名はメガネモチノウオさんですが大きく成長して張り出した前頭部がナポレオンの被っていた帽子に見えることからナポレオンフィッシュさんと呼ばれるようになりました・・・・メガネモチノウオさんという和名は目の後方から口にかけてある黒い帯状の模様がメガネを掛けているように見えることに由来しています・・・メガネモチノウオさんはベラ科最大のお魚さんで成熟したオスは2mを超えるものもいますが他のベラさんと同様に雌性先熟の性転換をするそうです・・・メガネモチノウオさんの体色や体表の模様は成長段階や個体によって変異があり幼魚やメスは水色~黄白色の地に藍色などの模様が入って目を通る縦帯が黒く目立ちます・・・成長したオスは全体的に黄褐色~青緑色になり目を通る縦帯が薄れさらに額が瘤状に前へ突き出て頭部全体も大きくなります・・・確かにこの写真のメガネモチノウオさんもオスですからちょっと帯状の模様が薄めでわかりづらくなっています・・・オスになったナポレオンさんは色彩が鮮やかになりぶ厚い唇と大きな口で縄張り意識を持ち始めます。

- ベラ科最大級のナポレオンフィッシュさんですが悠々と泳いでいる姿はなかなかの迫力で前方にニューっと突き出した大きな口とぶ厚い唇が最大の特徴です・・・この人懐っこい風貌のナポレオンフィッシュさんに出会えると妙にうれしくなりますが図体の大きさに反して何とも言えずユニークで憎めないお魚さんです・・・ナポレオンフィッシュさんは浅い海の岩礁やサンゴ礁に住んでいてその明るい海を悠々と泳ぎまわっていますがパラオではブルーコーナーの縁あたりをウロウロしています・・・ナポレオンフィッシュさんもご多分に漏れずベラ科の魚によく見られる性転換するお魚さんですが繁殖期に縄張りの中にいる最も大きいメスの個体がオスとなります・・・でもそのオスがもしも死んでしまったら次に大きいメスがオスに性転換するそうですが小さくて弱い時期はメスとして卵を産む役割を果たします・・・強くて大きくなったらオスとして縄張りを持ちハーレムを築いてその群れを守りそうやって子孫を次の世代へつないでいくナポレオンフィッシュさん達でした。


- そんなナポレオンフィッシュさんですが実は高級食用魚として重宝されていてさしみや煮つけや塩焼きなど大変美味とされています・・・私もパラオでナポレオンフィッシュさんを食べさせていただきましたが唇のあたりがプルプルしていてとてもおいしかったです・・・ダイビングで見て親近感を持ったお魚さん達ですが釣られたお魚さんは美味しくいただくことも大切です・・・下の写真のナポレオンフィッシュさんは右目が後ろを左目は前を見て辺りを観察しています・・・やはりハーレムのメスたちを守る為にオスのナポレオンフィッシュさんは一時たりとも無駄にせず辺りを警戒しているんですね・・・そんなオスのナポレオンフィッシュさんですが老眼鏡をかけているようでぼってりした分厚い唇で「ぬぼー」という表現が一番合っている悠々とした貫禄のお魚さんです。

ネジリンボウさんの雌雄の違いは度胸?
- スズキ目ハゼ科のネジリンボウさんの全長は6cm程度で岩礁やサンゴ礁の外縁部に続く砂底で暮らしていてニシキテッポウエビさんによって掘られた砂地の巣穴に仲良く共生しています・・・ネジリンボウさんは通常巣穴の上でペアで仲良くホバリングしていて流れてくる方向に顔を向けて流れに乗ってやってくるプランクトンなどを食べています・・・穴掘りがめっぽう得意なテッポウエビさんと目がとっても良いネジリンボウさんはお互いの得意を生かしGive&Takeしながら共生しています・・・下の写真でもわかる通り常に敵に目を光らせているネジリンボウさんは穴の入り口でホバリングしながら敵が近づくと尻尾でエビさんの触覚に触れて警告します・・・そのシグナルを受けたテッポウエビさんは巣穴の手入れをやめて一目散に巣穴の奥へ逃げ込みますがネジリンボウさんもホバリングをやめて巣穴の中に続いて引っ込みます。

- ネジリンボウさんは普通ネジリンボウさんのペアで暮らしていますがたまにヒレナガネジリンボウさんと同居していることもあります・・・ネジリンボウさんは鰭の長さの違いを人間ほどあまり気にしていないのでしょうか?・・・ネジリンボウさんのペアの雌雄判別は第一背ビレの長さで判別でき長い方がオスとなります・・・でもペアで泳いでいると比較できるのですが一匹だけだとこのネジリンボウさんがオスなのかメスなのかよくわかりませんねえ・・・でもオスのほうがとっても臆病で先に穴の中へ逃げ込むことが多いのでおそらくメスですね・・・女は度胸?・・・先ほどのヒレナガネジリンボウさんと同居しているネジリンボウさん達はもしかしたら妙に鰭の長いオスのネジリンボウさんと勘違いしているのでしょうか?
ネムリブカさんのお昼寝を邪魔しないように!
- メジロザメ目メジロザメ科に属するネムリブカさんは熱帯域に住む温かい海のサメさんで昼間は海底の洞窟などで眠るようにじっとしています・・・基本的には珊瑚礁の中を住処としておりいつもゴロゴロと寝転んで寛いでいるというか怠けているというか・・・だから名前がネムリブカさん!羨ましい!・・・ネムリブカさんの背びれの先と尾びれの端には光沢を帯びた白い模様(ホワイトチップ)を付けておりお洒落には気を使っているようです・・・この写真ではわかりませんがネムリブカさんは猫のような目をしていてそれから口の部分には2本の髭がありますのでまるで居間でゴロゴロ日向ぼっこをする猫のようなサメさんです。

- ネムリブカさんはよく群れを作っていますが数平方キロ程度の範囲を定期的に泳ぎ回りながら生活しています・・・基本的には攻撃性は高くありませんがあまりしつこく関わろうとすると攻撃してくる事もあるようです・・・ネムリブカさんにしてみれば折角ゴロゴロと寛いでいるところをしつこく邪魔をされるのですからいくらおとなしいネムリブカさんでもそりゃあ怒りますよね!・・・それからネムリブカさんは大体5年位で成魚となり寿命は25年ほどだそうです・・・メスは体長が50cmほどの幼魚を一度に1~5尾ほど産むそうです・・・「フカ」は「鱶」と書きお腹の中で子を養っているお魚さんという意味で卵を産まず胎児を育てる胎生のサメさんなのです・・・ネムリブカさんって凄いですね!50cmもあるの5つ子さんを産むんですよ・・・お母さんは大変です。
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