カニさんの真似をしてピョコピョコ踊るカニハゼさん! パラオ
- スズキ目ハゼ科Signigobius属のカニハゼさんの特徴は何と言っても背鰭にある2つの大きな目玉模様ですがこの模様がカニさんの目に見えることからカニハゼさんという名前が付いたそうです・・・でもカニハゼさんはその見た目だけではなくカニさんが足を踏ん張って前後にピョコピョコ動くその姿を真似てカニハゼさんもピョコピョコと動くのです・・・カニハゼさんは形だけでなく動きまでカニさん似せているのですがどうしてそんなにカニさんに寄せているのかと言うと自分たちをカニさんの様に見せかけることで敵から逃れているのだそうです・・・この写真のカニハゼさん達もペアで並んで仲良くホバリングをしながらコミカルな動きでピョコピョコピョコと踊っています・・・でも危険を感じ始めるとカニハゼさんは砂の上に着底しさらに危険を感じると巣穴にささっと逃げ込んでしまいます・・・このペアのカニハゼさん達も現在砂の上に着底していますね・・・かなり私を警戒しているようで背鰭の眼状斑だけではなく本物のエメラルドグリーンの目でじっとこちらを伺っています。

- 写真を撮るだけなので安心して欲しいところですがカニハゼさんはとても臆病なのでいったん巣穴に避難してしまうとなかなか出てきてくれません・・・それでも写真を撮りたいのでカニハゼさんの警戒状況に最大限気を配りながら少しずつ近づいてみます・・・カニハゼさんはテッポウエビさんと共生しているハゼさんとは異なりエビさんに巣穴を作ってもらうのではなく自分で巣穴を掘って住んでいるという働き者のハゼさんなのです・・・カニハゼさんの食事方法はパクパクと砂を飲み込んだ後に砂の中の有機分だけを食べていらない砂などは鰓からブバッと出すのです・・・見ていると結構派手にぶばーッと砂を吐き出します・・・そんなかわいいカニハゼさんですが国内には生息しておらずフィリピン沿岸~ミクロネシアなどに住んでいて英名ではTwinspot gobyといいます・・・正面顔のカニハゼさんもかわいいですが眼の下からほほにかけて走っている縞模様が何故か刀傷に見えてきます。

イセエビ科のエビさんの特徴は?このエビさんはカノコイセエビさん?
- イセエビさんというのは現在ではイセエビ属22種とミナミイセエビ属7種の総称で世界中の暖かい海にいてご存知の通り非常に大型になるエビさんです・・・国内では十脚目イセエビ科イセエビ属のイセエビさんを代表として十脚目イセエビ科イセエビ属のカノコイセエビさんや十脚目イセエビ科イセエビ属のニシキエビさんなどがいます・・・体型は太い円筒形で全身が暗赤色で棘だらけの頑丈な殻に覆われ触角や歩脚もがっしりしていていかにも強そうで屈強な身体をしています・・・ダイビング中に見かけるとまさにエビの王者という感じですがまれに青色のイセエビさんも存在します・・・第二触角は太く頑丈な殻に覆われていてその根元には発音器があり人間につかまれると関節をギイギイと鳴らして威嚇音を出します・・・腹部の背側には短い毛の生えた横溝があり雌雄を比較するとオスが触角と歩脚が長いのに対してメスは腹肢が大きく一番後ろの歩脚が小さなハサミ脚に変化しています。

- 十脚目イセエビ科イセエビ属のイセエビさんは体長30cm程で1kg近くになることもありますが昼間は岩礁にいて夕方から餌を求めて出歩きます・・・体型は太い円筒形で全身が暗赤色な頑丈な殻に覆われていて第二触角の根元に発音器があってグググと鳴きます・・・十脚目イセエビ科ミナミイセエビ属のミナミイセエビさんはオーストラリアやニュージーランドやアフリカ南部に多く生息していて体長は50cmに達するものもあり大物です・・・発音器はなく腹部の背面に独特の浮き彫りがあり色は伊勢海老に比べ全体的にやや白っぽいそうです・・・十脚目イセエビ科イセエビ属のニシキエビさんは九州以南や南西諸島の浅海の岩礁やサンゴ礁域に生息する体長50cmにもなる大型のエビさんで腹部に黒褐色の横帯と黄色い斑があります・・・十脚目イセエビ科イセエビ属のゴシキエビさんは本州中部以南や奄美大島や沖縄・八重山諸島などに分布しておりその名の通り頭胸甲に美しい色彩の紋様があり体長は30cmくらいです・・・最後に十脚目イセエビ科イセエビ属のカノコイセエビさんは房総半島から南に分布し沖縄や小笠原諸島でよく獲れます・・・体長は約20~30cmくらいで腹部にいわゆる1mmほどの白い水玉の斑点が鹿の子模様に似ていることから名前が付きました・・・また第一触角(細い触角)が白い斑模様になっています。

- イセエビさんの天敵はサメさんやイシダイさんやタコさんなどでそれらの敵に遭遇すると尾を使って後方へ俊敏に飛び退きます・・・いわゆるエビ逃げと言われる逃走方法です・・・またイセエビさんはウツボさんと共生していることがありますがこれはイセエビさんが天敵のタコさんから守ってもらうためです・・・その反面ウツボさんもイセエビさんに釣られて寄ってきたタコさんを食べれるという双利共生になっています・・・また繁殖期のイセエビさんは移動を開始するのですが移動の際に他のイセエビさんの後について列を形成するそうです・・・これは敵から身を守るための行動とみられ最初は数匹ですが徐々に数を増やしていき総勢60匹で列をなすこともあるそうです・・・そんなにたくさんのイセエビさんが列を成して移動する姿はちょっと不気味かもしれません・・・また敵に襲われると最後尾のイセエビさんが犠牲になることが多いそうですがまさに殿を務めているということですね。

- イセエビさんは外洋に面した浅い海の岩礁やサンゴ礁で暮らしていますが昼間は岩棚や岩穴の中に潜み夜になるとごそごそと這い出し貝類やウニさんなど色々な小動物を探して食べます・・・かたい殻で覆われた貝などは頑丈な臼状の大顎で殻を豪快に粉砕し中身だけをむしゃむしゃと食べるそうです・・・確かにカノコイセエビさんって豪快でかなり力は強そうですもんね・・・下の写真のカノコイセエビさんが長い髭と頭を岩穴からちょこっと出して「誰だ!怪しいやつ!こっちに来るなよ!」っていう感じでこちらの様子を伺っています・・・カノコイセエビさんはたいてい複数で見られるのですが体色は茶褐色で白色の小紋が散在し歩脚にはオレンジ色の縦帯があり第1触角は白色のまだら模様で第2触角の基部に紫色の斑紋があります・・・イセエビさんによく似ているカノコイセエビさんは名前の由来でもあるカノコ模様が体に入っていますが写真のエビさんは体全体が見えないのでよくわかりませんね。

- 岩の隙間からこちらを鋭い視線でぐっと睨んでいる大きなイセエビさんがいますが私を敵である大型の鮫さんやイシダイさんと勘違いして睨んでいるのでしょうか?・・・さすがに天敵のタコさんとは見間違えることは無いと思いますがウツボさんはエビでタコを釣るって言いますからもしかして近くに狂暴なウツボさんがいるのでしょうか?・・・恐る恐るウツボさんを探してみましたが私が見た限りではいませんでした・・・イセエビさんは触覚の根元をこすり合わせて「ギーギー」と音を出しますがこの音はタコさんなどの天敵を威嚇するためだそうです・・・この音は体の大きさに比例して大きくなるそうですが下の写真のイセエビさんは貫禄があってかなり大きな音を出しそうです・・・イセエビさんは繁殖期に産卵場所へ移動する時などきちんと一列に並んで行儀よく集団で移動するそうですが意外と性格がきっちりしているんですね。

カペランサンカクハゼさんの背鰭のワンポイントが粋! ケラマ
- 砂地の上に居るのはスズキ目ハゼ科サンカクハゼ属のカペランサンカクハゼさんですが透明な体に綺麗なオレンジ色の斑点が散りばめられていてそのオレンジ色の斑点の中によく見ると黒い点々もあるのが特徴です・・・オレンジ色の斑点の中の黒い斑点は画面に目を近づけてよく見ないとわからないですね・・・カペランサンカクハゼさんの第一背鰭はそんなに長く伸びていないのですがその一つ目の背鰭に青黒い斑点があることが特徴になっています・・・和名としては2009年に新種登録されていて背鰭の青黒い斑点のほかに尾鰭付け根に短い黒色横線があることから他種との見分けは容易とのことです・・・下の写真では尾鰭の付け根の短い黒色横線はわかりませんが背鰭にある控えめの青いワンポイントが粋なカペランサンカクハゼさんです・・・このカペランサンカクハゼさんは黒い瞳に青緑色のきれいな光が灯っていますが何を心に秘めているのでしょうか?

- サンカクハゼさんの仲間はインド~太平洋に広く生息しており国内では主に琉球列島に分布していますがサンゴ礁周辺の砂底や内湾やガレ場などまた泥の多い場所でも見られます・・・それからサンカクハゼさんの和名の由来は吻がとがっており頭部の形状が三角形に近いからまたは体の横断面が三角形に近いからのいずれかとされています・・・確かにこのカペランサンカクハゼさんの顔も三角形をしていますね・・・またサンカクハゼさんは色彩的には灰褐色で地味ではありますが透明感があり綺麗なお魚さんで背骨に沿って白と黒の交互に入る模様もユニークです・・・サンカクハゼさんは小さくて白色が基本のやや透明の身体をしていて砂の上にいると背景に馴染んで目立たないので撮影する時は腹ばいになって横からサンカクハゼさんを捉え背景が砂地にならないようにできる限り気を付けています・・・でも結構すばしっこいハゼさんなのでなかなかいいアングルで取れず苦労するハゼさんなのです・・・サンカクハゼさんは底生の種類なのですがテッポウエビさんとは共生せず一匹狼で生き抜いているこのカペランサンカクハゼさんも目の奥がキラリと光っているのも納得できます。
コメント