遊んで遊んで!フレンドリーなアオウミガメさん! 小笠原


- 遠くからこちらへ近づいて来てくれるのはカメ目ウミガメ科アオウミガメ属のアオウミガメさんのようです・・・アオウミガメさんはウミガメ科最大種で背甲は上から見ると幅広い卵型で背甲や頭部・四肢の色彩は濃緑色や黒色をしており腹甲は白や黄色になっています・・・悠々と泳いでいますが頭部は小型で丸みを帯びタイマイさんの吻端は尖っていますがアオウミガメさんの吻端はあまり突出していません・・・遠くからではわかりませんが前額板は左右に1枚ずつで眼後板は4枚になっているのが特徴で他のウミガメさんと区別するのに役立ちます・・・また咬合面は鋸歯状で植物を噛み切るのに適していて下顎を覆う鱗は左右に1枚ずつで頭部や四肢を覆う鱗は黄色く縁どられています。


- 上の写真は「遊びに来たよ!」っていう顔をしている可愛いアオウミガメさんですがその和名や英名のGreen Sea Turtleは体脂肪が青緑色であることに由来しています・・・この体脂肪が青緑色であるのは主食である海藻類の色素が脂肪に反映されることによるものだそうです・・・だからアオウミガメさんはそれだけ大好きな海草が生育可能な浅い水深の沿岸域を選んで暮らしているのです・・・ところで人間も海藻類ばかり食べていると脂肪が青緑色になるのでしょうか?・・・またアオウミガメさんのおちびさんは生まれたら一生懸命海を目指しますが大きくなるまで外洋の表層に浮遊する藻類などに隠れて生活しています・・・そしてアオウミガメさんは甲長が30cmまで成長すると沿岸域へ侵入しそこで生活するようになると考えられています。


- 小笠原諸島では主に6月中旬から7月中旬に産卵しますが夜間に砂浜にあるアダンやモンパノキなどの低木の下に穴を掘り1回に80~150個の卵を平均4回に分けて産みます・・・アオウミガメさんのメスはまず前肢で全身が隠れるほどの深い窪みを掘りその中に後肢を使ってさらに深い穴を掘り産卵するのです・・・でも卵も含めて食用とされたり腹甲はスープの原料とされたり大航海時代には保存食とされまた漁業による乱獲で生息数は減少していて法的に捕獲や卵の採取が禁止されているところもあります・・・小笠原諸島では1876年に日本領になってから年あたり3,000頭以上を捕獲したと推定されていました・・・でも1910年から明治政府によって小笠原諸島で保護・増殖が進められ第二次世界大戦後に小笠原諸島が日本に返還されてからは東京都や小笠原村によって調査が再開され食用目的のウミガメ漁が認められていますが産卵期の漁獲は禁止や捕獲数の制限を設けたり大きさも限定しています・・・また近年人工孵化と稚ガメの放流が行われており生息数は安定しています。


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